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40代女性、左上7、歯髄壊死10年程以前、親知らずがちゃんと萌えて(生えて)いなくて手前の7番が虫歯になりそうだったので、抜歯したのだが、遅かったようだ。このような症例はままありがちだ。痛くなったら親知らず共々7番も抜歯になることは多い。10年前のレントゲン写真今回のレントゲン写真数日前、強烈に痛んで眠れない程だったが、今はピタッと痛みが止まったと言う。歯髄が壊死してしまったようだ。このような7番を保存することは技術的に困難なので抜歯せざるを得ないと考える歯科医師は多いと思う。7番は治療器具が届かないので物理的に処置ができないということもあるし、遠心の歯肉縁下に虫歯があったのでは、薬液も漏れるしそもそも根管治療ができないからだ。しかしそうではない。遠心の歯肉縁下の虫歯をCRで充填した後に根管治療をすれば良いのだ。しかも僕の根管治療は1回で終わる。リーマー・ファイルすら不要な歯医者にとっても患者にとっても夢の様な根管治療だ。今日は遠心歯肉縁下のCR充填という根管治療の前処置だ。切削器具も届きづらい。通常の方法ではCR充填はできないが諦めずに頑張り続ければできるようになる。若い歯科医師はトライして欲しい。では時系列でどうぞ普通にトンネリング技法を使う。一番後ろは狭すぎてミラーテクニックが使えないし直視はできないので、頭の中に立体画像をイメージングして器具の先端の感触を頼りに軟化象牙質を除去していく。つづく
2024/10/30
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40代男性、左下6、Per、咬合性外傷(歯ぎしり)、歯根クラック、フィステル昨日に引き続き今日も1回で終わる根管治療のお話。でもちょっと厳しい、、歯根にクラックが入っている。α-TCPによりクラックが塞がれば良いのだが、この方歯ぎしりがひどい。それだけではなくせっかく作ったナイトガードの装着もサボる。。とりあえずフィステルが沈静化することを第一段階の目的に絞った。詳細は省いているので、前回の処置も合わせて見て欲しい。では時系列でどうぞレントゲン写真では根尖周りに広範囲の炎症が見られる。少し黒い部分がそうだインレーに穴を開けて、根管内部の治療を優先する。これがフィステル。膿やリンパ液の排出口メタルは切り取った。裏装セメントだかレジンが見えるさらに進むと、天蓋と言われる歯髄の天井部分が見える。遠心にクラック(ヒビ)が見える。天蓋も除去した。クラックは奥の方に続いている。超音波スケーラーで根管内の洗浄。根管は4本あった。1次α-TCP+3MIX後は綿球で抑えて余分な水分を吸い取る2次α-TCP+3MIXCR充填して経過観察。つづくかな?
2024/09/03
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前回から久しぶりの記事になる。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202405300001/遡って見ていただけるとよく分かると思うが、従来の根管治療などという意味のないどころか患者の歯の寿命を短くしてしまう処置は全く必要ない。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/ctgylist/?ctgy=52</70代男性、左下1、外傷性歯髄壊死というか、外傷性歯髄炎、動揺度2、圧痛+、排膿+切削バーで根管を明示して、細くなった根管を探す。外傷性の歯髄炎の場合、腐敗臭はしない。外傷性の歯髄炎とは外傷性に根尖口付近の血管が損傷して、血栓等が歯髄内の毛細血管に詰まることによる。要するに歯髄塞栓症ということだ。超音波スケーラーの#15のエンドチップだけを使って、根管を見つけなるべく根尖に届くまで超音波洗浄する。根管長測定器での測定でもまずまず。実はこの機械の動作原理もよく分かっていない。2種類の周波数でのインピーダンス(交流抵抗値6.5kΩ)で根管長を測るとされているが、歯のインピーダンス(電気が流れる)があるという事実を誰も気にしていない。歯に電気が流れるとすれば、虫歯が電気化学的な腐食であるということに一歩近づくが確実になるのだが。精製水練りのα-TCP+3MIXエンドチップで奥に押し込む(超音波は使わない、水が出るから。水が出なかったらやってもよい)余分な水分はペーパーポイント等で吸い取る2回目のα-TCPは通常練りフィニッシング部分を綺麗にしてCRで塞ぐ。信じられないかもしれないがこれで終わりだ。根管拡大、根管充填など感染を招くだけの不確実な処置など、全く必要ない。今回は歯列固定した。beforeafter
2024/09/02
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70代女性、左下6 、遠心歯肉腫脹、自発痛+前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202406010002/通法と呼ばれる感染根管治療では絶望的で半年も通わされた挙句抜歯になる確率は高い症例なのだが、3MIX+α-TCPで簡単に治る。1回で終われないとは言え、3回の通院で治るのだから歯科業界にとっては夢の根管治療だ。もう症状も無くなったので、歯冠を再建して終わることにした。これで再発すれば「抜歯・再植」がある。ところで朗報がある。みなさん待望の後継者候補が見つかった。まだ学生なので実践投入はまだ先なのだが、期待していただきたい。・・この回は口腔内で歯冠を再建するというテクニックだ。100%の歯科医師はこれができない。できないが故に今までの歯科治療の体系があったと言っても良い。口腔内で歯冠を作ることができないがために型取りして口腔外で作成した修復物をセットするのだが、これには機械工学的に致命的な欠陥がある。アンダーカットがあると作製不可能なのだが、これが問題なのだ。つまり抜き差しできるように作らざるを得ないというのは接着剤の性能が良くなったとしても長期間の絶え間ない咬合力に晒されることによりいつかは変形脱離して漏洩が起こる。つまり2次カリエスや根管感染が起こるということだ。歯科医師にとって口腔内でCRで歯冠を再建することは考えたこともない常識の外にあるので、そんなもの、すり減るだろう、すぐ壊れるだろう、と負け惜しみを言うが、実はそんなことはない。CRの物性もボンディング材の性能も十分なので、10年以上も問題なく経過している症例はいくらでもある。すり減ろうが壊れようが、問題の発見は容易で、補修も簡単だ。フェールセーフという観点からも、資源エネルギー減耗時代に備えるという意味においても、CR修復再建テクニックを学ぶことはこれからの歯科医師として必須の要件だと思う。機械で作れるとなったら、歯科医師は要らなくなるのではないだろうか?具体的にはまず歯牙の形が頭に入っていなければならない。歯牙解剖やその実習の歯型彫刻は完全にマスターする必要がある。次は歯科技工では歯を作るに際しては、後ろからも前からも横からも見ながら作ることができるが、口腔内では前からしか見えない。せいぜい鏡に映しながらの作業となる。しかも血液、唾液、息と患者が口を開けていられる時間、こちらの体力の限界との戦いとなる。この症例では30分というのが一応のタイムリミットだろう。実際にはフロアラブルレジンを使い積層法で積み上げていくだけだ。では時系列でどうぞ食いつきをよくするためにCRの新鮮面を出し、ディンプルを付ける。ポーセレンプライマーは塗布している。周辺から積み上げていく少し低めに咬頭を盛っておき噛み合わせの高さを決めるため咬頭にCRを盛って、噛ませて、横から光照射して固める。噛み合わせの高さを決めた咬頭周りを埋めていく防湿のロールワッテを外して、舌側咬頭を築成出っ張りを修正、咬合調整して終わる。
2024/06/06
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70代女性、左下6 、遠心歯肉腫脹、自発痛+前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202405310000/中3日で遠心の腫れはだいぶ引いたので、腫瘍ではなかった。普通のPerだ。よかった。beforeafter(4日後)今日は超音波洗浄して3MIX+α-TCPで根管充填してCRでカバーして終わり。次回歯冠修復。レントゲン写真では、根管充填材も全部除去できなかったが、大丈夫。beforeafter遠心根はまあまあ近心根は排膿している。排膿していようが、出血していようが、根管充填材が残っていようが、破折ファイルが取れなくても、全然気にしなくて良い。3MIX+α-TCPで充填するだけだ。充填できなければ近くに置くだけでも良い。勝手に塞がって治る。夢のような根管治療だろう。ただCRで漏洩がないようにカバーしなくてはならない。漏洩するとだめだ。細菌がまた侵入するからだ。超音波スケーラーエンドチップで洗浄3MIX+α-TCP充填1回目2回目CRで歯質をカバーする。電気的に絶縁すれば虫歯にならない。金属腐食を防ぐ基本がこれ。
2024/06/01
