raskiのマジックとミステリの部屋

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カード


カードマジック事典 高木重朗
 私は図書館でこの本に出会いました。実は、技法はほとんどこの本で覚えたのです。ここの技法を身につけておけば困らないでしょう。紹介されているマジックも名作ぞろいです。 アンビシャスカード (山札の真ん中に入れたカードが一番上に来る。)、 トライアンフ (裏表ばらばらにカードを混ぜても、選ばれたカードだけがひっくり返っている)など。
カードマジック事典
ロベルト・ジョビーのカードカレッジ(第1巻) ロベルト・ジョビー
丁寧な解説がウリです。2巻のセオリーは読んでおくと何かと重宝するかもしれません。パス、パーム、チェンジのカバーは特に参考になりました。

『The royal road to card magic』 Jean・Hugard
 名解説書との評判です。基本技法からフラリッシュまで扱っています。それらの技法がどうマジックの中で使われているのかが良く分かる構成です。私は、ちょっと古いマジックが好きなのでこういった本もすきなのです。アンビシャスカードの解説あり。

(以下追記)また、オーバーハンドシャフルのときの小指の位置や、リフル・シャフルのちょっとした注意点など、見落としがちなところにまで言及されています。このような点は、『カード・カレッジ』にも脈々と受け継がれています。

 またこの本は、技法解説のイメージが強く、またそうなのですが、キーカードトリックの章は見逃してはいけません。キーカードの存在をしっているひとにも通用しそうな原理です。

 一見演者が失敗したように見える「笑いのデザイン」や、観客にシャフルさせて当てる「カードの本能」、裏・表を混ぜても混ざらない「ティプシー・トリック」など興味深いトリックもあります。


『Encycropedia of card tricks』 Jean・Hugard(編)
 主にセルフワーキングトリックです。それでもトリックカードを使ったもの、ポーカーデモンストレーション、キーカード、即席、などなどたくさんあります。 ヴァーノンやアンネマンやジョーダン など素晴らしき人々の作品がたっぷり。

My Best Self-Working Card Tricks
Karl・Fulves
この本によって、セルフワーキングも面白いなと思うようになりました。個人的には、この本には、知らないことがたくさんあってとてもためになりました。簡単にできる『財布に通うカード』やギャンブルのデモンストレーションなど面白い本です。私の良く演じる「マグネティックフォース」も紹介されています。カードを用意していますぐチャレンジです。



『Ellis stanyon best card tricks』 Karl・Fulves
カードの当て方、取り出し方、セットの仕方、セルフワーキング、技法など幅広く扱った本。それゆえに記述は短い。やや読みにくい気がしないでもない。
 特記事項としては、 カバーパス のやり方が複数解説されていることでしょうか。

『Classic card tricks』 Edward Victor
読み終わったので紹介します。この本は、彼が書いた3冊の本から、カードの部分を抜き出してまとめたものです。

 基本技法の解説はありませんが、カラーチェンジやパスなどには言及しています。網羅的な解説ではなく、その当時に新しかった技法、オリジナル技法の紹介といった感じです。

 マジックそのものは、ある程度の技術をできるという前提に立って紹介されているので、きついといえばきつい。それでも、技術だけでできるものが多いので、一度は身に着けると重宝するかもしれません。練習の楽しさも存分に味わえます。具体的にはというと、すべてのカードがエースになるトリック、エースが選んだカードになるトリック、など。ひょっとしたら変化系が多いのかもしれません。

 初心者には勧めませんが、技術好きの方に勧めます。

『card tricks galore』 Bob Longe
 松田道弘氏によると、著者は1928年生まれのベテラン奇術師であるとのこ
と。単なる入門書だと思ったのですが、どうやらそうでもない様子。技法自体は、ほとんど使わないといってもよいのですが、いいマジックがそろっていると思います。

 著者のオリジナル(と思われる)マジックや、従来のマジックに著者が一ひねりを加えたマジックが多く解説されています。演出に気を使っており、ユーモアのある文章で描いているのも魅力です。ただ、解説文章はやや長めです。

 私のお勧めは、フォーエースのトリック各種。難しい技術をほとんど(ただし多少の技術は必要)使わないで、エースを出現させるトリックの数々が紹介されています。

『World best card tricks』 Bob Longe
ボブ・ロンジシリーズの第2弾。ワールドベストという名前ですが、アンビシャスカードやトライアンフなどが解説されているわけではありません。紹介されているのは、難しい技法を必要としないカードトリックです。(ただし著者は、セルフワーキングではなく、演者によってたくみに演じられるべきだといっています。)

