颯HAYATE★我儘のべる

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榊&椛: お遊戯会



保育園でもお遊戯会・・・でございます。





●榊と椛のお芝居?●


「ウサギさん、どこに行くの?」

ウサギさんが歩いていると、ライオンさんが聞きました。

「やあ、ライオンさん、僕は明日にむかって旅をしているんだ!」

「あした~?」

「うん、そうだよ。明日はとても楽しいところなんだって。だから僕は早く明日に行きたいんだ」

「そっか~。僕も一緒に行ってもいいかい?」

「うん、いいよ~。一緒に明日に行こうね」

二人は明日に向かって旅を続けました。太陽に向かってどんどん歩いていきます。

そうすると、今度はシマウマさんに会いました。

「やあ、ライオンさん、ウサギさん、どこに行くの?」

「「やあ、シマウマさん、僕たちは明日に向かって旅をしているんだ」」

「そうなんだ~。僕も一緒に行ってもいいかい?」

「「うん、一緒に行こう」」

旅の仲間は三人になりました。

ずっとずっと太陽に向かって歩き続けています。

そうすれば、明日に着くと信じて歩き続けます。

しばらくすると、突然ライオンさんが言いました。

「お腹がすいたよ」

「そうだね、じゃあ、お弁当を食べよう」

「うん、それがいいね」

三人は座って、ウサギさんが分けてくれたお弁当をおいしく食べました。

「・・・これだけかい?」

ライオンさんが言いました。

「仕方ないよ。我慢しなくちゃ、ウサギさんは自分の分をくれたんだよ」

シマウマさんが言いました。

「嫌だよ!僕はもっと食べたいんだ!」

わがままなライオンさんは二人に文句を言いました。

そして・・・大きな口をあけるとウサギさんを一飲みで食べてしまいました。

「うわ~!!ライオンさん、なんてことをするんだい?」

シマウマさんは驚いて立ち上がりました。

「お腹がすいているんだよ。仕方ないじゃないか」

そう言ってライオンさんは大きなゲップをしました。

「ひどいよ、ライオンさん!お友達を食べてしまうなんて」

「お友達じゃないよ。今日はじめて会ったんだもん」

(・・・椛ちゃん、違うよ~・・・シマウマ役の雄太くんがこっそりと言いました)

ライオンさんはそう言うとシマウマさんをチラリと見て舌を出しました。

(だって、榊はお友達じゃないもん!雄太くん、続けてよ)

「わ~、ライオンさんは僕も食べるつもりなんだね!!」

そう叫ぶとシマウマさんは一目散に逃げ出しました。

「お腹いっぱいになったのに食べるわけないじゃないか。」

ライオンさんは笑ってそう言いました。

「さあ、僕一人になっちゃったけど、旅を続けよう。どんな楽しいことがあるんだろう」

ライオンさんは一人で旅を続けました。

しばらく歩いていると、お腹が痛くなってきました。

「あいたたた~!!!」

ライオンさんはあまりの痛さに腹をかかえて大暴れ。

「痛い、痛い!」

「このやろ~、よくも僕を食べてくれたな!」

お腹の中ではさっきのウサギさんが大暴れしていました。

「ライオンのヤツ~、僕の蹴りを受けてみろ~!!!」

そういって、ライオンさんのお腹の中で壁を蹴りつけました。

「痛い、痛い」

「早く、僕をここから出すんだ~!!」

ウサギさんはお腹の中から叫びました。

「君の負けだよ!ライオンさん。早く出さないともっと蹴るぞ!」

ウサギさんは中でピョンピョンと飛び跳ねました。

(負け?負けないもん!!榊になんて負けないもん!)