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70代女性、左下6 、遠心歯肉腫脹、自発痛+数年前近心根の頬側が腫れたので部分的に根管口まで穴を開けてα-TCPを入れていて、そこは大丈夫なようなのだが、今回は遠心根のさらに後ろが腫れている。レントゲン写真では近心根の歯根膜腔も拡大しているので、Per(根尖性歯周炎)もしくは歯根破折で細菌感染しているのは確実なんだが、遠心根には異常は見られない。もちろん絶対ではないし、近心根の炎症が波及していると考えられないこともない。腫れている部分の歯槽骨も境界明瞭とは言いにくい。見た目がカリフラワー状?で気持ち悪いので悪性腫瘍かもしれないが、そこは下手にいじってリンパ節転移でもされると嫌なので、歯根内部がどうなっているのか冠やメタルコア、根管充填材を外して見てみることにした。根管内部に3MIX+α-TCPを入れてみて症状が改善するようなら腫瘍ではない。この既存の修復物を除去するのが大変で、最悪削り取らないとだめで、無理矢理こじると歯根が破折してしまう。除去するだけで小1時間かかることもあり腕が萎えている僕には辛い作業だ。今日は除去するだけで力尽きた。。冠除去後メタルコア削除途中少しこじるとコアは外れた。内部のセメントは細菌の代謝産物で汚れている。冠やクラウンに隙間ができていたことがわかる。細菌出入り自由だということだ。セメントはあらかた除去した。ピンク色の根管充填材の周りも硫酸塩還元細菌の代謝産物のFeS(硫化鉄)で汚染されている。ここからも歯牙の内外に細菌出入り自由だ。多かれ少なかれ全ての歯科治療、詰め物、被せ物には隙間ができて細菌が出入りするようになる。最初から削らないのが最も良いのだが。僕は神経を取って被せ物は作らないので、他所の尻拭いばかりさせられている。このような症例では標準治療の感染根管処置も上手くいかない確率が高く疲れるだけで、儲からないので抜歯だ。ブリッジはできないのでインプラント。お金がないなら入れ歯か、抜きっぱなしです。となる。根管充填材を除去する体力が残っていなかったので、3MIX+α-TCP50%クエン酸練りを入れルミコンで仮封し、デュラシールで固まるまでのカバーとした。根充材を除去せずとも隙間だらけなので薬剤は浸透する。これで腫脹が改善していれば腫瘍ではない。一安心だ。つづく
2024/05/31
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30代女性、左上5、隣接面カリエス、CR充填脱離後数年放置、歯髄壊死、温冷水痛+nekoさんのリクエストがあったので、通常の歯科の診断では歯髄の保存は不可能とされる症例の歯髄保存を行った症例をアップしてみる。根管を開拡した時に腐敗臭があったので歯髄壊死と診断したのだが、超音波スケーラのエンドチップを根管内に入れた時に若干の痛みと出血があったので精査してみると歯髄の30〜50%程は生きていた。歯髄は細菌感染していて歯髄ポリープ化が進行していたので、標準治療では歯髄は全部除去して根管拡大、根管充填、コアの作成、冠の印象、セットと進むのだが、今回は残っている歯髄(歯髄ポリープ含む)を保存してCRで歯冠をその場で再建して一回で終わることにした。直後から1日分の抗生剤を経口投与したが、これだけでなんの症状もでていない。世界中の歯科医師は何が起こっているのか全く理解できないだろう。歯科医学の常識から完全に外れているからだが、僕に言わせれは歯科医学の常識の方が100年遅れていると思う。この治療法が普及すればどういうことが起こるのか?、ちょっと考えるのが怖い。失業する歯医者が世界中で続出しそうだ。従来型の治療法が要らなくなるか、そこまでいかなくともそれらが必要な症例が激減するだろうからだ。患者は喜ぶだろうが、歯医者の仕事が存続できなくなる可能性は高い。歯医者が一軒も無くなるのは患者も困るだろうから、ある程度存続可能にするにはどの程度の診療報酬に設定すべきか、考えられないことはないが、ここでは提示するのは差し控えたい。流動的な要素が大きいからだ。安くはならないことは確かだが、インプラント等と比べると器具・材料費は極小なのでその分安くはなるだろう。まずレントゲン写真だが、根尖の陰影は確認できないが歯根膜腔の拡大は見える。虫歯が歯髄に達しているかどうかもはっきりしない。ギリギリセーフかもしれない。とりあえず麻酔はせず、軟化象牙質(虫歯)を除去することから始める。痛みがあれば歯髄は生きているということがわかるからだ。歯冠内部の象牙質は70%失われている。露髄しているがこの段階では大部分は失活しているかもしれないと思われた。ここまで痛みはない。失活している可能性が高いと考え、エンドチップが入りやすいように冠部歯髄部分を開拡した。エンドチップを挿入して超音波洗浄してみた。根管長16mm。通常の根管治療はしないので、根管長にこだわる必要はない。痛みや出血、根管が何本あるかに留意する。根尖付近で若干の痛みがあり、出血したので部分的に歯髄は生きていることを確認した。ボスミン液で止血して拡大して見てみた。歯髄(ポリープ)が見える。エアブローで水分を飛ばして、3MIX+α-TCP精製水練りをエンドチップで1次充填。出血しているが気にしない。余分な水分と血液は綿球で押さえる。緊密充填されている必要性は全くない。自然にα-TCPは硬化し根管は閉塞する。この辺りの機序はまだ分かっていないようだが、阪大の論文がある。α-TCP50%クエン酸水練りで2次充填。これは数分で硬化するので、この上にCRで辺縁漏洩がないようにカバーする。CR充填は収縮の影響を抑えるために数回に分けて積層法で。CRでの歯冠再建が終わったところデンタルフロスが通ることを確認して終了。経過観察。これで咬合性外傷がなければ何年も持つ。脱離や欠けがあればその都度部分修理する。ボンディングの剥がれがあると隙間が黒色物質(FeS)で汚れるのでよくわかる。これも部分修理する。
2024/05/30
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80代女性、右上4、Per+GA、自発痛++施設に入所していて、痛くなってかかりつけの歯科医院に連れて来られた方なのだが、一体どうすれば良いのか?連れてこられた歯科医師はとても困ってしまうと思う。抗生物質を出して一時凌ぎをするか、冠やコアを除去して抜歯前提の消炎処置をするか、抜けば収まるだろうが、高齢になると抜くということにも全身的なリスクは伴う。とても一回で治るとは思えない。抜いた後どうするか?という問題もある。急速に咬合崩壊することが見えてしまう。ところが、3MIX+α-TCPを歯根内部に入れることができれば、一回で治る可能性がある、と言うかかなりの高確率で治る。3MIX+α-TCPは歯医者の夢の薬剤だ。・・腫れて痛くて食事もままならないということだった。腫れているのがわかると思う。ポストや根管充填材にバーが届けば良い。3MIX+α-TCP(50%クエン酸水練り)充填CRでカバーする。これだけで良い。漏洩は少ない方が良いがあってもしばらくは持ち堪える。なぜこれだけで良いのか?実は薬剤の浸透は象牙細管を通してだけではない。根管充填材やポストと歯質の間には隙間が必ずと言って良いほどある。それらを通して薬剤が病巣に浸透する。
2024/05/22
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80代女性、右上6、咬合性外傷半年ぶりに歯茎が腫れて痛いということで来院された。10年程補強連冠を入れて凌いでいたが、とうとう限界がきたようだ。左上67は以前から欠損していたので、この歯に負担がかかる。歯槽骨が失われて抜けそうになっている。歯髄は失活しているようだ。一般には根尖側から細菌感染により歯髄が失活すると信じられているが、実際は冠部歯髄の壊死が先に起こる。もう歯根を支える歯槽骨はなくなっているので、もうすでに抜けていると言うか、抜歯するしかないと思う。連結を解くだけで自然脱落する。いきなり抜くのもどうかと思うので、近未来の根管治療法で延命処置をすることにした。天蓋を除去して超音波スケーラーの#15エンドチップで根管を探しながら洗浄する。2本の根幹が見つかったが、根尖は閉じている。無理して根尖を確保する必要はない。エンドチップが届く範囲でよい。1次α-TCP(精製水練り)+3MIX綿球で水分を押さえる2次α-TCP(50%クエン酸水練り)+3MIXCR充填。バイトダウンした。
2024/05/20
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40代女性、右下6、Per+GA、自発痛+ここで全面公開している近未来の根管治療法は非常にシンプルかつ効果的で応用範囲が非常に広い。覆髄から根管充填まで歯科治療の全てに応用可能だ。歯科業界で昔からウワサされているこれさえあれば一生楽に食べていけるという「伝説の根管治療法」と言えるだろう。前回のつづきで前回から1年後の話だhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202405160000/前回とは別の場所が腫れたということだった。前回は頬側だったが今回は反対側の舌側だ。前回の1年前の腫れた部分は痕跡になっている。治療前のレントゲン写真。5年前より少しマシか。根尖病巣はやや小さくなっているようにも見える。5年前今回CRを削除すると前回1年前のα-TCPが見えるが汚れているように見える。何らかの漏洩があったと思われる。近心舌側根にエンドチップが入り排膿した。漏洩の原因はこの歯根だろう。エアブローで水分を飛ばす。1次充填(α-TCP精製水練り+3MIX)エンドチップを上下させて押し込む。出血・排膿も気にしない綿球で水分を(血液なども)押さえる2次充填(α-TCP50%クエン酸練り+3MIX)CRで埋め戻して終わる切開を入れて排膿させてみた2日後に見たが、自発痛ー、腫れも少し引いていた。
