１１月１３日
私はこの日を一生忘れないだろう。
忘れることなんて出来るはずがない。
左手に肌身はなさずに持っているのは希望と不安でいっぱいのﾀｲ行きの航空券。
初めての海外旅行
初めての成田空港
初めての２人旅
初めての国際線
何もかもが初めてで不安はつきなかった。
友達も私も海外が初めてどころか英語さえ話せない。
ﾀｲは治安も悪く、日本人なんてｽﾘやぼったくりの１番の餌食。
ましてや女２人。
なめられることはわかっていた。
それでもどうしてもﾀｲに行きたかった。
ﾀｲ以外に考えられなかった。
そのきっかけとなったのは友達のお母さんだった。
前に友達と友達のお母ｻﾝと３人で食事に行った時のこと。
その時にﾀｲから帰国したばかりのお母ｻﾝはお土産を片手にﾀｲの話を始めた。
ﾌﾟｰｹｯﾄの海の青さ
ﾊﾞﾝｺｸの街並
ﾁｪﾝﾏｲの寺院
ｱﾕﾀﾔの宮殿
ｳｨｰｸｴﾝﾄﾞﾏｰｹｯﾄの広大さ
ﾀｲの気候、物価、風習
全てが私達の興味をそそった。
６月のこの日から私たちの頭はﾀｲ旅行のｺﾄでいっぱいだった。
５時３０分、友達との待ち合わせ時間になり
「ついにこの日がきたね」
そう話したもののあまり実感はなく、いつものように友達と遊ぶ感覚でﾘﾑｼﾞﾝﾊﾞｽに乗り込んだ。
東京を離れ成田空港についたとき、一気に私たちの緊張が高まった。
離陸までの２時間半、時間を余す余裕などなかった。
何をしていたのかあまり覚えていない。
搭乗手続きや出国審査、これらをこなすのに精一杯だった。
そして私達の夢を乗せてCI107台北正中経由ﾊﾞﾝｺｸ行きの飛行機は日本を出発した。
早朝の出発だったからか緊張の連続からか、私たちはﾌﾗｲﾄの時間ほとんど寝ていた。
機内食の時だけはちゃっかり起きてたけど。。。
機内食も国内線のお菓子のｲﾒｰｼﾞしかなかったからかなり驚いた。
しっかりしたもの出てくるし、種類があって選べるし。
そして３時間後に台北に到着。
降りた瞬間、日本を離れたことを実感した。
空港内の看板が読めない。
免税店の店員さんももちろんながら日本人ではない。
わかってはいたけど実際にその環境におかれると、ものめずらしくてしょうがなかった。
現地時間１３時４５分 台北を離陸
現地時間１６時４５分 飛行機を降り、私たちはﾀｲの地に足をおろした。
空港を出て、旅行会社の現地人タダナｻﾝが私たちを迎えてくれた。
同じﾂｱｰの夫婦２人と私たちを乗せて車はﾎﾃﾙまで走った。
見るもの全てが初めてで、見るもの全てにくぎづけになった。
ﾊﾞｽに窓がついていないこと
ﾊﾞｲｸにﾉﾝﾍﾙで３～４人乗っていること
渋滞が激しいこと
運転があらいこと
全てを焼き付けたくて必死に目をむけていた。
ﾎﾃﾙについて荷物をおいた後、私たちは休む時間もとらずにタダナｻﾝに勧められたﾙﾝﾋﾟﾆｰﾅｲﾄﾊﾞｻﾞｰへ足を運んだ。
ﾎﾃﾙから地下鉄までは徒歩３分。
初めてﾀｲでｴｽｶﾚｰﾀｰに乗った時焦りを感じた。
日本の２倍くらいの速度で運行されているｴｽｶﾚｰﾀｰに慣れるには時間がかかった。
そして４駅先のﾙﾝﾋﾟﾆｰに到着。
そこは想像を絶する場所だった。
野外ﾗｲﾌﾞのｽﾃｰｼﾞのｻｲﾄﾞには数々の屋台が並び、食事をとりながらﾗｲﾌﾞを楽しむことが出来る。
そこで私たちはｽﾃｰｷを頼んだ。
物価が安いだけあって、日本円にすると２７０円。
でもすごく美味しくて日本が経済大国であることを実感した。
その場を出ると今度は服飾からお土産まで色々な屋台がずらりと並んでいた。
１晩で見るｺﾄの出来ないその数に驚きつつも色々なお店をめぐり、記念にﾁｬｲﾅﾄﾞﾚｽとｱｸｾｻﾘｰを買った。
初日からかなり堪能し、不安はあっという間に消えた。
１日しかいないのに親しみさえ感じた。
ずっと本で見てきた世界に今いるんだと思うと夢見心地だった。
この５日間、寝る間も惜しんで見るもの感じるものすべて吸収しようと思った。
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