クレセントムーン3


それは週の中で一番動くことが辛い日
「あぁ~。だりぃ・動きたくねぇ」
昼休みの食堂で気力を失った薙がいた。
「おっ。薙か!隣座るぞ?」
顔を机から上げると、うどんを持った男がいる。
「・・・なんだ。雄志か・・・かまわん。座れよ」
席を一つ詰めて雄志を座らせる。
「おう。サンキュー」
おぼんを置き座る。
「こいつは高峰雄志。俺の幼なじみだ。」
誰かに向かって喋る薙。
「おいおい?どうした。なんで俺の説・・・」
「いや、気にすんな」
軽く流した。。いや、流してやった。
「それにしてもシケたツラしてんな。なんかあったか?」
うどんをすすりながら雄志が問い掛けてきた。
「あん?なんでもねぇよ」
軽く返答する。
「・・隠すなよ。」
急に真剣な顔になる雄志
「は?何言ってんだお前?」
なぜか焦る薙
「いつもと雰囲気違うからよ。気になったんだが?」
やれやれとジェスチャーを交えながら溜息を吐く。
「な・なんでもねぇよ」
その場を焦りながら誤魔化した。
「そうか?ならいいんだ。けど、悩みがあるなら相談しろよ?俺や琴音達もいるんだからな」
その駈けられた言葉は、俺達、昔からの仲だろ?気なんか使うなよ?とも聞き取れた。
「・・あぁ・・そうだな」
急に静まり返る薙。
「・と言っても琴音の奴は今日は休みだけどな」
笑って話を続ける。
「そういえば、最近琴音の奴見ないな?」
「あん?あぁ、なんか用事があるから!とか言って最近休んでるぞ。まったく学校休んでなにやってんだか」
二人はあと一人の幼なじみ仁歳琴音の話題を続ける。
琴音は姉で静音と言う妹がいる雄志と同じ幼なじみつまり腐れ縁である。
キーン・コーンとチャイムが鳴る。
「おっ。時間か!・・それじゃ放課後な」
いそいそと片付けて雄志が食堂から去る。
「わかった。また後でな」
薙も返事を返す。
一息ついて食堂を後にする。
「雄志になら・・話してみるかな」
心機一転した薙。
気も晴れて午後の授業に急いで迎う。


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