米がん協会(American Cancer Society)によると、環境因子(喫煙、ダイエット、感染性疾患など)がアメリカのがんの4分の3に関連しているということです。今日の政治的な社会では、環境がどのようにがんに影響を与えているかに関する分析は、かなりの論議を呼び起こしています。米がん協会の疫学、調査研究の権威、クラーク・W・ヒース・ジュニア(Clark W. Heath Jr.)医師のような専門家の「発がん物質の濃度が低くそれほどの影響を受けないところでは、患者の数も少ない」という見方があります。 また、同医師は「野菜や果物をたくさん食べる利点は、食品に付いている残留殺虫剤による発がん物質の悪影響を上回る」とも述べています。
また、W・ジョン・ダイアモンド(W. John Diamond)医師、W・リー・カウデン(W. Lee Cowden)医師、An Alternative Medicine Definitive Guide to Cancerの著者、バートン・ゴールドバーグ(Burton Goldberg)氏のような「殺虫剤の使用は、隠れた殺し屋である化学物質が直接腫瘍を大きくするばかりでなく、免疫システムを弱め疾患に罹りやすくなどする」という見方もあるのです。
がんの数種は、体内を周るホルモンに影響されます。例えば、多くの研究を基に、女性ホルモンのエストロゲンは、乳がんなどのがん成長を刺激すると考えられています。Journal of the American Medical Association(2001年3月21日号)に掲載された研究によると、ホルモン治療(HRT)としてエストロゲンを少なくとも10年体へ取り入れている閉経期後の女性では、卵巣がんの危険性が2倍になるということです。
例えば、大豆などの植物に含まれるフィトエストロゲンは、体内で弱いエストロゲン効果を発揮します。これらのフィトエストロゲンは、より強力で有害なエストロゲン効果を妨げることで体を保護するのだと多くの研究者は考えています。トリ・ハドソン(Tori Hudson)自然療法医は、Alternative Medicine Guide to Cancerの著者に「フィトエストロゲンは、エストロゲン結合サイトを邪魔し、子宮を保護する(前がん状態である類繊維腫を防ぐ)効果を示す」と述べています。
大豆のフィトエストロゲンは前立腺がんを予防するという指摘をした研究もあります(Lancet1993年)。一方、環境毒素であるPCB(ポリ塩化ビフェニル)のような汚染物質は、がんに罹る危険性を増す有害なホルモン変化を起こします。ケース・ウエスタン・リザーブ(Case Western Reserve)大学の研究(Env Hlth Persp1997年)によると、PCB、プラスチック製品、殺虫剤に含まれる合成化学物質の分子構造が、体内からの排出を遅らせ毒性を増すということです。 フィトエストロゲンは水溶性で体から簡単に出て行きますが、こうした合成化学物質は脂肪に付着してしまうのです。従って、毒性化学物質が乳房などの脂肪組織に蓄積され、さらにがんに罹りやすくなるのです(www.wri.org/health/s-mol.htm)。 Milky Questions(ミルクの疑問) ミルクもまた、がんの危険性をはらんでいるということです。ハーバード大学公衆衛生科栄養学のウォルター・C・ウィレット(Walter C. Willet) 医師によると、乳製品を多く摂取する食生活は、前立腺がんの危険因子として関係があるということです。著書、Harvard Medical Guide to Healthy Eatingでは、「前立腺がんに最も深く関連する食生活の要因はミルクなど乳製品の多量摂取であることが、9件の研究で明らかにされている」と述べられています。
スカンジナビアの双生児4万人を調べた研究では、遺伝子に関連した乳がんは4件に1件。直腸がんの危険性が35%、前立腺がんは10件に4件だったことが分りました。環境毒素やライフスタイル要因は、がんの危険性の半分以上に関係するようです(NEJM2000)。つまり、今後がんに罹るかどうかは、あなた自身にかかっているともいえるでしょう。慎重なライフスタイル選びを行い、直射日光を避けがんの心配のない道を歩いていってください。 Eight Basic Steps to Lower Your Cancer Risk (がんの危険性を下げる8つの基本ステップ)