 その言葉のとおり、巧妙なマジックが結構載っています。巧妙にして大胆です。技法よりも、演技や自信が要求されそうです。特殊な道具、準備が要らないマジックが多いことも特長のひとつです。また、アウト・オブ・ディス・ワールドやテンカード・ポーカー・ディールなどの有名なトリックもあります。(松田道弘著『クラシックマジック事典』によると、「ありきたりな解説」と言うことですが、まあ、スタンダードな方法でしょう。)技法解説も少しあります。(ピーク、フォース、グライド。ピークの方法はややずうずうしいですが役に立ちます。)

 私のオススメは、二重の一致トリック。ストップを言ったところに差し込んだカードの隣に、同じ色で同じ数字のカードが来ます。

『Charles Jordan best card tricks』 Karl Fulves
ジョーダンカウント(ヨルダンカウント)と言う技法で知られるチャールズ・ジョーダン(1888~1944)の作品の数々をカール・ファルヴス(セルフ・ワーキングシリーズのほか専門的な研究もあるという人物)が補足やノートをつけて編纂したカードマジックのテキストです。

 技法の要らないマジックから、セットを要するマジック、技法を要するマジック、巧妙な原理、ジョーダンカウント・・・とさまざまなカードマジックが解説されています。

 技法の要らないトリックでは、前に書いた「メフィストの予言」をはじめ、秘密の原理に基づくマジックがたくさんあります。(若干ですが『エンサイクロペディア・オブ・カードトリックス』とねたが重なります)

 それも面白いのですが、注目すべきはシャフルのシステムの章です。ここには、「カードをセットしてあるにもかかわらす、観客にシャフルしてもらえる」というマジックがいくつか解説されています。たとえば、The Premoというマジックでは、セットがあるにもかかわらず、観客に3回もカードを混ぜてもらいます。セットしたデックを混ぜてもらうというのは、普通は自殺行為ですが、それを打ち破るトリックがあります。

 ただし技法解説は、ジョーダンカウントだけといっても良いくらいです。しかも若干むずかしめという気がします。それでも、さまざまな原理を掘り出すには良いテキストだと思います。

『101 Amazing card tricks』 Bob Longe
トリックと技法をあわせて101も紹介しています。紹介している技法は、ヒンズーシャフルとその関連技法、フォールスカット、グライド、カットコントロール(トリプルカット)など。フラリッシュ?として、カード投げ、セルフ・カット・デック(ロイヤルロードの命名)など。

 そのほかにもいくつか技術解説があり、同著者の前掲書より技法を使用したマジックが多い印象を受けます。有名どころでは、、アウト・オブ・ディス・ワールドやミラスキルのバリエーション、ライジング・カード、フォロー・ザ・リーダーなどがあります。

 101も解説されているため、すべてを紹介することはできませんが、その他にもいくつか紹介してみます。

 THe middle key・・・当たり前なのに摩訶不思議に見える不思議なカード当て。
 Ups and Downs・・・もちろんコインマジックではありません。観客の選んだカードが一番最後に配られます。
 The invisible deck1,2・・・「見えないカード」をもちだして・・・。やっていることは普通のトリックですが演出の妙。
 The nows knows・・・語呂合わせのタイトル。鼻が観客のカードを当てます。
 Hair pull・・・髪の毛でカードを引っ張る、ように見えます。

 いくつか好みのトリックを見つけよう、という感じの本です。ちょっとした宝箱?

『Blackstone's modern card tricks』  Harry Blackstone
 踊るハンカチーフなどのステージマジックでも知られるハリー・ブラックストーンによるカードマジックの解説書。なんと10万部以上も売れたそうです。基本技法に始まり、技法不要のマジック、セットアップが必要なマジック、技法を要するマジックとバランスのよい構成だと思います。

 ただスペリング・トリック(カードの名前のスペルを用いるトリック)に1章も費やしているところはやや不便か?スペリング・トリックは、この本のころには新しいトリックだったようです。

 技法の章では、シャフル、カットにまつわる技法とその他の技法を少し解説。後の章では、パスという難しい技法はあまり必要ないというようなことを言っておきながら、セカンド・ディールを解説していますが、これは大きな謎です。

 奇術編は、難しくない奇術が主です。基本原理にひとひねりを加えたものもあります。たとえば、山を二つに分けて、一方の山からカードを選んで他方の山に移し、そのカードを当てるというトリックがあります。これだけでも種を知っている人は多いかもしれませんが、これを更に工夫して、観客の改めを可能にすることができる方法が解説されています。また「あなたは5の山を選びます」のトリックを5つの山でおこなってしまう工夫もあります。初心者の専売特許にしておくのは、非常にもったいない。

 他には、ジョーダンのトリックに似たThe card foretold 、エレベーターカード(タイトルは、one two three)、ナイフを差し込んでカードを選ぶthe knife in the packなどがあります。






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