★モイラの名画座★

< 新しい記事

新着記事一覧(全1143件)

過去の記事 >

2020.10.08

英国コメディ界のビートルズが大活躍！★「モンティ・パイソン　人生狂騒曲」（1983年　英国）

カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評

こんにちは、映画狂のモイラでございます。

本日とりあげる映画は、「英国コメディ界のビートルズ」と称された
シュールでおバカでインテリジェントなコント集団モンティ・パイソンの面々が繰り広げるオムニバス作品
「モンティ・パイソン　人生狂騒曲」
（原題："The Meaning of Life"）でございます！

【新品】モンティ・パイソン/人生狂騒曲 [Blu-ray]

冒頭は短編映画「クリムゾン　老人は荒野をめざす」。
終身雇用会社で、若い上司にこき使われている老人たちが、
突如反乱を起こして海賊となり、若い上司たちを次々殺し、
古い会社のビルが海賊船となって航海し、巨大金融界に乗り込み、大合戦を繰り広げるという
英国の終身雇用制度を痛烈に皮肉った内容です。

パート１は「出産の奇跡」母体を何とも思わない医師二人によるスケッチ。
今にも子どもが生まれそうな妊婦が大病院に入ってくるけど、
産婦人科医二人（グレアム・チャップマンとジョン・クリーズ）は、妊婦そっちのけで、
病院の管理者（マイケル・ペイリン）におもねるため、病院中のありとあらゆる高価な医療機器を持ち出す始末……
自身が医師で、最近の病院が機械だらけだと知ったチャップマンがひねり出した
権威ある大病院を皮肉ったギャグです。

パート１の後半「出産の奇跡2　第3世界編」は、カトリックの超子だくさんのド貧乏な家族が、
「すべての精子は大切」という曲の壮大なミュージカルを繰り広げたあと、
それを見ていたプロテスタントの男（チャップマン）が妻（エリック・アイドル）に、
自分たちが通う教会がコンドームの使用を許していることを、誇らしげに語るという
カトリックとプロテスタントの対立を皮肉った、これまた痛烈なギャグ。

そしてパート２は……ああ、もうやめましょう。
そこから先は観てのお楽しみです！

「人間の一生とは何ぞや？」という哲学的なテーマに
ナンセンスかつブラックなギャグで取り組んだ意欲作です。
随所に出てくるテリー・ジョーンズ（今年1月に亡くなりましたね）のシュールなアニメも
この一見おバカな映画を盛り立てています。

「モンティ・パイソン」シリーズをよくご存じない方は
まず日本語吹き替えでご覧になることを、強くお勧めします。
吹き替えの面々もそれは豪華ですよ！
グレアム・チャップマンが安原義人。
ジョン・クリーズが納谷六朗。
エリック・アイドルが広川太一郎。
テリー・ジョーンズが飯塚昭三。
マイケル・ペイリンが青野武。
テリー・ギリアムが飛田展男と来てますから……！

この「人生狂騒曲」は、カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞しています。
未見の方、今すぐレンタル店にGO!!です。

モンティ・パイソンあれこれ