☆  あい らぶ    LAB   ☆

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チビのこと(享年21歳)



お星様になったチビ

チビは1998年の10月20日に天に召されました。
晩年は病気のデパートともいえるほどあちこちに病気が出て。
でも最後は老衰だったと思います。

チビはもともとうちのダーリンが飼っていたわんこで
いつの間にか彼のところにやってきた、そうです。昭和54年頃かな。
その頃は仕事がとても忙しく面倒を見ることが出来そうもないので
困ったな、と思っていたのですが、競輪選手をしている友達が自転車のカゴに
乗せて何十キロも離れたところへ捨てに行ったそうです。
(今思えばそれもひどい話ですけど…)

でもチビは帰ってきたんです。何日もかかってトボトボと。
その姿を見てダーリンは自分のしたことを心から反省して
飼うことに決めました。もともとダーリンは動物好きですし。
わんこにも帰巣本能はあるそうですね。
チビは自分の居場所をもう決めていたのだと思います。
だから帰ってきたのだと思います。

チビはどう見ても日本のどこにでもいるような雑種でした。
毛の色は濃い茶色、ふんわりって感じ。シッポがクリンと丸まっていて
全体にこっつりしたタイプのわんこでした。

ダーリンが営んでいたお店の看板犬、にはなれませんでしたが
番犬としての役割は十二分に果たしていました。
チビは彼のお店兼倉庫の敷地の範囲をしっかり理解していて
ほんのわずかでもうちの敷地内を歩く人がいれば、「ワンワン」と
吠えます。それはお店の奥から外を眺めているときも同じでした。
あんなに離れているのにどうしてうちの敷地はわかるのだろう。
不思議なくらいでしたね。

私はチビに一度だけ噛み付かれたことがあります。
まだ彼と付き合って間もない頃。何がチビの気に障ったのかわからないけど
パクッとジーンズのお尻を噛まれました(*_*)
何日もチビの歯型が残っていました。でもね、噛んですぐ
「あ、ごめんごめん」ってすごすごと行ってしまいました。
誰と間違えたんだろ(^O^)

チビが亡くなる3年ちょっと前にラブラドールのゴンタが
我が家にやってきました。すでにその時チビは寄る年波に勝てず
よろよろとしていましたが、初日、みごとに上位を獲得し、
先住犬としての威厳を保ちました。アッと言う間に自分より
大きくなってしまったゴンタに対しても、小さいながらも大きな存在に
なっていたと思います。荒くれ者のゴンタがそれほど
生き方を間違わなかったのもチビの教えが効いていたのだと思います。

最後の半年くらいはチビは本当によく頑張りました。
自分で歩くことも出来ず、食べることも出来ず………
用を足す時くらいは何とか自力で…と思うらしく、立ち上がろうと努力するので
お腹のあたりにタオルを掛けて上から持ち上げてやるようにしました。
お散歩、と言ってもハウスの周りをくるくる回る程度ですが、
タオルを使って下半身の負担を軽くしてやると何とか歩けるようでした。

ごはんは、ドッグフードはもう食べられなくなっていましたので
カステラみたいなものを牛乳で少し浸したものを与えていました。
もともと牛乳が大好きで、いくらでも食べてくれました。
ほとんど寝たきりになっていてもごはんを食べてくれると嬉しいものです。

私達は一生懸命チビのお世話をしました。いつかは別れの日が来るだろうと
わかっていたし、最後までその命を全うさせてやりたかったのです。
人は「そんなにまでして生かさなければいけないのか?早く楽にしてやった
方がいいんじゃないの?」なんて言う人もいましたけど、そんなこと
とてもとても私達には出来ませんでした。
だってチビ自身が生きたいと願っていたから。目を見ればそれは
わかります。いつも「ありがとう」って言ってくれてた。
親ばかかもしれませんね。でも私達にはそれがわかっていたから。

チビもゴンタもそれからチビタも、ダーリンの会社の倉庫の中で
飼っていました。いよいよチビの最期が近づいているな、と
感じられるようになってからはなるべく自宅で面倒を見ていました。
ある時、出張から戻ると会社でチビがとても清々しい顔をしていました。
「あ、チビ、今日は元気だねぇ(^o^)」と思い、今日はこのまま会社で寝かせよう、と
私達は自宅に戻りました。ダーリンが「チビはそんなに簡単に死んだりしないよ」と
言ってくれたし。ところが翌朝会社に行って見ると、チビはもう冷たくなっていました。

「チビ、ごめんね………ひとりで逝かせてしまって」。私はもう涙がとまらない。
最期の瞬間は私が抱いて逝かせてやるつもりだった。今夜一晩くらいは大丈夫だろう、と
思った私が悪かった。ごめんね、チビ、ごめんね…と繰り返すことしかできなかった。
前の晩、清々しいとびっきりの笑顔を見せてくれたのは私達への最後の挨拶だったの
だろう。気づいてやれなかった。

いっぱい泣きました。悲しかった。次から次へとチビとの思い出が
まぶたの裏に浮かんでくる。どちらかと言えば無表情だったチビだけど
瞳でいっぱい気持ちを表してくれていた。笑った目、怒った目、悲しそうな目、
いろ~んなチビが思い出された。
何年経ってもチビのことは忘れない。時々、思い出の小箱から取り出して
チビのことを思い出そう。そうすることがチビへの供養になると思うから。

チビがいなくなってから、泣き虫になってしまった私。
20年余と言う長い長い間、一緒に生きてくれてありがとう。
たっくさんの思い出をありがとう。虹の橋で待っていてね、私達が行くまで。

チビ、本当にありがとう。




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