颯HAYATE★我儘のべる

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颯介さんの玩具





●颯介さんの玩具●


最近・・・おもちゃを手に入れた。

おもちゃっていうつもりはなかったが、それがおもちゃだと気がついてしまった。

義妹が結婚し、義弟ができた。その義弟が・・・おもしろいのだ。

今日も暇ができたから、道明寺邸へ遊びに行った。

ちょうど主もオフだったらしく、在宅していた。 

というか、オフだとわかっていたから遊びに行くことにしたのだが。

「颯介兄さん、いらっしゃい。」

義妹が玄関まで出迎えてくれたので、抱きしめて頬にキスをした。

「も、もう!! 颯介兄さんったら・・・」

恥ずかしがる義妹がかわいい。

「紅、ひさしぶりなんだから・・・いいだろ? 兄弟なんだ、旦那だって嫉妬なんてしないさ。」

そういいながら、夫である男、道明寺司のほうへ視線を向けると・・・ぷぷぷっ!!

額に青筋を立て、唇がピクピクと動き、頬が引きつっている。

しかし、成長したのか? 顔はなんとか笑顔を保っている。

これでは他人は怖くて近寄れないだろうな・・・笑えるぞ。

「お義兄さん・・・いらっしゃい。 いつも、いつも・・・暇なんですね。」

「ああ、暇なんだ。 だから、かわいい義妹と甥や姪に会いたくなってね。」

そう言って、にっこりと笑ってやった。 そのくらいの皮肉で追い払えると思っているのか?

なんって可愛い奴なんだ。 からかいがいのある奴だ。

俺はつくしの腰を抱き寄せ、抱えあげた。

「お、幸せ太りか? この間より、ちょっと重くないか?」

「しっ、失礼ね!!! まったく太ってません! 太る暇なんてないわよ!」

つくしが真っ赤になって否定する。 紅もからかいがいがある奴だ。

似たもの夫婦・・・そんな言葉が頭をよぎった。

司はピクピクとこめかみを震わせながら、拳を握り締めている。

本当は怒鳴りつけたいに違いない。 でも、そんなことをすれば、紅の怒りを買う。

楽しすぎる・・・これは、良いストレス解消だ。

「そ・・・颯介さん・・・とにかく、部屋に行きませんか?」

うなるような声。 まだまだだな。 おい、笑顔が壊れてきているぞ。

「ああ、そうだね。 ところで榊と椛は?」

「―――学校に決まっているでしょう?」

そうだった、今日は平日だ。 この時間なら二人は学校だろう。

あの二人がいれば、もっとコイツをからかって遊べるのに・・・少し残念だ。

「そうだね、じゃぁ紅、部屋に案内してもらおうか。」

そう言って俺は義妹の腰に手をまわした。 それを見た夫である道明寺司は・・・

「颯介さん!!! その手を離せ!!!!」

ついにキレたか。 あ~楽しい。

「え?」

俺は惚けた声を出した。 コイツのヤキモチは際限がないな。

「司!!! 兄さんに何をするの!?」

俺につかみかかろうとした司を紅が怒鳴って止める。 睨みつけ、仁王立ち。

「・・・だって、颯介さんがお前の腰に・・・」

モゴモゴと言い訳をする道明寺の後継者。 笑える・・・完全に尻に敷かれているなぁ。

「あのね、血は繋がっていないけど、私と颯介兄さんは兄弟なの! 

アンタが嫉妬するような間柄じゃないでしょ!?」

紅・・・血が繋がってない兄弟だからこそ、嫉妬するんじゃないのか?

なんて鈍い女なんだ・・・この夫婦は本当におもしろい。

義妹の結婚は俺におもちゃをもたらした。 きっと俺はストレスが溜まるたびにここを訪れるだろう。

あ~、今日もスッキリしたぞ。楽しすぎる―――――

FIN


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