森岡の妻と会った日から、私は大石に、自分の気持ちをぶちまけたくなって仕方がなくなっていた。今まで、私がどんな思いで大石を見つめてきたかを、どうしても大石に告げたくなっていた。明日は言おう、今度は言おうと思いながら、やはり告白した後の大石の反応が怖くてなかなか言い出せずにいた。実際、大石がこの20年、私の事をどう思って見ていたのかは、本当に私にはわからなかった。ただひとつ言える事は、大石は私に対して一度も好きだと言った事がないこと、つまりは私に恋愛感情を持っていないという事だ。ならば、私は大石にとって何なのだろう。やはり単なる幼なじみでしかないのだろうか。私にしては珍しく頭をフル回転させて考えていた。そして、当たって砕けろ、だ、拒否されたって私と大石の縁が切れるわけはないのだから、と半ば自棄で決心した翌日、私は大石から思ってもみなかった事を告げられたのだった。