イランは大変だ



「イランは大変だ」と言っても、イランが大変なわけではない。
私にとってイランは大変なんです。

皆さんは、私が純粋に「イランが大好き」であり、しょっちゅう「イランに行きたいと思っている人間だ」とお思いですよネ?

ところで、イランに行こうと思えば、最低でも約13時間の飛行機の旅を覚悟しなければなりません。
しかもです。私は関西に在住しているので関西空港が便利なのですが、イランエアーは、私の都合などお構いなしに成田の発着便しか用意してくれてはいないのです。
夜が明ける前に起き出して、朝一番の飛行機で成田まで行き、5~6時間時間をつぶしてから13時間のイランエアーなんですネ。
要するに、家を出てからテヘランのホテルの部屋にたどり着くまでおよそ丸一日かかるのです。

関空からの発着便となると、トルコエアーなどという手もありますが、それとてイスタンブールで、行き帰りで計3日間のトランジットを余儀なくされてしまいます。

従って、何時落ちても不思議でない骨董品(747SPなどという、その昔パンナムが太平洋航路に一番最初に導入したジャンボと同型機であるそうな)に意を決して身を任せるはめになるのです。

そればかりではありません。イランに奇跡的に着いたは着いたで、これまたポンコツタクシーに乱暴運転、はたまた6時間の時差と低い気圧、薄い空気と戦わなくてはなりません。眠れない夜との付き合いなんですよネ。

また、夏は水あたりと称する発熱を伴う激しい下痢に襲われたりもします。例の鼻に取り付く頑固なやつもネ。
ありとあらゆる敵が襲い掛かってくるのです。

ここで、イランの食事があわない人は、まずイランを好きにはなれないし、金輪際「イランに行きたい」などと言う無謀な欲求を持つはめにはならないでしょう。
その国を好きになると言うときに食事の比重は大きいのですねェ。
かれらは、健全・健康に生涯を過ごされると思います。

私はと言うと、今まで海外で現地の食事で困ったことはありません。しかも、イランの食事も大好きときているのです。

かくして、ここから私の不幸がはじまるのです。

何故なら、私をして、しょっちゅう「もう行きたくない」と思わせる国がイランなんですから。

驚かれましたでしょうか?
まぁ、驚かれないまでも、「へェ~」ってくらいにはお願いします。少しばかりは力(リキ)入れて書いてますからネ。

でもネ。時々無性に行きたくなってしまうのですヨ、これが。
かくして、私、現在エントリービザの申請中です。ハイ。

「行きたくないのに行きたい」「行きたいのに行きたくない」これが、私の自覚症状のひとつです。厄介な病気でネェ。





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