ニャんコロ屋敷

ニャんコロ屋敷

意地悪マルコのお話




マルコは血統書のついた立派な親から生まれた猫ではない。
日本全国どこにでも居る 普通のキジトラ猫です。
マルコは生まれてまもなく 心無い人間に捨てられた 可愛そうな猫です。
かれこれ14年前、マルコは亀さんの弟の住むハイツの前の空き地にケーキの箱の中に入れられて捨てられていた。
箱の中には生後数時間しかたっていない 臍の緒がきれいに処理されず 胎盤の一部が残った状態の子猫2匹が寄り添って振るえていた。
弟はすぐ 亀さんの元に2匹を連れてきた。
亀さんの弟は いつも自分で世話をせず人に押し付ける無責任な奴なのです。
亀さんはこの2匹を引き受けることになった。  仕方なく・・・
亀さんはあまり猫が好きではなかった。
弟には貰い手を捜すようにと厳しく言っておいたが いい加減な奴だからそれほど期待はしていなかった。
どうせ 居なくなる猫なので 情がわいても良くないと思い 名前をつけずにおこう そのほうが情もわかないだろうし お別れの時も寂しくないだろうと思っていた。
押し付けられた2匹は雄と雌で とにかく臍の緒の始末をすることが先決だと思い 消毒をしてコッヘルで胎盤の根元を押さえてはさみで切って処置を終えた。
亀さんはこの2匹が親から初乳をもらっているのか とても気になった。
発見時の状態からして まず もらっていないと考える方が妥当だろう・・・
育つかどうかは この2匹の生きたいと言う意志しだいだろうと思った.
子猫の世話は 楽ではなかった。
4時間ごとにミルクを与え そしてお湯で湿らせたティシュでお尻のあたりを刺激してやらないと子猫は排泄ができない。
普通は母猫が舐めて排泄を促し 親が排泄物を食べてきれいにする。
この2匹には 母親が居ないので亀さんが親代わりとなっておこなった。
不思議なもので 子猫たちは亀さんの足音や声に反応するようになり まだ目も見えないのに 声のする方向にニャアニャア鳴きながら寄ってくる。
心の底からこの2匹を守りたいと思った。
亀さんはこの2匹の世話をしだして20日目に名前を付けた。
雄猫は海老天 そして雌猫は烏賊天と・・・。
2匹の目が開いてからは いつも 亀さんのそばで遊びそして眠っていた。
2匹が来て2ヶ月が過ぎた頃「貰い手が見つかった」と弟から連絡があり 弟が2匹をつれに来た。
その時 烏賊天がお腹をこわしてグッタリとしていたので海老天だけをつれて行ってもらうことにした。
それから 海老天は新しい飼い主さんにシャチと言う名前をもらって幸せに暮らしている。
今、どうしているかは分からないけど シャチがどこかの空の下で元気にそして幸せに暮らしていることを遠くから祈っています。
烏賊天の方は 我が家に残ることになり名前もマルコと改め今日にいっております。
マルコは綺麗な猫ではありませんが 今も私の傍らにあって 静かんな老後を過ごしています。
ところが・・・最近 ややこしい子猫の出現により 静かな老後が静かではなくなってきた・・・。
なんだか 雲行きがおかしな具合に・・・?
この続きはまた 別の機会に・・・。













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