2024/05/19
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40代女性、右下6、Per+GA、自発痛+、1回目の治療から1年後に同じ歯で別の部位のGAができた症例だ。1回目の治療とCRによる歯冠再建と2回目の根管治療と3回に分けての記事を予定している。今日はその2回目、3MIX+α-TCPによる根管充填とCRによる歯冠再建だ。前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202405150000/超音波スケーラーのエンドチップで洗浄した後は水平エアブローで水分を飛ばした後、3MIX+α-TCPの精製水練りと続いて50%クエン酸水練りで根管充填する。根尖の確保とか根管拡大とかは必要ない。根尖が開いていようがいまいが超音波洗浄だけで良い。3MIX+α-TCPの精製水練りを加圧して緊密に根管に充填する必要もない。根管口に3MIX+α-TCPを載せた後はエンドチップを上下させながら根管内部に広げるだけだ。根尖をオーバーして出血しても、排膿していてもそのままで良い。余剰水分や出血・排膿は綿球で押さえて、3MIX+α-TCPの50%クエン酸水練りをその上にディスポシリンジに入れてその上に充填する。その上はCRのボンディングシステムでカバーして根管治療は終わる。この時の留意点は辺縁漏洩がないことだ。漏洩があると失敗する。心配なら抗生剤等を処方する。3MIX+α-TCPの1回目2回目歯質をCRのボンディングシステムで完全にカバーする。象牙細管をCRでカバーしないと細管を通して漏洩する可能性が高くなる。だからこのままCRで歯冠を再建するのが最も予後が良い。アンダーカットがないのが前提の口腔外で作るインレー・クラウン(標準治療なのだが工学的には構造的な欠陥がある)は必ずセメントの接着剥がれが起こり漏洩して失敗する。完全に支台歯をCRで覆うことができれば良いが。こんなのとか。口腔内で歯冠を作る技術を多くの歯科医師は持ち合わせていないと思うが、患者のためを思えば技術を習得するべきだ。僕も根管治療に使う時間よりはるかに長い時間をこの後の歯冠再建に使っている。次回は1年後の再治療だ。つづく
2024/05/16
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40代女性、右下6、Per+GA、自発痛+、1回目の治療から1年後に同じ歯で別の部位のGAができた症例だ。1回目の治療とCRによる歯冠再建と2回目の根管治療と3回に分けての記事を予定している。僕が提唱している「虫歯の電気化学説」もそうだが、歯科治療の理論と方法論を根底から変えてしまうメソッドがある。「1回で終わる根管治療(α-TCP+3MIXによる根管充填)」」もそうだ。これはあまりにも簡単かつ効果的すぎるので簡単に神経を取ってしまうという悪用も懸念されたので一般公開は差し控えていたのだが、救われる患者が増えると思うに至ったので、最近は一般公開している。α-TCP+3MIXによる根管充填は、感染根管でも、根管充填材や破折ファイルの除去が困難な症例でも可及的に綺麗にして超音波スケーラーのエンドチップが届く範囲を洗浄するだけで、乾燥する必要もなくエアブロー程度で、そのまま根管充填することができる。緊密に充填する必要もない。隙間があっても自然に埋まる。今日は他院で10年以上前の神経を取る治療が上手くいっておらず、急発している症例で、近心根にはリーマーによるステップがついていて通常のエンド治療は困難につき、抜歯になる可能性が高いと思われる症例だ。術前のレントゲン写真、4年前2019年冠除去前 GAができている。あえて排膿させていない。エンドチップでできる範囲を洗浄する。既存の根管充填材は全部除去できなかったが、緊密に充填されていないので、隙間から薬剤は浸透する。つづく
2024/05/15
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40代女性、右下7、自発痛++、外傷性咬合前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202405080000/まず、この症例のような非細菌性の歯髄炎をどう考えるかということを抑えておかねばならない。天蓋を除去してみても出血するだけで腐敗臭はしない。細菌感染するような漏洩も見当たらない。多くの歯髄が壊死するケースを見ていると根部歯髄はまだ生きているが冠部歯髄が溶けていることが多いことに気がつく。よく言われているように歯根尖から細菌感染が起こり始める上行性の歯髄炎というのは見当たらない。考えてみれば中枢側(根尖側)から感染で歯髄が壊死したら抹消側の冠部歯髄も同時に壊死するはずだ。上行性歯髄炎というのは歯科界だけで通用する都市伝説に過ぎない。非細菌性に壊死しているのは毛細血管の抹消にあたる冠部歯髄が多い。この部分に塞栓症が起こっていることを示唆している。脳梗塞や心筋梗塞と同じで血栓等によりその血管の支配領域が壊死する。外傷性咬合の場合も強すぎる咬合力により根尖付近の血管が圧迫されて冠部歯髄の血流が滞ったり、血管が損傷して血栓やデブリ等が冠部歯髄の毛細血管に詰まることにより歯髄梗塞が起こりうる。この症例でも冠部歯髄の一部が壊死していたが、壊死している部分は溶けているのでエアタービンの水で飛ばされる。飛ばされた後は炎症性に赤くなった歯髄が見える。これに触れると出血するが、ボスミン液で止血後、そのまま3MIX+α-TCPで直覆すれば痛みは治る。治療の詳細はここにアップしている。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/17000/このようにここではいわゆる根管治療(神経を取って根管を緊密に充填する)と直覆との区別はない。生きている歯髄は保存可能だからだ。不確実性の高い根管治療はする必要性は全くない。生きているところまで超音波スケーラーのエンドチップで洗浄し、出血すればそれ以上触る必要はない(リーマー・ファイルの使用も根管内の乾燥もしなくて良い)止血して3MIX+α-TCPで根管をゆるゆるで良いので充填するだけで勝手に根管(天蓋)は自然閉塞(閉鎖)する。出血しても慌てずにボスミン液で止血する。麻酔拔髄する必要はない。この時までもこれ以後も麻酔は使わない。なぜなら健全歯質を削る時は痛いので麻酔を使わざるを得ないのだ。虫歯は削っても痛くはない。MIのためには麻酔は使ってはならない。遠心の天蓋も開けてみたが歯髄は生きているようだったので、深く追及せずそのまま3MIX+α-TCPで直覆(根管充填)するこの後はCRで修復する。インレーやクラウンでの修復は辺縁封鎖性が悪く予後不良となるので考えない。意図的に冠部歯髄だけ取り根部歯髄だけを残すことも可能だが、歯質切削量が多く歯髄症状の出やすいジルコニアクラウンを入れたいばかりに、悪用しないようにw破折片は見当たらなかったので追求していない。ストリップスなしでCR修復したデンタルフロスが入ることを確認
2024/05/10
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40代女性、右下7、自発痛++、咬合性外傷2、3日前、夜も眠れないほど痛くて、うちが休診日だったので救急センターに行ったが、痛み止めと化膿止めをくれただけだったとか。ま、良かった、神経を取られなくて。。レントゲンを撮ってみたが、なんか破折片が見える。咬合性外傷か。。破折片と痛みが関係があるのかないのか分からないのだが、天蓋を開けてみた。あ、麻酔は使っていません!大出血!(大して痛くない)つづく
2024/05/08
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50代男性、右下7、外傷性破折、自発痛ー神経も出ているというか、歯髄も死んでいるのか生きているのかどうかも不明だ。それでも感染根管処置をする必要もない。切削バーが届く範囲を綺麗にして、根管内部を根管治療器具で触る必要もない。ほとんどの歯科医師には信じられないだろうが、このまま3MIX+α-TCPで直覆してCRで歯冠再建するだけだ。これだけでなんともない。実は根管治療というものは必要のないものだったということだ。
2024/04/06
