松木幸夫 ギタリスト的思考

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Nov 27, 2009
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カテゴリ: 音楽
 どうでもいいことだが、僕はアンコールでよくタンゴアンスカイを弾く。

 それは僕がその曲が気に入っているということ、お客もそれを聴きたがっているということ、何しろこの曲は指慣らしなしに弾けると云うことが、大きな理由である。

 先日は、演奏会のアンコールでそれも弾いたけれどソルの月光を初めて弾いてみた。

 月光は、勿論ソルの命名ではないだろうし、僕としてはあまり月光という名前とこの曲のイメージは一致しないのだが曲自体は面白いので、よく弾いたりする。勿論弾くのはレッスンの時間だったり、練習の合間だったりするのだが僕は、本番の舞台で初めて月光を弾いたのである。

 実のところ、そのとき僕は渾身の気持ちを込めて月光を弾いたのである。勿論渾身というのは力一杯ということではなくて、丁寧に、表情豊かにである。表情豊かにということと、テンポを揺らすということは同義語ではないから、不必要な速度の揺れや、無意味な音色の変化を伴わない、僕が観る限りに必要な限りの表情を付けて弾いたものである。

 その演奏の反応については、僕は分からなかった。僕自身としては少し速めに弾いてしまったという思いがあるけれど、それ以外は思い通りに弾いたつもりであったが、その曲に関して、僕は誰からも感想を聞かなかったからそれが良かったのか悪かったのか、徴収の立場の人がいったいどう思ったのか僕にはさっぱり分からなかったのである。

 今日、レッスンの始め、生徒のギターの調弦をしながらアランフェスのあるパセージを弾いた所、そう、それは1楽章に出てくるトリルの連続の部分であり、僕が「ここは難しい所なんですよ」と云いながら音を間違えると「先日弾いたタンゴアンスカイではそんなところは完璧に嵌っていましたね」と答えてくれた。

 確かにアンコールではテンポは速かったけれど極当たり前に弾いてものであるが、それはアランフェスよりも随分と簡単なところなのだ。だからそこで僕が間違わないのは当たり前のことなのである。

 それ以上に、その生徒が次ぎに云った言葉が僕に突き刺さった。



 そうかあ、僕には月光は弾かなくてもいい曲だったのか、と思ってしまった。

 もしそれを弾こうと思うのならば、もっと美しい音といい演奏ができるようになってから取り上げればいいのだろうと、僕は反省しつつ、決心したのであった。





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Last updated  Nov 27, 2009 08:35:51 PM


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