コイン
コインマジック事典 高木重朗他編
コインの消し方など基本技法がほとんど身につきます。マジックは現象ごとに紹介されており、難から易まであります。トリックコインの紹介まであり、至れり尽くせりの観あり。
『コインマジック』 二川滋夫
入門者には、上記の事典よりお勧めできます。一つ一つの技法を丁寧に解説してあるからです。また、その技法を使ったマジックが一緒に解説されていて、技法がどう役立つのかがすぐに分かります。さらに、コインマジシャンを紹介したコラムもあります。
『Modern coin magic』 J・B・Bobo
私にとっての最高の１冊です。これが無ければ、コインマジックをやらなかったかも知れないほどです。コインの飛行(winged silver)やコップに移動するコイン(traveling centavos)、コインのテーブル貫通(the magical filtration of four half dollars)などいろいろこの本で覚えました。
『World best coin tricks』 Bob・Longe
消したコインをいかに取り出すのかということに重点を置いた本。名前の割には、どちらかというと初心者向きのような気がします。そのほか、特記事項としてコインを使ったメンタルマジックがいくつか紹介されています。
『Modern coin manipulation』 T N Downs
ドーバー版では、『Classic coin tricks』。内容から考えるとこちらのほうがしっくりします。マニピュレーションも確かにありますが、ギミックの紹介もかなり多いからです。
最初の４０ページくらいは、ダウンズの伝記と彼が登場した新聞記事の紹介。伝説のような記事もありますが、あんなに新聞に載るとはすごいことです。ダウンズの評価を知るにはいい資料。
続いては、なんと６０ページ近くもかけてマイザーズドリームの解説。マイザーズドリームとは空中から何枚ものコインを出すマジックです。私にはかなり難しいと思われる動作もありますが、いくつか役立ちそうなものを紹介します。
ユリイカ・パス･･一枚ずつコインを空中に消す技法。優雅に演じればマジックそのもの。
ダウンズのクリック・パス･･何枚ものコインが一気に消える！
など。
最後は、ほぼ道具の紹介。昔どんなコインマジックがあったのか知ることができます。道具を手に入れる、もしくは作れば実用できるんでしょうがあまり見かけない道具です。
Money Magic Tricks
Bob Longe
コインマジックの本は結構少ないので、積極的に紹介したいところです。『夢のクロースアップマジック劇場』(松田道弘)という本が最近復刊されましたが、その中に、ヘンリー･ヘイ大先生の、「ありがたいことに、数学的原理を使ったコインマジックはない」という言葉が記されています。これはその格言をを見事に裏切った本です。そのようなマジックの解説が１５ページほどありますから。
そのほかには、コインの消し方、基本的な手品、パズル、ギャグなどが紹介されています。パズル、ギャグのほうがむしろ売り物かもしれません。いずれにせよ、初心者、入門者向けの本です。難点は、一部日本のお金ではできないトリックがあること。
『 Self-Working Coin Magic: 92 Foolproof Tricks 』
Karl Fulves
ドーバー社から出版されている、カール・ファルヴスによるセルフワーキングシリーズの中の一冊。
コインマジックであるだけに、完全なるセルフワーキングマジックだけを紹介するというわけにはいかないようです。それでも、技法を使わないマジックをたくさん集めてあり、著者も大変だったのではないかなと思わされます。
中身は、メンタルマジック、パズル、道具を使ったマジックと多岐にわたっています。クラシック・マジックもあります。たとえば、『アート・オブ・マジック』に解説されているシンパセティック・コイン（カードの下のコインの移動）やハンカチを貫通するコイン、そしてマイザーズ・ドリームの簡略化バージョンなどがあります。
そのほかには、ペンでコインを消すマジック、コップを使ったコイン・スルー・ザ・テーブルなどがあります。後、この『セルフワーキング・コイン・マジック』の本を使ったメンタルマジックもあります。
大変な作業でしょうが、『モア・セルフワーキング・コイン・マジック』や、『ニュー・セルフワーキング・コイン・マジック』など、続編が出たらうれしいです。
© Rakuten Group, Inc.