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前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202403200000/時系列はこちらhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202403180001/いつものあの子、前回から5年後、16歳時2015/11/18ものすごいポリープができている電気メスで除去すると残根が見えるが、通常治療では抜歯となる歯根はバラバラ、、誰が見ても保存は無理だと思うピンレッジドコアにしているので冠を作ったのだが、その後来院なしwそれから6年後完全な残根になっている。保存治療をしようと思ったが、来院なしさらに3年後もうしらねww
2024/03/26
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いつもの20代女性、左上6、隣接面カリエス、自発痛+https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202403180001/咬合性外傷による虫歯だと思うが、原型を留めている最後の6番だ。このCR充填は続けて2回している。1回目の数日後に痛くなったとかで1週間後に2回目をした。その後は来ないので痛くは無くなったのだろう。通常診断では痛みが出ている歯の神経は不可逆性の歯髄炎と言って、歯髄を保存することはできないとされているので、ほとんどの歯科医師は何も考えずに麻酔をして神経を取る作業に入る。しかし本当はそうではなく、天蓋を落とすと壊死した歯髄は溶けているので水流で飛ばすだけで壊死していない歯髄が残る。その上に3MIX+α-TCPを直覆すればよい。今回は1回目の治療では露髄は認められなかったのでそのまま3MIX+α-TCPで覆罩(ふくとう)してCR充填したのだが、数日後には痛みが出て眠れないほどだったという。2回目に開けたらバーが歯髄に当たった時に痛みで一瞬のけぞっていたので(歯髄は生きていることを確認した、麻酔は使っていない)、出血を確認し(壊死部分が残っていないこと)止血後再充填した。露髄部分は2箇所ある。1回目の治療から2回目の治療露髄部分は2箇所ある神経を残す治療はできないことはないが誰もやらない最大の理由は診療報酬の問題だろう。小1時間かかって保険診療では3000円程しか支払われない。助手の時給と材料費を除くとボランティアになる。これは50年以上も保険診療報酬が据え置かれているからで、国際標準の1/10以下となっている。これでは誰もしないだろう。では自費でやれば良いだろうと思われるが、それで歯科医院が成り立つ程の多くの患者はいない。やはり神経を取ってセラミックスの冠を勧める方が儲かる。
2024/03/24
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20代女性、左下6の治療経過https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202403180001/2010/05に治療しているがこの時の5年後には歯冠崩壊して、今は残根になってしまっている。この子は何も考えていないので、治療しても虚しい。どうにもならなくなってから来院する。この症例は3MIX+α-TCPによるCR充填なので根管充填ではないのではないかと思われる向きもあると思うが、露髄していなくても露髄していてもやることは同じということだ。さらに生活歯髄切断法という歯髄を部分的に取るものでも、歯髄を根尖まで全部取るものでも、その途中まで残すのでもやることは同じだ。3MIX+α-TCPを使えば露髄とか拔髄か何も考えることはない。生きている歯髄があれば残せるからだ。3MIX+α-TCPは歯科医療の概念を根底から変えてしまう。コメント欄でもお答えしたのだが、3MIX+α-TCPを使う方法が普及すると既存の神経を取って被せるというビジネスモデルが崩壊してしまう。90%以上の歯科医師は路頭に迷うだろう。素人さん向けにもう少し解説すると、神経は3MIX+α-TCPによって残せるのだが、歯医者はそれには見向きもせず痛くなったら神経を取るしかない、虫歯は自然治癒しないので残してはダメだという抗生物質とα-TCPのなかった100年以上前の拔髄法にこだわり続け、神経を取った歯は脆くなるので丈夫な冠で被せるしかないと自他共に思い込むしかないのです。一番儲かるのが高価な歯冠修復物を患者に販売するところにあるからだ。2010/05/10〜26この頃は既成のストリップスを使っていたようだ
2024/03/20
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20代女性前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202403170000/20年前から見ているので、画像を時系列で集めてみた。いつも痛くなってからか、どうしようもなくなってからの来院だ。しかも1、2回しか来ない。1回で終わるしかない。乳歯を除けばいつも6番が壊れるようだ。まだ詳細な原因の分析はしていないが、咬合性外傷だろうと思う。少しずつアップしてみようと思う。こうして時系列で並べてみると無力さを感じざるを得ない。。2004/07/272006/07/072010/05/012015/11/182021/05/112024/03/24
2024/03/18
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20代女性、右下6、Per、他院で根管治療を受けていて1年以上放置この子は20年前から診ているが、痛くなったてからしかこない。症例はたくさんあるのでご紹介予定。これは最近の症例で、髄床底が抜けている。つまり治療途中で放置しすぎて虫歯で底が抜けていてポリープができているものだ。通常は治療困難もしくは治療不能につき抜歯症例となるが、今回は一回で治してみることにした。軟化象牙質(虫歯)は接着に必要なの縁部分しか除去していない。根管も超音波スケーラーのエンドチップで洗浄しただけだ。ポリープはそのままα-TCP+3MIXで直覆した。1次充填(α-TCP+精製水)で出血が収まらなかったがそのまま2次充填(α-TCP+50%クエン酸)してCR充填した。1週間後に見てみたが、特に痛みも出なかったそうだ。止血が困難だったがなんとかなる。信じられないだろうが事実だ。
2024/03/17
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60代女性、左上3、無菌性歯髄炎というか外傷性歯髄壊死前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202402260001/特に治療痕やクラック、歯周病などの細菌感染の要因が見当たらないケースでは咬合性外傷による歯髄炎が疑われる。この機序に関してはまだ一般化していない。ここで提唱しているだけだ。今回の画像の最後に咬合紙による犬歯誘導路を見ることができるが、かなり当たりが強いことが見て取れる。歯ぎしり食いしばり等の咬合性外傷により歯髄の血流が阻害されて歯髄炎ひいては歯髄壊死を起こすことは考えられる。外傷性の歯髄炎で痛みが出ているケースで歯髄を開けて見てみると大血管から見ると末梢の冠部歯髄は壊死しているにもかかわらず末梢ではないと考えられる根部歯髄はまだ生活していることを経験する。このことは根尖口付近の血管が咬合性外傷力により損傷し血栓などが冠部歯髄の末梢血管に詰まり塞栓症を起こしていることが想起させられる。咬合性外傷による塞栓症による歯髄炎はワーファリン等で改善することができると思われる。今日は根管内部を超音波スケーラーのエンドチップで洗浄後、水平エアブローで水分を取り除き、α-TCPの精製水練り+3MIXを根管内に充填し、余分な水分を綿球で吸い取り、2回目の通常練りのα-TCP+3MIXでその上をカバーする。その上にCRで充填して終わる。儲からないが冠は被せない。お金のことは考えない。漏洩のないCR/ボンディングシステムを使わないと必ず失敗する。根管に水平エアブローで水分を吸い上げる1次根管充填エンドチップで可及的に奥までα-TCP+3MIXを届かせる。緊密な充填は必要ない。隙間は自然に埋まる。この時超音波も水流も使わない、ただ押し込むだけだ綿球で余分な水分を押さえる2次根管充填すぐに固まるのでこの上にCRができるCRでカバーしたところ咬合確認。側方運動時に強い当たりが認められる
2024/02/27