「うるさい!負けるもんか~」

ライオンさんはそういうと走りだしました・・・・

一目散にウサギさんのところへ。

いや、ウサギ役の榊くんの元へ・・・

「椛が痛いって言ってるでしょ!」

「・・・うん。だけど先生がここで蹴るって言ったよ」

「でも椛が痛いって言ってるんだから、蹴るのをやめないといけないの!」

「・・・お芝居だよ!?続けなきゃ」

「やだ!榊に負けるのいやだ!」

「だって、ライオンさんだから仕方ないよ」

「ライオンさんの方が強いんだもん!!」

椛は榊に大声で言った。

舞台下では観客としてきている園児の親たちが大笑いしていた。

「このお話はウサギさんが勝つんだよ!」

「勝たない!」

「勝つの!」

舞台上でどっちが勝つかで大喧嘩。

椛が榊を叩きだした。榊は半泣きで椛を押しのけている。

先生もおろおろして舞台上に上がってきて二人を止めようとしている。

そのとき・・・椛のくりだしたパンチが榊の頬をかすめた。

「わあああん、痛いよ~」

榊が大声で喚いた。泣いているように見えるが涙は出ていない。

ただ、甘えているだけのようだ。

舞台下で真っ赤になっていたつくしがさすがに大声で止めた。

「椛!!榊!!いい加減にしなさい!せっかくのお芝居がダメになったでしょう?」

母親の叱責の声をきいて椛は泣き出してしまった。

「わ~ん!!だってライオンさんが一番強いって、ようパパが言ったもん~」

煬介兄さん?・・・まあ、確かにライオンが百獣の王だけども!!

「椛?泣いちゃダメ。もういいよ。ライオンさんの勝ち。僕は食べられちゃった」

榊は妹が泣き出したのでいつも母親がするように優しく頭をなでて抱きしめてあげた。

「うん。」

グズグズと鼻をすすりながら、椛は笑った。

「それじゃお芝居にならないでしょう?椛、ちゃんと練習の通りにやらないとダメよ」

つくしが横から言ったが、椛はキョトンとしている。

「練習のとおりだよ」

「うん、練習どおりだね」

榊もえっ?と言う顔で言った。

つくしもエッ?という顔で先生を見た。

先生は真っ赤になって、小声でつくしの耳元で言った。

「実は・・・練習中もこのとおりだったんです。ここでいつも椛ちゃんが・・・

その、納得いかないらしくて。ライオンが王様だから勝つのは当たり前だって・・・

今日はそんなことにならないように本番前に言ったらわかったって言ったんですけど、無理でしたね」

そういうと先生は微かに微笑んだ。

芝居はここで強制終了。

でも、親たちには大ウケで評判が良かった。(それもどうなのかな?)

お芝居を終えて、三人で手をつないで歩いて帰った。

「お母さん、椛、お上手だった?」

「うん、お上手だったよ。だけど、先生に言われたとおりにやらないとね」

褒めるだけじゃなく、ちゃんと釘をさした。

このままじゃ・・・椛は小型の道明寺だ。

「お母さん、僕は?」

「榊もお上手だったよ~。椛が泣き出したら、勝ちを譲るなんて偉いね」

榊はニッコリとして言った。

「うん、僕はお兄ちゃんだからね!」

そう言って胸をそらした。その姿につくしは笑ってしまった。

榊は優しい子だ。椛も気が強く負けず嫌いだけど良い子だ。

道明寺、あんたにはこんな良い子が二人もいるんだよ!?

・・・いつかは教えてあげないとね・・・・

道明寺・・・この子たちはあんたにそっくりだよ。

榊は正直で、責任感が強い。最初はともかく、あんたもそうだったよね。

椛は・・・まるで出あった時のあんたみたい。女の子なのにね。

でも、弱いものいじめはしないよ!そこがあんたと違うところだね。

そう思ってつくしは微笑んだ。

「お母さん、どうかしたの?」

榊がつくしの顔を見上げて聞いた。

「なんでもないよ!!さ、歌を歌って帰ろうか?なにの歌がいい?」

「あのね~!!!」

三人は手をつないで、大きな声で楽しそうに歌いながら我が家へと帰っていった。


   FIN


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