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2010.04.23

陸の王者をなめとんのかぁ?!★「ゴジラ」（1984年）

(2)

カテゴリ：愛すべき（？）トンデモ映画

これね‥‥正直めっちゃ悩みました。
「トンデモ映画」の範疇に入れてしまうことを‥‥
何せ、大ッ好きなゴジラ、しかも久々に悪役として登場したわけですからね。

でもね‥‥やっぱり全然負けてますよ。昭和29年の第１作には、いろんな点で。

本日の映画は、1984年（昭和59年）東宝の「ゴジラ」（監督・橋本幸治　原案・田中友幸　脚色・永原秀一）です。

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通信社伊豆大島支部の記者・牧（田中健）は、伊豆諸島沖で大嵐に見舞われ、
唯一生き残った漁船の船員・奥村（宅麻伸）から、
「嵐の中、巨大な生き物が船に近づくのを見た」という奇怪な証言を得た。
が、その証言をもとに牧が書いた記事は、なぜか本社で握りつぶされた。
一方、生物学者の林田（夏木陽介）は、警察病院に監禁同様の奥村から話を聞き、
彼が証言する巨大生物こそ、
30年前、東京を壊滅状態にした怪獣ゴジラではないかと疑い始めた‥‥

30年前、ゴジラに両親を殺され、その恨みから長じて怪獣研究者の権威となるも、
ゴジラへの恨みはもはや消え、むしろ今では親しみすら抱いているという林田博士の人物設定。
製作時にはまだ厳然とあった米ソ両国の軍事的牽制と、
「ゴジラをやっつけてやるから、わが国の核を使わせろ！」と頼む米ソ両国の身勝手さ。
その頼みを、世界唯一の被爆国かつ非核三原則を掲げる日本国の立場から、
きっぱりと断る三田村内閣総理大臣(小林桂樹）の潔さ。
このあたりは社会派全開で、面白かったです。
それと、中野昭慶センセイの特撮も、
なかなか見事でした。
原発でその恐ろしい姿を現わし、目玉をギョロつかせながら東京に上陸、
製作当時建設したばかりの有楽町マリオンや、新宿副都心の高層ビルを次々ぶっ壊し、
口から放射能を吐き、咆哮しつつ、天下無敵にのっしのっしと歩き、
走る新幹線の車両までおもちゃにしたあげく、乗客ごと無惨に叩き壊し、
東京中をあっという間に瓦礫の山にしてしまう様子は、迫力がありました。

しかし、不満も多いです。
まずキャスティング‥‥三田村総理役の小林桂樹サン、演技がちょっと濃すぎ。
「日本沈没」の田所博士じゃないんだから、もうちょっと抑え気味のほうがよかったです。
林田博士役の夏木陽介サン‥‥ほんとにほんとにゴメンナサイですが、
この役は最初に決まっていた平田昭彦サンのほうが、断然よかった。
（平田さん、この映画の製作中に病死されたんですよね‥‥ううう）
あと、イロモノを出しすぎ！
武田鉄矢のホームレス、かまやつひろしの新幹線の乗客、
この２人、ぜんっぜんいらない！　ゴジラ襲撃の緊迫感がブチ壊し！
宅麻伸も田中健も悪いけど、てんで影が薄い。
この作品がデビューから２作めの沢口靖子は、もうセリフも演技も歌も下手すぎて論外！
正直言うと、モイラはこの沢口靖子さん、「ゴジラ」で消えるなと思ってました。
だから翌年、NHK朝のテレビ小説「澪つくし」のヒロイン役に抜擢されたのには、
大いに驚きましたよ。（このドラマでもセリフ＆演技がド下手だったけど）

もうひとつの大きな不満は、「遊びすぎ」ということ。
前にも書いたけど、緊迫感のあるところで遊びが多過ぎます。
せっかくゴジラが久しぶりに悪役として復活したのだから、
もっとリアルに怖い場面を、たくさん作ってほしかったです。
あのラストも、なんかちょっと間抜けというか‥‥

総括すれば‥‥ 「陸の王者をなめとんのかああああ!!」です。
やっぱりゴジラは凶暴で天下無敵で誇り高く、
「ゴジラ」と聞いただけで、人間が震え上がるほど、恐ろしくなければいけません。

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最終更新日 2020.10.22 21:19:32
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■コメント

待たされ過ぎてお祭りに。

ITOYA さん

こんばんは。
1975年の最終作以来、復活を待たれること10年。日劇のゴジラ大全集を経て、復活委員会までできて、やっとついに復活した気持から・・・ついお祭りになってしまったと。
復活したのがうれしかったんですよね。
たしか今は無き「新宿コマ東宝」か「日劇東宝」（どっちか覚えてないんです…＾＾；）で観た感想は…
「武田鉄矢出過ぎ」でした。ただただそれが腹立たしくって…。別に武田鉄矢もかまやつひろしも「ゴジラ」には何の思い入れもないはずなのにっ。
（沢口靖子のEPは、特撮ファンなので買いましたけれど。）
で、その後冷静に観た感想は、ゴジラより、東京上空で爆発した核のほうが怖く描かれてるということでした。ゴジラは渡り鳥みたいな台風みたいな感じで。
その後、平成ゴジラを見るたびに、ストレスが徐々にたまっていきましたが、金子修介監督も同じように鬱積していたようで、ついに平成ガメラで、特撮ファンの溜飲を一挙に下げてくれたのでした。
そして、まさか沢口靖子が、現在のように、ここまで頑張るとは…。（先日も伊東四朗・三宅裕司と３人のコントの舞台を観てきました＾＾）
では。 (2010.04.26 00:29:56)

返事を書く

Re:待たされ過ぎてお祭りに。(04/23)

モイラ2007 さん

ITOYAさん、こんばんは♪いつもコメントありがとうございます！

＞たしか今は無き「新宿コマ東宝」か「日劇東宝」（どっちか覚えてないんです…＾＾；）

モイラはよみうりホールの試写会で観ました。
司会はなんと所ジョージでした。

＞「武田鉄矢出過ぎ」でした。ただただそれが腹立たしくって…。別に武田鉄矢もかまやつひろしも「ゴジラ」には何の思い入れもないはずなのにっ。

本当になんで武田鉄矢なのか、理解に苦しみましたね。
客席からは笑いが漏れていたけど、モイラは全然笑えず、
「邪魔だ、ひっこめ！」とイライラしました。

＞そして、まさか沢口靖子が、現在のように、ここまで頑張るとは…。（先日も伊東四朗・三宅裕司と３人のコントの舞台を観てきました＾＾）
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ほんと、沢口靖子のその後の活躍には驚きでしたね。
それにしても‥‥嗚呼、平田昭彦さんに出ていただきたかった！
小泉博さん、田島義文さんといった
往年の特撮出演陣には感動しましたが。 (2010.04.26 17:16:11)

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