弁護士篠原一廣さん

ありがとうございました。
感覚的にはちゃんと審理していないから「上告」ではないような気がしてはいましたが、言葉としては、新聞記事に合わせて「異議申し立て」としたのでした。勉強になりました。ありがとうございます。
ということで、記事を書き改めました(刑訴の条文追加)。
(2006年03月28日 15時48分22秒)

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2006年03月28日
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オウム裁判で、被告人麻原に死刑確定かというニュースがありました。

オウム松本被告の控訴棄却、訴訟能力を認定 」(2006年3月27日22時36分 読売新聞)

オウム松本被告の控訴棄却 死刑確定の可能性 」(2006年03月27日21時00分 朝日新聞)

オウム:松本被告の控訴棄却 死刑確定強まる 東京高裁 」(毎日新聞 2006年3月27日 21時09分)


『早く死刑確定を』『真実聞けず残念』遺族ら思い複雑 」(2006年3月28日3時15分 読売新聞)

オウム:松本被告の鑑定書要旨 」(毎日新聞 2006年3月27日 21時13分)

オウム:『きちんと審理してほしかった』遺族や被害者ら 」(毎日新聞 2006年3月27日 21時21分)


それにしても、1審だけで長かったですね。
死刑にするくらいの事件ですから、控訴、上告で争って最高裁まで慎重に審理するべきとは思います。
また、まだ全然真実発見がなされていないため、少しでも事件の真相解明がされるようにという意味でも、これだけで終わらせない方がよいと思います。
終わらせない努力をすべきだったのではないかと思います。

信者に脱会を説き、猛毒VXガスで襲撃された『オウム真理教家族の会』の永岡弘行会長(67)は『死刑は麻原1人でいいと考えているが、何もしゃべらないまま死刑が確定すれば、神格化され、今教団にいる若い信者のマインドコントロールが解けないままに終わる』と警鐘を鳴らす。
さらに『教団幹部は信者に『何も語らず、さすがは尊師だ。君たちも見習え』と教えている。高裁は麻原の人間性を暴くため、ありとあらゆる努力をすべきだった。麻原はしてやったりとほくそ笑んでいるはず』と憤った。
」(上記毎日新聞)


高裁の判断は手続き上は法的に問題ないでしょうから、これに対して異議申し立てをしても、これが確定する可能性は高いでしょう。


刑事訴訟法
第376条
 控訴申立人は、裁判所の規則で定める期間内に控訴趣意書を控訴裁判所に差し出さなければならない。

第386条
 左の場合には、控訴裁判所は、決定で控訴を棄却しなければならない。
1.第376条第1項に定める期間内に控訴趣意書を差し出さないとき。
2.控訴趣意書がこの法律若しくは裁判所の規則で定める方式に違反しているとき、又は控訴趣意書にこの法律若しくは裁判所の規則の定めるところに従い必要な疎明資料若しくは保証書を添附しないとき。
3.控訴趣意書に記載された控訴の申立の理由が、明らかに第377条乃至第382条及び第383条に規定する事由に該当しないとき。

第428条
 高等裁判所の決定に対しては、抗告をすることはできない。
2 即時抗告をすることができる旨の規定がある決定並びに第419条及び第420条の規定により抗告をすることができる決定で高等裁判所がしたものに対しては、その高等裁判所に異議の申立をすることができる。


刑事訴訟規則
(期間経過後の控訴趣意書)
第238条
 控訴裁判所は、控訴趣意書を差し出すべき期間経過後に控訴趣意書を受け取つた場合においても、その遅延がやむを得ない事情に基くものと認めるときは、これを期間内に差し出されたものとして審判をすることができる。



代理人である弁護士は、控訴趣意書の引き延ばしを図ったようですが、2回も裁判所に期限延長してもらっているにもかかわらず、それでも提出しなかった責任は重い。

被告人に対してだけではなく(それよりも)、社会的責任の意味でも責任は重いです。

これで事件が終わってしまうと、あとに残った教団も、被告人麻原の影響が残ったままとなってしまい、管理・監視もしきれないのではないでしょうか。
また暴走し事件につながらないように、高裁にはがんばってもらいたいは思うのですが・・・、もう無理かな。

そういえば、なんでここで終わらせることに違和感を感じたのか思い出しました。

刑事訴訟法
第360条の2
 死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に処する判決に対する上訴は、前2条の規定にかかわらず、これを放棄することができない。



死刑などの重大犯罪については、慎重に判断しようという刑事訴訟法の趣旨からも、社会的影響も考え少しでも真実発見をしてほしいということからも、簡単に終わらせないで審理を続けてほしいと思います。





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最終更新日  2006年04月04日 14時41分46秒
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控訴棄却の決定  
細かい話ですが、刑事訴訟法上、控訴棄却には、判決によるものと決定によるものの2種類があり、後者(すなわち今回問題となっている控訴棄却)に対しては、上告できないんですね。刑事訴訟法を改めて見直したところ判りました(^-^;) (2006年03月28日 14時26分18秒)

Re:控訴棄却の決定(03/28)  

>真実発見  
モトケン さん
弁護団に真実発見のための審理をしようという意思がなかったように思われます。
それでは、徒に時間が空費されるだけです。
そしてそれが弁護団の目的だったように思われます。
それはそれで一つのポリシーですが、裁判所を含めて大方の支持は得られないと思います。 (2006年03月28日 22時05分52秒)

Re:>真実発見(03/28)  
モトケンさん

そうですね。
やっぱタイトルどおりか。orz

>そしてそれが弁護団の目的だったように思われます。
>それはそれで一つのポリシーですが、裁判所を含めて大方の支持は得られないと思います。
弁護団のやり方はひとつの訴訟テクニックだとは思います。
訴訟能力がないと主張して、運良くそれが認められれば、審理は打ち切り、薬害エイズのときと同様、そのまま被告人は放置、寿命で死ぬのを待つわけですね。刑の確定と執行は免れる。

弁護士としては、刑事訴訟については、被告人の利益とともに、社会的な役割もあると思います。
弁護士(弁護人)の社会的意義も考えつつ、仕事をしてほしいものだなと思います。
・・・なんか弁護士という職業に求めすぎかな。国選弁護人ですしね・・・。

(2006年03月29日 10時54分38秒)

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