椿荘日記

椿荘日記

箱根とマリ(箱根遠足日記)


大磯駅で十一時半に待ち合わせ、横風で車体が浮き上がるほどの西湘バイパスを抜けると箱根は直ぐです。
お正月の過ぎたこの週の火曜日は、道路も湯本駅周辺も閑散としています(それが希望で今日にしたのですが)。彼女のご主人はお店(飲食業です)をやっていて、火曜日の今日が定休日なので、タイミングがぴったりと合い、幸先は良し、です。
学校は違いましたが、部活動の交流会を通して知り合い、意気投合して、以来お付き合いが続いています。「女正月」がマリとそのお友達の、今回の箱根遠足のテーマです。

消息を尋ね合いながら、カーブの多い山道を行くと十二時過ぎには宮下に到着、マリの大好きな富士屋ホテルで昼食です。明治年間に、外国人旅行者を対象とし創業したこのホテルは、その伝統的な美しい建築で文化財にも指定され、内外に知られていますが、メインダイニング「ザ・フジヤ」で供されるお料理は、今や中央では衰微しつつある正当派のフレンチで、調度、什器、サービスと共に申し分ありません。
お友達はコース料理を、沢山食べられないマリは、自家製のパンとコンソメスープ(最高のお味です)、お勧めのコキーュ・サン・ジャック(帆立貝の殻焼き~ソースはオランデ―ズです。非常に美味でした)を、グラスのシャンパンと共に頂きました。

食後は、ロビーでコーヒーを飲みながら、二時間ほどお喋りをし(久し振りに会ったので、話すことが山積みでしたので。お蔭でアルコールもすっかり飛びましたが~苦笑)、お土産のパンとクッキーを買って、ドライブの再開です。
道中聴いていたのは、マーラーの交響曲第三番。長大な一楽章で知られるこの曲は、それゆえか、第八番とともに余り演奏されることが少ないのですが、去年のベルテイーニ(都響)の演奏会で聴き、好きになりました。
テンシュテット指揮のこの演奏も、「牧神」の髪のように豊かで思索に溢れ、起伏に富み様々な表情を有する、箱根の風景に重なり溶けていきます。

長尾峠からの富士山の眺めに感嘆し、大好きな仙石原の風景を車の中から眺め(何しろ、物凄い風と寒さで外にはとても出られませんでしたので。目の前に広がる枯れた薄の、疾駆する獣の背に似たうねりは、壮絶な美しさでした)。日頃は「クラシック」は余り聴かない友人も、この光景を見ながらのせいか、とても気に入ったようです。

幾分風も治まり、凪いで入るようにさえ見える相模湾を右に眺めながらの帰途、大磯プリンスホテルのラウンジでお茶を飲んで休憩して(またもやお喋りです)名残を惜しみつつ駅まで送り、お友達との邂逅と、久し振りの「好天」(霧が掛かっていたり、大風だったりがマリの「箱根の好天」です)の箱根で、すっかり回復したマリでした。

そう、書き忘れましたが、昼食後の運転はお友達に代わってもらいましたので、どうぞご安心を(笑)。



© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: