青空のように

青空のように

大瀧詠一を讃える 2 ナイアガラムーン


発表から、もう30年にもなるのねえ。

大瀧詠一といえば、「ロング・バケーション」に代表される、甘くグルーミーなポップスの人、と思われてる方が多いはず。
しかし、このアルバムでの大瀧は違う。まぎれもないロックンローラーです。
このアルバムのあと、大瀧は自らこの路線を封印してしまうのですが、でもそれでもいい、このアルバム一枚聴けば、大瀧の音楽性の圧倒的な豊かさに感動できる。
その感動は30年経っても変わらない。

大瀧の音楽は時々、頭だけでつくっているように聴こえるものもあるのだが(同じようにスタジオを実験室として使っているであろうライバル、細野晴臣には、そういう違和感を覚えることはないのが不思議)、このアルバムでの大瀧は肉体のリズムも伴っていて、文句なしにファンキーだ。

ファンキー。
そう、これは、日本が生んだニューオリンズ・ファンクの最高傑作なのです。
ニューオリンズだけでなく、ルンバ、メレンゲ、ビギン、エルビス、バディ・ホリーから美空ひばり、クレイジーキャッツ、山田太郎(ドカベンとは関係ないです)まで、リズムと冗談が乱舞する。
そして、そのリズムの博覧会の中でも、ひときわ燦然と輝くのが「福生ストラット」という曲なのであります。

 福生行きの切符買って(オーマモリーニー)
 福生行きの切符買って
 福が生まれる町   (ニーリモマーオー)
 福生ストラット キープ・オン・ストラット

歌詞はこれだけ。
言い忘れましたが、音楽イコール詞、と思ってるひとにはこのアルバム関係ありません。
カッコの部分はコーラス(というか、コール・アンド・レスポンスですね)ですが、一度目のコーラスが「お守りに」なのはわかるけど、「ニーリオマーオー」とはなにか。
悩み続けて、これがただ「お守りに」を逆から読んでるだけと気がついて(10年くらいかかった!)、目からウロコを(ついでに大粒の涙も)ぼろぼろ落とすようでなければ、大瀧詠一は聴けません。

ちなみにコーラスは
 山下達郎
 大貫妙子
 伊藤銀次
 上原裕
 ゲーハ助川

ゲーハ助川って言ってもわからないだろうけどさあ(笑)。

あ、ウルフルズの「大阪ストラット」の原曲でもあります。
もちろん、もっとファンキーだが。
ウルフルズのプロデューサーが、伊藤銀次だった。

バックはキャラメル・ママ(ティンパン・アレー)。
 細野晴臣
 鈴木茂
 林立夫
 佐藤博

であります。
余談ですけど、「キャラメル・ママ」とは、息子の受験についていく(大甘の)母親のことね。

僕はこのアルバム、アナログで4枚(エレック盤、コロンビア盤、ソニー盤、ナイアガラ・ボックス盤)、
CDで2枚(最初に出た分、20周年記念盤)持ってます。バカです。
もちろん、今回も買います。
とにかく、「福生ストラット」だけでも聴いてみて。
フッサストラットというペンネームのおじさんのページにきたのも、何かの縁だと思って!












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