青空のように

青空のように

アクシデント?続き


道を聞いても無視されることもあるし、挨拶したら、露骨にソッポをむかれたり。
遍路嫌いの人もいるし、親切にしてあげたお遍路に裏切られたのかもしれない。
でも、僕は前の日記でも書いたように、皆さんが生活されてる場に勝手にこっちの都合で入り込んでいくわけですから、そういうのは仕方ない、あるいみ当然であろうとも思います。
なので、今まではそういうことは意識して書かないできたんですが、うーん、これは書かないといけないんですよねー。気が進まぬが・・・。

軽四輪に呼び止められて、それが昨日会ったおじいちゃんだったので、僕はとてもうれしかった。
日暮れまでに「青龍寺」まで行くのは無理か聞くと、無理だろうということで、足も痛いし、ガッカリした表情が出たのでしょう。
自分は、今病気で寝ている人のかわりに納経してまわっていて、今日は37番「岩本寺」まで行く。昨日は、あなたが今まで一度も乗り物を使ってないということだったから無理には誘わんかったが、今日は違う、車に乗りなさい。
そういわれて僕は乗ってしまったわけです。
足が痛い、予約した宿をキャンセルするのは避けたい、今にも雨が降り出しそう、いろんな理由があったんですが、乗っちゃう決め手になったのはじいちゃんが言った次の言葉。
「お大師さんも、身体を壊してまで歩けとは言わんよ」

で、乗せてもらった。
車の中には、菅直人と写ってる(遍路姿で)写真がありました。
車の中では、いろいろ話を聞きました。
歩き遍路と乗り物を使う遍路と、お大師さんが功徳に差をつけると思うか?
そんなに歩く事にこだわる必要はないと思うのだが・・・とかね。

僕は「青龍寺」までのつもりで、宿をキャンセルするつもりもなかったのですが、そのKという宿を予約したるというと、そこはきついよ、行けばわかる、ということで「青龍寺」に到着。
滝

坂下
朝青龍が稽古した階段

坂
上から見るとこう


僕はここでお礼をいって終わりのつもりだったのだが、「あれがKだよ」といわれて驚く。
ありゃま、山のてっぺんにそそりたっておる。
「みんなここにきて、実物をみて驚くんだ。あそこまで登れるか?」
今日の足では無理。どうしようか。
そして、どうせワシは次の「岩本寺」まで行く。宿はキャンセルしても大丈夫、ワシの名前を出せば納得してくれるよ。
そう言われてアホな僕は、また車に乗ってしまったのです。

ここは今でも反省してます。
なんといわれても、予約した宿はキャンセルするべきではなかったし、このあとどうするかは自分で決めるべきでした。

もうひとつ、僕(に限らないと思うのですが)は歩き遍路に出てから、次の日の予定しか立てていません。
明日はどの辺まで歩けるか、その周りに宿はあるか。それだけです。
明後日のことはあまり考えてない。
日常ではそんなことはありえないけど、1日歩き、疲れた体で「さあ、明日はどこまで行けるか」、そうして翌日の計画を立てる。
これがすごく楽しい!。
そういうわけで、「青龍寺」から先のことはあまり考えてなかったのですが、車にのってしばらくして気がついた。
「岩本寺」までは、65キロもあるのでした!。
歩くと2日かかるが、車では40分ぐらいだったでしょうか。
いくらなんでもこれはマズイ。
しかしいまさら降ろしてくれともいえないし・・・。

もうこれはしょうがない。僕はあきらめて、これは縁だ、こうして助けてもらったのだ、そう思うことにしました。

あと5分で着くよ。
そう言ったあと、じいちゃんは言葉を続けました。
「ガソリン代もらっていいかね」

ここからあとのことは、あまり思い出したくありません。
もちろん僕は、乗せてもらったお礼はするつもりでいたのですが・・・。
そこまでポツリポツリと喋っていたじいちゃんが、お金のことを口にしたとたん、いろんなことをペラペラと喋りだしたのが悲しかった。

ガソリン代として、じいちゃんのいう通り1万円(・・・)を渡し、灯明だけあげ、「岩本寺」を後にし、道路沿いにあるベンチでボーッと座っていました。
宿にキャンセルの電話をかけると理由を聞かれたので、車に乗せてもらって「岩本寺」まで来てしまって・・・と言うと、「ひょっとして、軽四輪に乗ったじいちゃんじゃないですか?お金要求されましたか?」といわれ、そうだというと、逆に謝られてしまいました。
「申し訳ないですねえ、せっかく四国までこられたのにイヤなおもいをさせてしまって」

早くこの場所を離れたくて、何も決まらないまま歩きはじめ、陽が暮れてから温泉施設をみつけ、飛び込みで泊めてもらいました。
雨も降り始めたけど、脚の痛みも忘れてました・・・。

山越え
つらい気持ちでこの山を越えてきたぜっ!




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