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このところ、原材料費の値段の高騰には悩まされます。この春にワイン、シャンパンも一斉に値段が上りました。お客様はニュースなどで様々な食品原料のコストが上っているのはご存知なんですが、それでも我々販売する側にとって見れば、いくらのお値段をつけるかというのは非常に悩ましい事柄として日々迫ってきています。
マクドナルドが、1970年代に日本に初上陸してきたとき、ハンバーガー一個の値段をいくらにするかというので、随分と社内で討議されたそうです。原材料費がいくらで、人件費がいくらで、、、で、お客さまが、いったいいくらだったら支払う価値を見出せるのか。
辿りついた結論は、「タバコ一箱」の値段。非日常では無く日常的な商品として、人々が毎日のように使う金額、と同じくにすることで最初の値段は決まったそうです。
今日の出来事。何回かご来店頂いているシャンパン好きなお客さまとお話していました。
「いやぁ~、それにしてもここのドン・ペリニィヨンは頑張ってはるねぇ(←大阪でいう、安いという意味です)なかなか今時、2万円台では飲めへんなぁ。こないだ行ったXホテルは35000円やったし、Qホテルはそれでも31000円やったからなぁ」
そうなんやぁ。じゃあ、ここのお店ももうチョット値上げしようかな、、、
と、考えてしまうのは早計で、この「安い」と言ってもらえる効果こそ、サービスマンのもうひとつの技術、つまり情報収集のスキルによるものなのです。
うちの店舗で、ドン・ペリニィヨンは価格帯としてはもちろん、ビールや焼酎よりもさらに高価なプライシングゾーンにあります。しかし、私どものお店に来店して頂けるお客様は自然に大阪の一流ホテルであるところのXホテルやQホテルと比較して下さってるわけです。もちろんドン・ペリニィヨン一本の価格だけ見れば、カジュアルなバーとか、それこそ量販店なら半値以下で手に入るかもしれません。
価格とは比較される対象があってこそ、「高い」「安い」の判断がなされるのです。
ドン・ぺリが広く知れ渡られたブランドネームであることが効果的に働いています。ブランド品が他社より安い、イコール名前を聞いたことも無いような銘柄でもお値打ちだろう、と感じていただくことも出来るのではないでしょうか。
お客さまの声を聞く、とは情報を収集するに他なりません。
メートル・ドテル、ソムリエに求められるのは充分な知識や技術だけではなく、お客さまの声をいかに聞き取れるか、さらにはその情報を充分に活用できるかではないでしょうか。
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