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60代女性、左上3、無菌性歯髄炎というか外傷性歯髄壊死前回のつづきでhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202402250000/歯髄を裏から開けてみたが、特に細菌感染に特有の腐敗臭はしない。歯髄は完全に溶けてしまって跡形もない。臨床上は多くの歯科医師はこのようなことを経験しているはずなのだが、完全にスルーしている。そんなことよりお高いセラミックやジルコニアの冠を患者に薦めて如何に契約をゲットするかに心を奪われている。なぜこのようなことが起こるのかその話は次回にでもしよう。現在の歯科医学ではまだ解明されていないのだが。一般的な根管治療では根管内壁の有機物質をファイル(ヤスリ)で掻き取って細菌感染しないように有機物を除去し、清掃・乾燥後、根管内を根管充填材で隙間が無いように緊密に充填するということが求められるのだが、実は必ずしも必要ない。というか多くの場合このような理想的な根管治療は望めない。それは歯科医師の頭の中だけにあるイマジナリーな理想主義的なもので、やってみると上手くいく方が稀な術式だ。僕の経験上も50%上手くいくかどうかといった感じだ。しかし、少なくとも3MIX+α-TCPセメントを根管内に入れるだけで(緊密に充填する必要はない)、独りでに根管は閉塞する。根管内の清掃方法は根管内部を超音波スケーラーのエンドチップで重曹水洗浄するだけだ。根尖に届くとかオーバーするとか感染しているとか、そんなことはどうでも良い。さらに洗浄後は根管内を乾燥させる必要もない。しかも全体の所要時間は15分という歯科医師にとっても夢のような根管治療法なのだ。やらない手はない。今日はここまでとなる。つづく
2024/02/26
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60代女性、左上3、無菌性歯髄炎というか外傷性歯髄壊死このところ歯の色が変わって暗い色になったとか、根尖付近に違和感があり押すと痛いとかの症状が出たという。確かに隣の歯より茶色味が強いようだし、根尖相当部に圧痛もある。レントゲン写真を撮ってみると3番の根尖部に陰影がある。Per(根尖性歯髄炎)の所見だ。通常細菌感染や化学物質の侵入により起こるとされているのだが、一度も削ったこともおなく、明らかな象牙質に及ぶクラックや虫歯、歯周病もないのにいつの間にか歯髄が死んでしまっている。つづく
2024/02/25
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50代女性、右下6、自発痛++前回のつづきというか、あんなに痛かった痛みは嘘のように出ないということだったので、用意しておいたCKをセットして経過観察することにした。もし再治療が必要になったとしても、咬合面からタービンバーでアクセスするだけで良い。メタルコアなどと違って、ハイブリッドの咬合面と薄い銀合金のメタルフレームとその下はCRのポスト無しのコアしかないので、簡単に咬合面に穴を開けて根管口にアクセスできるし、唾液も入らない。
2024/01/17
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50代女性、右下6、自発痛++、Perの疑い。お正月に痛くなり休日診療に駆け込んだが、抗生物質を出されただけだったそうだ。今は痛くなくなったが、どうにかして欲しいということだった。レントゲン写真では近心根の根尖付近には陰影が見えるようだし、遠心根には根管充填材がオーバーしているようにも見える。分岐部病変もあるかもしれない。とりあえず、CKとメタルコアを除去して、歯根破折等がないかを見てみることにした。メタルコアを削り取って外すだけで30分以上かかるので、嫌だったのだが、仕方がない。メタルコアを外したところ、歯根面は2次カリエスで使えないとまでは言いませんが、元々歯肉縁下まで歯質が失われているかなり厳しい状況。ある程度軟化象牙質を除去したが、多少白く脱灰している象牙質でもないよりもマシなので残した。訊いてみると、前医にはだめになったらブリッジかインプラントになりますと次は抜歯と言われていたそうだ。通常の治療法では治療可能範囲を超えているので抜歯になると思う。根管充填材を除去してもあまり意味がない。ラバーダムもできないような状況で、余計な感染をさせてしまうだけではなく、時間がかかりすぎる。実はポイント状の根管充填材(水平加圧根充)には必ずと言って良いほどデッドスペースがあり、細菌レベルで見るとスカスカの隙間だらけだ。3MIX+α-TCPを根管充填材の上に置くだけでも薬剤がその隙間から浸透することにより薬効が期待できる。しかも多少の脱灰も軟化象牙質も再硬化して治る。α-TCPは歯質の原材料そのもの、ハイドロキシアパタイトだから当然なのではないだろうか。CRでピンレッジドコアを築成し印象した。合着系のコアは失敗する。辺縁封鎖性が悪いからだ。ファイバーコアもお勧めしない。弾性が大きいので脱離しやすい。
2024/01/16
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1回で終わるというか根管充填というよりは自然に根管が充填されるという根管治療が普及すれば、歯科業界にとっては革命的なものとなる。自然に根管が充填されるというのは、その機序は不明ながらも観察すると、カルシフィケーションというのか、2次象牙質ができるように根管が閉塞する。この症例は永久保存版としてフリーページにページに掲載しておくことにします。・・50代女性、左下5、Per、咬合性外傷(食いしばりがひどい)左下6も咬合性外傷により歯根破折で再植となったが、とうとう遠心根は抜けてしまった。近心根も風前の灯だ。一年程前、5番の遠心が虫歯になっていて痛くなったのでCRで修復したが、咬合性外傷による接着剥がれもしくは外傷性の歯髄炎で歯髄は死んでしまった。痛みは無いようなのだが、放置すると抜けてしまうので、根管治療をすることにした。ここでの治療は岩久正明先生の3MIX+α-TCPによる治療を基礎にしているようだ。ようだというのはたまたま同じだったということだ。基礎にしているということはα-TCPに3MIXを添加するというのは特にアレルギーがない限りデフォだ。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/9002/3MIXの中身も岩久先生のものとは同じではなく、たまたまあった手持ちの抗菌剤を使っている。α-TCPセメント(ニューアパタイトライナー2)は製造中止になったのだが、その主成分のα-TCPは製造元から入手できる。ググれば簡単に見つかるはずだ。「太平化学産業」というところでサンプル(とはいえ1kgだが)が入手できる。α-TCPはクエン酸等の有機酸で硬化することは確認している。50%クエン酸水の作り方はこちら。根管に緊密充填する必要があるかというご質問があったが、必ずしも必要ではない。岩久先生の本にもあるようだが、近くにα-TCPがあるだけで根管が勝手に埋まるそうだ。(そうだというのも僕は本を持っているだけで読んでいないからだ)僕は精製水練りの3MIX+α-TCPをディスポシリンジで超音波洗浄済みの根管に押し込み、超音波スケーラーのエンドチップを根管内で上下させながら可及的に広がるように根管内に充填している。決して緊密ではない。これで根尖だけではなく根管内が2次象牙質ができるように埋まってしまう。水分は綿球で軽く吸い取り、50%クエン酸練りのα-TCPでカバーする。こうしないとCR充填できない。なぜなら精製水練りのα-TCPの硬化は遅いからだ。一年前の虫歯の治療前今回、根尖付近に陰影が見える。歯肉の腫脹根管内は#15〜20のエンドチップをオーバーして出血させないように洗浄する。薬液は0.6%重曹水だ。超音波洗浄後は水分を根管とは垂直方向にエアブロウして吸い出すだけで、綿栓等で乾燥させる必要はない。細菌感染させるだけだし、根管充填は3MIX+α-TCPの精製水練りで水分は使うからだ。以下の画像は1回目の根管充填。3MIX+α-TCPの精製水練りだ。根管内部は綿球で水分を吸い取り余分なα-TCPを拭い取る。2回目は3MIX+α-TCP(50%クエン酸水練り)で硬化待ち硬化後CRで充填して終わる。CRのボンディングシステム以外は使用不可だ。インレークラウンのセメント合着系は漏洩がひどいので、必ず、失敗する。もしこれで腫れが引かないとか再発するようなら同じ方法で再治療すればよい。実際にはあまりないが。
2024/01/13
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70代女性、左上4、外傷性Per最近は頑張れば頑張るほど上手くいかない従来型の根管治療に代わって簡単でかつ予後良好な方法が試されているように見える。MTAセメントによる根管充填もその一つだと思う。ここではα-TCPによる根管充填法をこの10年以上試しているが、予後は良好なので、公開しておきたいと思う。連続で2症例いきます。左上4はレントゲンでも根尖付近に陰影が認められ、口腔内写真でも腫れているのが分かると思う。典型的な根尖性歯周炎(Per)の症状だ。具体的には虫歯や咬合性外傷から歯髄が壊死しそこに細菌感染していると思って良い。咬合面からアクセスする根管を明示したら超音波スケーラーの#15のエンドチップで根管内を洗浄横からエアーブロウするだけで水分は残してもよい。なぜなら1回目のα-TCPは精製水練りだからだ。エンドチップでα-TCPを押し込み、余分な水分は綿球で押さえるだけ。2回目のα-TCPは硬化させるため50%クエン酸で練ったもので覆うCRで漏洩のないように充填して終わる。
2024/01/10
