ある夫婦の始まりから終わりまで・・          (ノンフィクション)

ある夫婦の始まりから終わりまで・・          (ノンフィクション)

マイホーム

話が前後するが、(実際、このあたりの時系列が記憶の中では曖昧になっている。)

妊娠が発覚する数ヶ月前に、私達はマイホームを持つ事を決める。

私の実家が、家を建て替えた事も一つの刺激だった。


最初は住んでいた市内の、駅近のマンションに申し込む。

申し込みが殺到する事を想定していたのだろうか。

そのマンションは、先着順では無く、抽選だった。

まだモデルルームしか出来ていないマンションを見学した上で、1室を選び、申し込む。

しかし、結果は、ハズレ。特に特徴のあるマンションでは無いが、完成前に完売。


マンションの供給が過剰な現在ではとても考えられない状況だったと思う。

気持ちの中で、既にそのマンションを手に入れた気分になっていた私は、

次なるマンションを探し始めたのだが、資金面などの都合がつかず、


戸建住宅にシフトしてゆく。

いくつか建売住宅をまわったが、どこも薄いペラペラの住宅で、寒いこの地の冬を。

とてもじゃないが、乗り越えられそうもない。

半ば、マイホーム取得は諦めかけていた。

そんなある日、新聞広告に、某住宅メーカーの宅地分譲の広告をみつける。

勿論、このメーカーの建築条件付き。

場所は元夫の勤務先の隣村だった。

休日を利用して、この土地を見に出掛けた。

訪れてみて2人ともビックリする。

この村は、農家や牧場等が多い村で、はっきり言って田舎なのだが、

分譲地がある一帯は別世界だった。

全体の6~7割は既に家が建っており、同じメーカーが分譲しているだけあって

概観や街作りが統一されていて美しい。

全戸が完成すると、200世帯位になったと思う。

ひと目で気に入った私達は、この一画の70坪程の土地に決め、申し込んだ。

土地の価格は980万円位だったと思う。


土地が決まると、上物の細かいプランの打ち合わせがスタートする。

引渡し予定日は翌年の1月終わりから2月頭だった。

ちなみに、出産予定日は2月の終わりであった。



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