こんなにリラックスできる人は始めて?ならば、大石はどうなのか。私にとって家族以外で一番、と言ったら大石の筈だった。なのに何故。私は本当に自分が感じている事を言葉にするのが恐かった。大石といると嬉しいし、安心もするのだが、本当は疲れるのだ。もちろん、自分が恋焦がれている相手なのだから、一緒にいると神経を使って疲れるというのもある、とは思うのだが、阿部と毎週会うようになってから、大石といる時の「疲れ」をどうしても意識して考えてしまっていた。「阿部のような人と結婚して一緒に暮らすのはラクだろうなぁ」などと考えては、はっと我に返り、私は大石が好きなのだ、結婚なんかしないで一生大石と付き合っていくのだ、と自分に言い聞かせる。そして、そう言い聞かせているという事に、また愕然としたりしていた。阿部と出会っていなければ、大石との事をこんな風に考える事もなかっただろう、と思うとちょっと恐い気もした。私はその「疲れ」に一生気付かなかったかもしれないのだ。自分の心の中に沈殿させたまま。
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