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16歳男子、右上1、外傷性歯髄壊死薄暗がりで柵のチェーンに気が付かず、転倒。顔面から着地し、右上1打撲。修学旅行中だったので、処置が遅れて、歯髄が壊死してしまった。こういうケースの場合、動揺度2〜3となるので、根尖口から歯髄に入る動脈が損傷し、血流が滞り歯髄が壊死に陥ったり、血栓が歯髄の毛細血管に詰まって塞栓症を起こすこともある。壊死は抹消である冠部歯髄から始まり根尖側に波及していく。冠部歯髄は壊死していても根部歯髄はまだ生活していることもあるからだ。このことは歯周病で動揺が出ている場合も同じで、後者の塞栓症が多いように思う。歯周ポケットから細菌感染する上行性歯髄炎は少ないようだ。4日後に歯列固定したが手遅れだった。数日後に変色が始まったので、歯髄を開けて見ることにした。リーマー・ファイルを使わない根管処置を公開しておきます。簡単確実にその場で処置が済み、感染もさせることもなく予後も良好だ。象牙細管内部に血液などが浸潤し変色が始まっている根管口が見えるが、歯髄は溶けてしまっているピンク部分は除去しないと後で黒くなる若いので髄角も含めて歯髄は大きい超音波スケーラーのエンドチップで根管内を洗浄する。ファイルで根管拡大する必要もない。エアブロウだけで根管内を綿栓等で乾燥させる必要もない。要するに根管内を感染させることもなく、手早く処置が済む。3MIX+α-TCPの精製水練りで1次根管充填余分な水分は綿球で吸い取るα-TCPの精製水練りだと硬化が遅くCR充填できないので、2次根充はα-TCPの通常練り。50%クエン酸水で硬化する。漏洩がないように注意してCR充填で経過観察
2023/12/28
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60代女性、左下6、Per、歯根破折、フィステルかなり大きなフィステルができていて、痛くはないが気持ち悪い。遠心根にはクラックがあり、フィステルはこのためかもしれない。離断していなければクラックもα-TCPで埋まる可能性はある。クラックがある超音波スケーラーのエンドモードで根管内を洗浄する。残った水分はエアブローするだけで、綿栓などで水分を取る必要もない。精製水練りのα-TCP(硬化が遅い)+3MIXで根管充填50%クエン酸練りのα-TCP(硬化が速い)+3MIXで覆うCRで充填して終了。後は経過観察。症状が再度出た時は処置を繰り返せば良い。
2023/09/28
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70代男性、右上1、Per、自発痛++、排膿++上行性の歯髄炎と良く呼ばれるのだが、実際にはそうでは無いことの方が多い。というのは、歯髄の中枢側である根尖付近の歯髄は生きていて、歯髄の抹消側の冠部歯髄は死んでいることの方が多いからだ。これは外傷性(グラグラすることにより)に血管が損傷して血栓等が冠部歯髄に詰まることによって起こると考えられる。いずれにしても、壊死している歯髄は超音波スケーラーのエンドチップで除去洗浄して3MIX+α-TCPセメントで根管充填するだけだ。後は根管は勝手に埋まっていく。カルシフィケーションと呼ばれる現象が起こる。α-TCP(ハイドロキシアパタイト)による根管充填は1回目は精製水練りで行い、2回目は50%クエン酸練りの2回法で行う。1回目2回目CRで塞ぐ、だけ。
2023/09/16
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7歳男子、右上D、Per、自発痛-歯茎が腫れているので、気持ち悪いとの主訴だった。神経を取った歯には起こりがちの症状で、永久歯だけではなく乳歯でも起こる。どこからか根管内に細菌が侵入したことがその原因だ。この場合はCRが歯質に接着しておらず、そこから細菌が侵入したものと思われる。CRを除去してみると内部は硫化鉄(黒色物質)で覆われているので、硫酸塩還元細菌が侵入していたことがうかがわれる。根管充填材の同定はできなかったが、緊密な根管充填ではなかったのだろう。細菌は侵入し放題だったと思われる。処置方法は新鮮歯質を出し、根管充填材も超音波スケーラーのエンドチップで綺麗に除去し、3MIX+α-TCPで充填し、CRで漏洩が無いように充填するだけだ。α-TCPは酸性環境で硬化する。酸ならなんでも良いと思われるがMMSで使用した50%クエン酸で固まるのを確認したことがある。では時系列でどうぞ
2023/09/12
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30代女性、左上1、Per、非細菌性歯髄壊疽なんだか、鼻の下を押さえると違和感があるというのでこれは歯髄が失活(死んでいる)なと思って、根管を開けてみた。確かに麻酔もしていないのに痛みもなく、出血もしなかった。細菌感染しているとも思えず、細菌性特有の腐敗臭もない。非細菌性の歯髄炎には外傷性の歯髄梗塞や出血によるものもあると思う。心筋梗塞や脳梗塞や脳出血と同じメカニズムによるものだ。その他には30年程前に問題になったことを思い出すが、CR壊疽という事象があった。CR充填の後に歯髄壊疽を起こすというもので、当時からマイクロリーケッジ(微小漏洩)説、残留モノマー説とあって、結論は出ていなかったが、いつの間にかそういう現象は起こらなくなったので、議論も立ち消えになってしまった。CRのモノマーはBis-GMAというもので、重合してしまえば問題はないが、未重合のものは細胞毒性があるので、これによる歯髄炎だった可能性が高いように思う。いつの間にか残留モノマー対策がなされていたのだろう。今回の歯髄壊死がどの原因かどうかは分からないが、処置は同じだ。根管内を拡大する必要もなく、超音波スケーラーのエンドチップで洗浄して3MIX+α-TCPの精製水練りと通常練りの2回法で根管充填するだけだ。しかも緊密充填など必要がない。勝手に埋まる。というかカチカチになる。α-TCPは歯質の構成成分のハイドロキシアパタイトそのもので、これと水分があれば、歯根内でハイドロキシアパタイトの再結晶化が起こるのだと思う。この根管治療法は僕のオリジナルで術式は非常に簡単なので、これが普及すれば、歯科治療に革命が起こるはずだ。今までの面倒なだけで予後不良な古臭い根管治療法は一掃されてしまうと思う。処置前歯髄にバーが到達歯髄部分は除去する。#20の超音波スケーラーのエンドチップで根管内を洗浄しつつ根尖口まで届かせる。根管長は21mmと標準値に近い。1回目は3MIX+α-TCPの精製水練りをディスポシリンジに入れて根管充填。さらにエンドチップで根管内に押し込みつつ根尖まで行き渡らせる。余分な水分を綿球に吸い取った後は3MIX+α-TCPの通常練りで覆う。CRで充填して処置を終わる。信じられないかもしれないが、これだけだ。慣れれば15分で終わる。
2023/08/03
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40代女性、右下4、多分咬合性外傷によるカリエスと思われるが、この時すでに自発痛が出ていた。露髄していたが、α-TCP+3MIX で痛みは瞬時に止まった。神経を残すことは難しくはない。どんなに少なくてもだ。現在では神経を取るということは必要ない。はずなのだが、現実はそうではないようだ。これは一種の思い込みか、大人の事情か、ま、そんなところだろう。
2023/06/08
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60代女性、左下4、インレー2次カリエス、時々しみる。この様に広範囲に及ぶ虫歯はもう一度インレーを作成したり、神経を残したまま冠を被せるのは難しい。なぜなら、型取りをして口腔外で修復物を作成しセメント合着する修復法では切削量は大きいし、接着剥がれが起こるなど、結局痛くなってしまって、歯科医師としては評判を落としてしまうことを恐れる。だから神経を取ることに躊躇しないという一面がある。CRでの充填修復ではその様なことはないので、ちゃんとした術式を踏めば神経を残すことは難しくはない。では時系列でどうぞ
2023/05/26
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40代女性、左上6、隣接面カリエス、時々痛い。象牙質内部は溶けてしまっている。象牙質は柔らかいので咬合力ですり減るというか溶けやすいというのはエナメル質形成不全症のところでみたと思うが、機械的な刺激のない歯の内部でも溶ける。これはエナメル質と象牙質間のイオン化傾向の違いや内部と外部の酸素濃度差による電気化学的な腐食によるもので、これを虫歯と呼ぶ。しかし、エナメル質形成不全での機械的な外力によるものがメインになっているものとは似て非なるものだ。この辺りを誤解している向きがあることを指摘しておきたい。痛みが出ていても、露髄していても、3MIX+α-TCPで覆罩し、漏洩のないCRで修復すれば何の問題もなく治る。では時系列でどうぞ
2023/05/14
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92歳男性、左上3、義歯性の虫歯、自発痛-義歯を入れっぱなしにしていると酸素濃度差虫歯になる。この程度の高齢になると痛みには鈍感になることが多い。もっと若ければ、痛みが出ている。虫歯を除去する過程で露髄したが、一瞬痛みを感じた様だ。もちろん麻酔は使っていない。止血を確認したら3MIX+α-TCPで直覆してCR充填した。口は開かないし、よく見えないし、お互いに疲れているし、あと数年持てばいいし、まあ、テキトウです。
