マーラとだんなの結婚までの道のり（１）
今日はプロローグです。
マーラとだんなとの結婚までの過程、ごゆっくりお読み下さいませ。
彼（だんな）とは、出合った翌日に日本から母と姉が遊びに来る事になっていた為
二人が日本に帰った翌日に初めていっしょにお出かけしたのだけど、
彼はまた会ったその翌日にはすでに私にプロポーズっぽい事を言い始めていた。
まだ会ったばかりで相手の事も分かんないのによくそんな事が言えるもんだ、と
内心びっくりしていたのだけど、いつの間にか、だんなの存在が
私の中で大きくなっていったらしく、カレッジを卒業する頃には
母親にどうやって結婚の事を切り出そうかとそればかり考えていた。
カレッジを卒業した後約３ヶ月間、私は彼のアパートに転がり込んだ。
学校に行ってないのにアパートに住むのは家賃が勿体無かったっていう
ケチくさい考えだったのだけど、これから一緒に住むのなら、やはり結婚前に
相手と一緒に住んで、相手の知られざる世界に触れるべきだと思ったの。
実際、一緒に住んでみて、付き合っていた時には思いもしなかった事を
発見したりして、上手くアジャストできて良かったんだけどね。
彼のアパートに転がり込む前に、私は母に電話して日本に帰るまで
彼のアパートに住む事を伝えた。
私はとてもオープンな性格だし、母に嘘をつくのは嫌だったので正直に話したの。
母はちょっと心配していた様子。でもきっと
「娘はカレッジを卒業したのだから自分の所に帰ってくる」
って信じていたのだと思うと、いまだに胸が痛くなってくる。
いよいよ日本に帰る日が近づいて、だんなと私はこれからの事を話した。
私は母親の性格をよーく知ってるから、一旦私が日本に戻ったら、アメリカにまた
戻ってくるのはかなり難しい事だと充分承知していた。
母は子供達を限りなく愛してる人で、悪く言えば、子離れできない人。
だから、私がアメリカに永住するなんて、母にとってはとんでもない事。
でも、だからと言ってアメリカに居る間に勝手に結婚はしたくなかった。
結婚するのなら、ちゃんと母に話してから、結婚したい人を母に会わせてから、
それが礼儀だと思っていたから。
アメリカでカレッジに行くことも、最初は大反対だったのに、話し合いの末
OKしてくれて、私の貯金が足りなくなった後は100％サポートしてくれた母。
そんな母を裏切るような行為はしたくなかったの。
彼にもそんな母親の事を充分話していたから、私が日本に帰国したら
もう会えないかもしれないと、暗ーい日々を送っていた。
「でも戻ってきて欲しい、戻ってきたら結婚しよう、僕が君の面倒を見るよ」
ああ、あの時のだんなのスイートだったこと・・・。
私は決心して、母に電話して、付き合ってる彼と結婚したいと伝えた。
母は、私が彼のアパートに住むと言った時からそんな事を私が言い出すんじゃ
ないかと思っていたらしく、それほどびっくりはしなかったけど、
とりあえず学校を卒業したのだから、一旦日本に戻ってらっしゃい、と言った。
私は帰国用に宅○便の大きな箱（私がスッポリ入るくらい）二つに自分の荷物を
全部詰め、帰国の前日に実家に送った。
アメリカに戻ってくるつもりだけど、もしかしたら戻ってこれないかもしれない。
そう思いつつ、日々は過ぎ、いよいよ帰国の日になった。
彼は、私との別れが耐え切れないらしく、辛くて空港で私を見送ることが
できないと言われていたので、私は友達に空港まで送ってもらう事にしていた。
アパートに友達がやってきて、彼は私のスーツケースを車に積み込んで
私をハグした後、泣くのを見られたくなかったらしく、私が車に乗り込むと
後ろを振り返らずにアパートに消えていった。
空港には他の友達も来てくれていて、私はみんなと写真を撮ったりした。
みんなが見送る中、私は飛行機に乗り込んだ。
もう、この先は、旅行者としてしか、アメリカの地を踏むことはないかも
知れないと思うと、涙がどーっと溢れてきた。
そして私は、母と姉の待つ日本に到着した・・・。
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