入院生活


退院した7日目まではどんどん体重が落ちとうとう448gまでになってしまった。
乳児が体重減少するのはごく自然な生理現象なのだがムスメは体調が悪くて
まだミルクが飲めず栄養は点滴だけだったので体重は減る一方。
看護士さんから「出生体重の二割をきったら危ない」と聞いていたので
これが限界だろうと思っていた。
ところがこの日から少しずつ体重が増えてきた。
病院には毎日面会に行っていたが私の産後検診にはとうとう出生体重まで
戻ってきていた。ようやくスタートラインだな~と嬉しかったが
産後検診で久しぶりにあった同室のお母さんに子供さんの様子を聞くと
みな5KG前後には成長しているらしい。
ムスメ的には大きくなったとはいえわずか1/10の大きさだ。

相変わらず呼吸器と点滴で管だらけのムスメだったが
一ヶ月目にようやく保育器の中のムスメに触っていいという許可が出た。
ミルクも最初は0.5ccX12回という微々たるものだったが
搾乳した母乳を与えることができた。
体重も微々たるものだったが一週間で10gは増えてくるようになった。

予定日を過ぎた四ヶ月目に入って一度抜管をしたがやはり失敗。
しかし五ヶ月目に面会に行くとなんと送管はしているものの
酸素呼吸器が抜けている!
この頃からよく暴れたりしたてはずみで管が外れることが
よくあったのだが試しにそのままにしたら呼吸器なしでも
呼吸が安定していたので管だけにしたらしい。
呼吸器なしでも大丈夫だったらあとは管を抜くだけだ。
退院条件は体重が2500gになればいいと聞いていた。
呼吸器がとれてからはミルクの量も増え体重もこのまま
順調に増えることを皮算用したら8月には退院できそうだった。

ところが数回抜管を試みてみたもののいずれも失敗だった。
体重は3kgを超えていたのだが管が抜けないので当然退院許可は
降りなかった。
ムスメよりも後に産まれた子はどんどん退院していくのを
見るたび辛くてしょうがなかった。
医師や看護師さんからは「体重が増えれば次は成功するかも」と
励まされたが管が外れることはなく
ムスメは一歳の誕生日をNCUで迎えた。
担当の看護師さんを始めNUCのスタッフがムスメの誕生日を
祝ってくれた。スタッフの心遣いは嬉しかったが
もしかしたら一生この病院でムスメは過ごすのかも?という
不安が大きかった。



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