2023/05/09
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40代女性、右下4、隣接面カリエス、時々痛い露髄しただけの症例を根菅治療のカテゴリーに入れたのは、部分的な露髄だろうが、生活歯髄の切断だろうが、ほとんど根尖まで歯髄が失活していようが同じ事だからだ。出血していて歯髄が生きていれば、それはα-TCP+3MIXで直覆すれば歯髄の保存はできると考えて良い。では時系列でどうぞ以下の処置は麻酔は使っていない。使うと痛みがないので、歯髄が生きているかどうか判らないからだ。露髄した。出血したので、一瞬痛みがあるが、歯髄は生きていることがわかる。ボスミンで止血してα-TCP+3MIXで直覆CRで充填修復して処置を終わる。
2023/05/08
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40代女性、右上7、咬合性外傷、Per、慢性副鼻腔炎(上顎洞炎)他の歯科医院や耳鼻科でCTを撮ってもらって、根尖が副鼻腔と交通している歯性副鼻腔炎と診断されたそうだが、根管を触った感じでは僕にはそうは思えなかった。根尖付近の歯髄はまだ生活しているように思えたからだ。前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202304300001/今日は冠部歯髄を開けてみる。痛みはあまり感じないようだったので天蓋を突き破ってみた。出血したので、少なくとも歯髄の一部は生活(生きている)していることが分かる。出血したのが口蓋根に見えたので、最初は生きているのは口蓋根かと思った。しかしよく見ると口蓋根の歯髄は失活していて一夜干し(?)化していたが、腐敗臭はしなかった。もちろん天蓋を開けた時も腐敗臭はしなかったと思う。これはどういうことかというと、歯髄は無菌的に失活していて、細菌感染はしていないということを示している。このことは歯根尖は副鼻腔と交通していなかったということだ。もし交通しているとすれば必ず副鼻腔から細菌感染する。もちろん逆のことも言える。細菌感染した歯髄から副鼻腔に感染を広げたわけでもない。このことから歯性上顎洞炎(ちなみに歯科では上顎洞炎ということが多いように思う)ではないと思われる。歯髄の失活と副鼻腔炎は別の話だということだ。ではなぜ細菌感染なしに歯髄は失活するのか?現在の歯科医学では知られていないが、経験上歯髄梗塞または歯髄塞栓症というのがあるように思う。食いしばりや歯ぎしりで、根尖付近の血管が押し潰され歯髄への血流が滞ったり、外傷性にできた血栓や血管壁のデブリが歯髄内の毛細血管を詰まらせてしまうことによる歯髄血管障害だ。脳梗塞や心筋梗塞と同じだ。出血が治ったので根管を超音波スケーラーのエンドチップで洗浄した。リーマー、ファイルは削片が生じるので使わない。知覚があった時の作業長13mmで、標準より3mm短い。3mmだけ歯髄は残っているということだろう。あとは3MIX+α-TCPセメントの精製水練りと通常練りの2回法で根管充填する。1回目2回目CRで充填して歯冠を再建して一旦終わり経過観察に入る。左側があまり噛まないので、右側を使うことが多いと思われる。必然的に右側が過重負担となりやすい。右側の臼歯部に外傷性咬合による障害が起こりやすいことが考えられる。左側右側
2023/05/01
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40代女性、右上7、咬合性外傷、Per、(歯性?)慢性副鼻腔炎他の歯科医院や耳鼻科でCTを撮ってもらって、根尖が副鼻腔と交通している歯性副鼻腔炎と診断されたそうだが、根管を触った感じでは僕にはそうは思えなかった。根尖付近の歯髄はまだ生活しているように思えたからだ。・・歯ぎしり、食いしばりがあり、既製のナイトガードの後ろ半分をカットして使っていたそうだ。小臼歯部が噛まなくなってしまっている。噛み締め過ぎて歯を押し込んでしまったのだろう。当たる大臼歯が過重負担になってしまう。一時期激痛があったが、今はそれほどでもない。冠部歯髄が死ぬ前の断末魔だったのだろう。歯医者ジプシーのようで、あちこちの手が入っている。僕としてはどういうことになっているか分からないので、出たとこ勝負になってしまう。経験値が生かせない。今更仕方がないが。なんとも下手な(失礼!)CR充填だ。打診で違和感のある7番から慎重に既存のCRを剥がしていく。中身がどうなっているか分からないからだ。麻酔はしていないが、痛みはほとんど感じないようだ。歯髄が死んでいるのかどうかも分からない。隣の6番のCRにも隙間があって形が良くないので、これも同時に再治療することにした。これも慎重に既存のCRやセメントを剥がしていく。実像(直視下)セメントはグラスアイオノマーセメントに見える。CR充填を始めた唾液が入らないようにコンタクトと辺縁隆線まで作った。つづく
2023/04/30
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20代女性、左上6、2次カリエスインレーの2次カリエスかと思ってメタルインレーを除去したが、神経を取る治療がされていた。はっきりとは分からなかったが、水酸化カルシウム製剤による根管充填に見えた。僕がやっているα-TCP(ハイドロキシアパタイト)に近い。根尖口はしっかり閉じていた。通常のガッターパーチャーによる根管充填より確実性が高いと思う。もちろん歯質そのもの(ハイドロキシアパタイト)による根管充填の方が信じられないほど根管が埋まってしまうが。時系列でいきます。α-TCPの精製水練りα-TCPの通常液練りあとはCRでの再建、ストリップスは使っていない。
2023/04/12
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40代女性、右上6、Per、自発痛+他院では再根管治療は難しいので、抜歯してインプラントと言われてうちに来られたが、前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202303170001/3MIX+α-TCPセメントを使えば、上手くいくはずもない、やっていると絶望的な気分になる従来の根管治療など不要になる。具体的には前回の記事を御覧ください。今日は根管充填後の歯冠再建の画像だ。CRで一気に再建してみる。慣れればストリップスなど使う必要はない。むしろ使わない方はコンタクトも緩くならず、簡単とさえ言える。では時系列でどうぞ
2023/03/18
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40代女性、右上6、Per、自発痛+他院で抜歯してインプラントと言われてうちに来られたが、根管治療は労多くして実入りが少ないので、歯医者の本音としてはやりたくない。特に保険治療では世界平均の1/10の診療報酬しかない。2回目の治療となると前医が何をやらかしたなど、開けてみるまで分からないし、上手く治療できるかという保証もない。抜歯してインプラントが最も実入りが良いというのが業界のトレンドだ。それはそれでトラブルを抱えてしまうこともあるのだが、そんなことは知ったことではない。ここでも「今だけ、金だけ、自分だけ」だ。レントゲン写真を見ると、近心頬側根の根尖相当と思われる部位に大きな陰影が見える。確かに通常の治療法で治療を始めても上手くいく保証はない。低い診療報酬で何度もなんども治療を繰り返してもラチは開かないかもしれないことが目に見えている。歯医者から見ると身体を痛めてしまうだけで、絶望的だ。そういう意味でも抜歯というのは分からない選択肢ではない。CKを外して内部のCRコアを部分的に残して根管口を明示する問題の根管の充填材を除去すると内部は硫化鉄:FeSで真っ黒だ。これは硫酸塩還元細菌が侵入していたことを示している。理想とされる緊密な根管充填など夢物語に過ぎないことがわかるだろう。根尖まで器具を届かせる必要はない。既存の根管充填材を外して、超音波スケーラーのエンドチップの届く範囲を洗浄するだけだ。1回目の根管充填は3MIX+α-TCPセメントの精製水練りだ。2回目は3MIX+α-TCPセメントの通常練りでカバーする。精製水練りは固まりにくいので、再治療が容易になるが、固まるまで時間がかかるので、その後の充填治療ができないからだ。こんな簡単なことで通常治療法では治療困難な症例でも治る。再発しても再治療も容易となればやらない手はない。つづく
2023/03/17
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40代女性、右上6、Per、自発痛+他院で抜歯してインプラントと言われてうちに来られた。とりあえずは before/after から。beforeafter つづく
2023/03/17
