I歯科医院の高楊枝通信。

I歯科医院の高楊枝通信。

ハイブリッドクラウンの2次カリエス1.3(2次カリエスの防ぎ方)



前回のつづきです。遡ってご覧ください。

https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202506210000/

​この方それほど高齢というわけでもないのですが、ひと昔前までの人生はこんなもので、60歳前に亡くなる方がほとんどでした。
50代というのは今ではまだ若いのですが、歯の方はかなり厳しい。80まで持たないと思う。神経を取った歯、咬合性外傷がある方、特に劣化が激しいのです。

実は今の削って被せるという方式の歯科医療は人生MAX60年時代のコンセプトそのままやっているのです。人生80年、あるいはそれ以上にはそもそも対応していません。削って被せなければ、90歳以上まで自分の歯を維持できる可能性は十分あります。

では時系列でどうぞ

白い部分には厚みが必要なのだが、薄いとメタルが見える。厚みを確保するには歯質の削除量が増える。今流行りのジルコニアも同じで、見た目の綺麗さを追求すると歯の寿命には優しくないというジレンマを抱えている。


除去


ほとんどセメントは効いていない。隙間が十分に小さく嫌気性菌が住める範囲なら虫歯は進行しない。


型取り(スキャニング)して作る被せものはテーパーを付けざるを得ないので、咬合力でマージンが開き隙間が大きくなり、好気性・通性嫌気性菌が住み始めると酸を代謝するので、虫歯の進行は早まる。

これが被せものが持つ根本的な欠陥で、この欠陥がないのは今のところCR充填だけだ。


虫歯を支台歯形成しながら除去しても歯肉縁下に及ぶところはCRで補修せざるを得ない。


これはまだ神経がある歯なのだが、何か被せものを作るとなると切削量は多くならざるを得ず、見たとうりの次が無いという状態になる。
CRで再建するとなるとこんなことにはならないのだが、
CRは儲からない、技術的に難しい、患者にはその場で終わるし大したことがなかったんだ。。と思われるという三重苦を乗り越える必要性が生じる。


虫歯にならないためにはフィニシングラインは全部CRで覆った方がベターなのだが、腕が疲れたのでできなかった。こちらも高齢化が進んでいる。
被せものを作るにしても歯質をCRで覆うということはその理由は分かっていないようだが、少しずつ行われ始めているように感じる。

歯質とメタルをセメントで繋ぐだけではセメントが剥がれた時には、異種金属接触腐食で虫歯になるし、
金属でなかったら隙間腐食が起こる、というのがマージン部分の虫歯の理由で、
これを防ぐには歯質は接着強度の大きいCRで覆い、CRの上にクラウンを被せると2次カリエスを防ぐことができるということだ。


次回は技工室の作業

つづく


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