イタリアの治安


フェレンツェのドゥオーモから始まり、ヴィツイ美術館、ミラノの街など、子供達も「知ってる、知ってる」と大騒ぎでした。(笑)
勿論、作品自体もとっても素敵でしたね。

ところで、イタリアにつて述べるに当たった避けては通れないのが治安の問題なのです。
今日は今まで、文章の流れを切ってしまう恐れもありましたし、何より、あまりに強烈なインパクトがあり、また多くのことを体験したのでこれは、いっそのことまとめて書いた方が良いのではと思ったので、ここで思いっきり書かせていただきたいと思います。

「日本では水と治安の良さは空気のように当たり前のことのように思っている。」なんて聞いたことがありました。
今回のイタリア旅行は、そのことの本当の意味を全く知らずにいたことを思い知らされた旅でもありました。

基本的にイタリア人は陽気で人がよく、悪い人ではありません。
イタリアには住んでいるのはイタリア人だけでなく、人の集まるようなところにはたくさんのジプシーも集まってきているのです。
イタリアの治安を悪くしているのはイタリア人というよりも、イタリアに住んでいるジプシーだと言った方が良いのかも知れません。

とにかく、旅行に行く前から旅行社の人や添乗員の人から、イタリアの治安の悪さについては、ちょっとしたことは聞かされていました。
しかし、聞くと見るとは大違い。
ジプシーは本当に厄介な存在だったのです。

基本的にジプシーは自分の畑のぶどうの実を取るのと、隣の人の畑のぶどうの実を取るのと、道を歩いている人の鞄の中の財布を取るのを同じように考えているのだそうです。
つまり、それは全部神の恵みなのだと。

だから、私たちが朝起きて「さ~、今日も一日がんばろう~。」と思うようにジプシーも「さ~、今日も一日がんばって人のものを盗もう~。」と思うようなのです。

特に、親は子供にスリをすること教えます。
子供は親からその仕事を任せられると、「あ~、自分もやっと一人前になったのだ、親に信頼されているのだ。」と自信をもつのだそうです。

そういったわけで、私たちがローマを歩いている時にも何人もの怪しげなジプシーの子供達に出会いました。
なるべく、近づかないように歩くのですが、どうしても車をよけるために近づいてしまうこともあります。

私の息子と娘はどちらも、ウエストポーチのファスナーを空けられ中に手を入れられかけました。
もちろん、大声で叫び追っ払いました。
幸い、何も取られてはいませんでした。

ジプシーは大声で叫ばれるのが嫌いなのだそうです。
だから、しっかりと怒った顔で大声で「NO」もしくわ日本語で「あっちへ行け!!」と叫ぶのが一番だそうです。

もしこちらが、たたいたりして暴力を振るうと、たとえジプシーが悪くても警察に捕まることもあるので、気をつけたほうがいいそうです。
とにかく、ジプシーは治外法権と思ったほうが良いのかも知れません。

よくあるパターンとして、布や紙を鞄の上にかぶせてその下で財布やカメラを盗むというのが多いようです。
娘に近づいてきた女の子も綺麗な布を持っていたそうです。
それを売っているかのような自然なしぐさで近づいて来たそうです。

ジプシーといえば、ちょと身なりの良くない人を思い描きますが、最近はその裏を書くかのように、白人で金髪でものすごく美しい子供達もいます。
娘に近づいてきた子は、フランス人形のように綺麗な女の子でした。

あと、道を歩いていると突然ミサンガを手首に撒きつけて、無理やり高いお金で売りつける手口も多いです。
息子は2回、ミサンガを手首に撒きつけられそうになりました。

あと、夫はこんなパターンもありました。
それは、子供ではなくて大人の黒人のジプシーでした。
スペイン坂の上のところで突然、「中村さん?山本さん?」などと親しげに話しかけられたりしました。

また、こんなこともありました。
道を歩いているとおもむろに「エイズ撲滅運動に、ご署名ください。」と流暢な日本語で、紙とペンを持って近づいてくるのです。
もちろん、どっちも大急ぎで逃げたので事無しを得ましたが…。

それから、添乗員さんに聞いた話なのですが、もう10年ものベテランの在住の日本人がつい最近、引ったくりにあったそうです。

それから、こんな話も聞きました。
私たちは日○旅行さんにお世話になったのですが、数年前の話ですが、社員の方が、大事なものを会社の金庫に預けていたのですが、翌日出勤してみたら、なんと事務所の2階にあった数十キロの金庫が、窓からレッカー車を使って持っていかれたのだそうです。
あ~、気をつけてくださいといわれてもどう、気をつければいいか分からないくらいですよね。

とにかく、私は命の次に大切なパスポートと現金半分はお腹の中に巻いていました。

イタリアでは毎日、2人の割合で日本人がパスポートを盗まれる被害にあっているのだそうです。
一年では700人以上、十年では7000人以上…。
日本人のパスポート一人分が百万円で売れるのだそうです。


その話を聞いてから、私は一日に何度も自分と娘のパスポートにそっと手を触れたのでした。

そんな治安の悪いイタリアで私は大失敗をしてしまったのです。
その話は次回にゆっくりさせていただきます。



© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: