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砂嵐


夜中、雑音に目を覚ますとテレビの画面には放送終了後の砂嵐が広がっている。
まだ目が完全には覚めていなかった彼はしばらくの間ぼんやりと砂嵐を眺めていたのだが、やがて彼の目の前で奇妙なことが起こった。
画面の砂嵐がだんだんと弱まって消えてしまい、代わりに大勢の人の名前がテロップで流れ始めたのだ。
何か大きな事故でも起きたのだろうか?
そう思いながら画面を眺めていた彼は、流れるテロップの中に自分の名前が入っているのを見つけてしまった。
その後もテロップは何の説明もなく延々と流れつづけ、最後の一人の名前が流れ終わると、画面はまるで何もなかったかのように砂嵐に戻っていった。
チャンネルを確認すると、ついているのはNHK。
背筋に寒いものを覚えた彼は翌朝になるとさっそくNHKに電話し、あのリストの正体を職員に尋ねた。
電話に出たNHKの職員の答えは簡単だった。
NHKでは放送終了後に受信料未払い者の一覧表を流しているのだという。

類話 砂嵐 その2
ある男性がテレビをつけっぱなしにして寝てしまった。
夜中、雑音に目を覚ますとテレビの画面には放送終了後の砂嵐が広がっている。
まだ目が完全には覚めていなかった彼はしばらくの間ぼんやりと砂嵐を眺めていたのだが、やがて彼の目の前で奇妙なことが起こった。
突然画面に髪の長い女性の姿がぼんやりと浮かび上がってきたのだ。
驚いた男性が見つめるなか、女性の姿はすぐにかき消されてしまい、画面はもとの砂嵐に戻った。
後で知ったことだが、放送終了後の砂嵐には時として幽霊が映ってしまうことがあるらしい。
彼が目撃したのも幽霊だったのであろうか・・・

類話 砂嵐 その3
番組放送終了後に流されるいわゆる砂嵐には、人間の精神を変調させる作用があることがわかっている。
あの砂嵐を30分見つめつづけた人は発狂してしまい、酷い時には死に至ることもあるというのだ。
あの砂嵐が画面に映ったらすぐにチャンネルを切り替えるか、テレビを消してしまうことをお勧めする。



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