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60代女性、左下1、咬合性外傷レントゲン写真を見るとわかると思うが、歯が残り少なくなっていて、グラグラで痛いだけではなく抜けそうだ。仕方がないので歯冠をカットするのだが、今日はクビチョンパのスプラッタ系だ。このように歯冠を切り詰めて短くすると、外傷力を避けることができる。カットする時には一瞬歯髄を横切る時に痛みを感じるので、麻酔はしている。神経は当然出るのだが、3MIX+α-TCPセメントで直接覆髄すれば特に問題ない。神経を取る治療は逆効果で抜けてしまうことを助長してしまう。カットしても2次象牙質で歯髄は細くなっていて出血もあまりしない。根管を少し彫り込んで3MIX+α-TCPセメントで覆とうCRでドーム状に盛り上げる。これで外傷力を避けることができる。
2023/03/15
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40代女性、右下6、Per、フィステル、咬合痛+やろうと思えば一回で終われるのだけれど、歯冠再建を別にしたのと、1週間でどの程度治るか見てみようということで二回に分けてみた。クラウンを外すとメタルコアも緩んでいる。根尖を確保する必要はない。根管充填材を除去したら超音波スケーラーのエンドチップで洗浄する。3MIX+α-TCPセメントの2回法で根管充填する。1回目はα-TCPの精製水練り。2回目はα-TCPセメントの通常練り。緊密根充も必要ない。象牙細管を通して薬剤は歯根内部に染み渡る。これだけだ。CRで再建していく1週間後、フィステルは小さくなっているのが分かると思う。フィステルは乳頭状に膨らんでいるのだが、炎症の後なので色素は沈着しているので膨らんでいるように見えるのだが、もう平坦になっている。口腔内での歯冠再建にはスーパーテクニックが必要になるが、これは如何ともしがたい。
2023/03/05
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40代女性、右下6、Per、フィステル、咬合痛+やろうと思えば一回で終われるのだけれど、歯冠再建を別にしたのと、1週間でどの程度治るか見てみようということで二回に分けてみた。とりあえずbefore/afterフィステルが少し小さくなっているのが分かるのだが、afterは下半分が隠れている。後ほど別の画像がまた出てくるはずだ。beforeafterレントゲン写真でも、根管治療は上手くいっていない。近遠心の歯根尖にまたがって大きな膿瘍ができている。特に近心根は器具でステップが付いて根管充填材は根尖まで届いていない。通常方法での再治療は無理だろう。他院では抜歯を勧められるはずだ。つづく
2023/03/04
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70代女性、左下6、クラック、遠心根Per、自発痛+++一昨日から痛み出して、ご飯も食べられない、眠ることもできないということで、電話してこられた。歯肉を除去しようと電気メスを当てると大量に排膿した。もう痛みに堪えられないので、抜いてほしい、、ということだったが壊死している遠心根を洗浄して2回法で3MI◯+α-TCPで根管充填したCRでカバーして抗生剤投薬、この後はもし保存可能ならばということではあるが、他の磨り減った歯をバイトアップして咬合を整え、この歯には補強冠を入れる予定。
2022/11/10
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30代女性、咬合性外傷、右上6、CRの2次カリエス、Per上顎6番は通常3根管なのだが、たまに4根管のこともある。よく見ないと見逃してPer(根尖性歯周炎)になることがある。いや、根管治療をしてもなるのだがwこれがレントゲン写真でのbefore/after だ。治療後1ヶ月後がafterだが、4本目の根尖の炎症は縮小傾向に見える。ただ口蓋根の炎症(陰影)がはっきり見える。根管治療などしてもこのざまだ。神経を取って被せようなんていう考えは捨て去るべき時代になっている。必ずトラブルが発生するからだ。このような考えは人生50年、60歳まで生きれば上等という時代の治療方法だからだ。60歳までは持つかもしれないが、それ以降はダメだろう抜歯になる可能性が高い。それ以降は入れ歯だ。今の時代、60歳で死ぬと、早すぎるね?悪い病気だったの?それとも自殺?なんて勘ぐられるwbeforeafter1ヶ月後これが治療前CRを根管治療ができる程度まで除去した。4本目の根管はどこだろう?みっけwここからが近未来の根管治療。リーマーファイルは極力使わない。使うのは超音波スケーラーの#15〜20のエンドチップだけ。0.6%重曹水か2酸化塩素入りの重曹水でもいい。届く範囲を超音波洗浄するだけだ。乾燥もしない。エアブローするだけだ。汚い手袋で巻いた綿栓で拭きあげるとか、正気の沙汰ではないだろう。細菌を根管内壁になすり付けるだけだw3MI◯+α-TCPセメントの精製水練りを根管充填する。余分なセメントを棉球で拭い、2回目は通常練りのα-TCPセメントを被せる。根管充填済みの3根管は触っていない。どうせ緊密に充填されていないのだから、根管充填材と歯質の隙間から3MI◯が浸透して根尖病巣が治ることすら期待できるのだ。歯質は根管治療をすると外側しか残らない。だから多くの歯科医師はコアを入れ、グルッと周囲を削り倒して冠を入れたがる。もちろんそれが商売だからだ。こんな歯ですから欠けますよ。しっかり被せて長持ちさせましょう、、と。しかしどうだろうか?10年、20年後は抜歯になるのではないだろうか?再治療が可能なのだろうか?ま、その話はまとめてあるので、この次にでもw歯というものは極力削ってはいけない。次が無くなるからだ。欠けてもいいではないですか?次の手があるのだから。
2022/10/18
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50代男性、左上4、歯牙破折、Per、フィステルありこの方、昔からブラキシズム(噛み締め)がひどく、後ろの5番も歯根破折で10年前に抜歯・再植している。今度は手前の4番だ。幸い、上の方で破折していたので抜歯・再植にはならなかったが、露髄後、歯髄は死んでいて、外側にフィステルができていた。補強連冠を入れていたのだが、こんなものは御構い無しに破折した。というかすでに10年前にはクラックが入っていて、それがとうとう離断したということだろう。根管治療というよりは根管内部を超音波スケーラーのエンドチップで洗浄しただけだ。リーマー、ファイルは使っていない。混尖確保とかする必要はない。α-TCP+3MI◯で自然に根尖は閉じる。これをカルシフィケーションといったと思う。では時系列でどうぞこれが根管が見えているところ。露髄という。冠部歯髄腔を開拡すると根管口が2つ見える。有機物を完全に除去する必要もない。余計な感染をさせなければ良いだけだ。α-TCPは生食練りと普通練りの2回法で根管を充填する。後は歯冠を再建して、補強連冠を再製作する。
2022/09/30
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これまでの根管治療法のシリーズと言っても、根管治療というのは歯髄を取るという処置なのだが、そんなことはそもそも必要がない、生きている歯髄は完全に保存出来ることが分かったと思う。もちろん生きていなくてもだ。今回も同じ対応で臨む。40代男性、右下7、自発痛+、咬合性外傷突然痛くなって、割れたかも!来てもいいですか!?、、再植覚悟でいらっしゃった。以前から、咬合性外傷で歯根破折したり、クラックがあり破折しないように補強冠を装着したりしていた。この歯は他院でのCRが施されており、そのCRを除去するところから始めた。内部にはクラックが見えるが、あまり痛みを感じない。もちろん麻酔は使っていない。知覚は歯髄が生きているか否かの重要な情報だからだ。生きているのどうか確認するために露髄させてみた。出血しているので生きてはいる。しかし、知覚が弱いので、失活寸前なのかもしれない。クラックに矢印を書き込んだ。とりあえず、α-TCPセメント+3◯IXで覆ってCRで再建修復した。根管処置と言ってもこれだけなのだが、細かいノウハウはある。理論的科学的に臨機応変に対処するということなのだが。少なくとも歯科医学は科学ではないとだけは言っておこう。遠心のクラックは開拡してCRで塞いだこれだけでは咬合性外傷力に耐えられないので、補強冠を装着した。もったいないというか、見てくれは悪いが仕方がない。引っ張り応力に耐える素材は金属に勝るものはない。今後どうなるかは経過観察することにする。痛みが出ても、神経が出ても、いきなり神経を取る必要性など全くないことが分かると思う。最終的には破折というか離断してしまうかもしれない。その時は抜歯・再植となる。それでも抜いてインプラントにするよりはまだマシだ。インプラントには歯根膜がなくクッション性がないので、対合歯に2倍のダメージを与えてしまう。特に咬合性外傷がある人には致命的だ。対合歯が割れるか抜けるか、散々歯科医師に貢いだ挙句、入れ歯になる。 歯医者は入れ歯でさらに儲ける w
2022/04/15
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