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2024.01.21

愛した男が極道だった…★「極道の妻たち」（1986年　東映）

カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評

こんばんは、映画狂のモイラでございます。

今宵お届けする名画は、東映迫真の異色作

その名も…… 「極道の妻（おんな）たち」です！！

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関西最大の暴力団組織・堂本組の傘下である粟津組組長の妻・粟津環（岩下志麻）は、
刑務所入りしている夫・粟津等（佐藤慶）に代わって
組を取り仕切り、500人あまりの組員の面倒を見ていた。
環にはスナックでアルバイトをする妹・真琴（かたせ梨乃）がいて、
真琴はスナックの客として来た金回りの良い杉田潔志（世良公則）という男に口説かれ、
満更でもなかったが、姉の環からは不動産会社の跡取り息子との縁談をもちかけられ、
困惑していた。
数日後、真琴はグアムに一人旅に出かけ、ビーチでリゾート気分を味わっていたところ、
偶然杉田と出会い、彼に半ば強引にホテルの部屋に連れ込まれ、
背中一面に彫られた三匹の龍の刺青を見せられ、初めて彼がヤクザであることを知って愕然となり、
そんな彼女を杉田は無惨にも……！
一方大阪では、堂本組組長が病死し、
未亡人の堂本絹江（藤間紫）が、跡目を堂本組若頭の柿沼（岩尾正隆）に決まったことを宣言するが、
これを不服とした別の堂本組幹部の小磯（成田三樹夫）が組を離脱し、
それが元で、堂本組傘下の組織の雲行きがだんだん怪しくなり、
ついに二代目に就いたばかりの柿沼が殺され、
極道の妻たちも巻き込んだ、血で血を洗う戦争が始まるのだった……！

お志麻姉さん（と、モイラは勝手に呼んでます）の極道の妻っぷり、
凛として貫禄があって、何より美しかったですね！
お志麻姉さんは本当に着物がよく似合ってました……
この映画の衣裳合わせの時は、なんと60着もの着物を選んでいたそうです。

杉田を最初は拒否していたけど、
次第に愛するようになる真琴役のかたせ梨乃も光ってました。
カメラの長回しで繰り広げられる彼女と杉田役の世良公則の〇れ場は、本当にエロくて美しかったです。
かたせさん、胸が大きいから、モイラ、心底羨ましかったなあ……

総長の妻役の藤間紫さんは、もう言うことなし！
貫禄では完全にお志麻姉さんに勝ってます。

起承転結の転の部分で、お志麻姉さんが自分と同じ極道の妻になろうとしている妹役のかたせさんを
怒りにまかせて容赦なく折檻し、かたせさんも決してひるまず、姉と取っ組み合いの喧嘩をするシーンは
やはり長回しを使っていて、とても迫力がありました。
五社英雄監督の手腕が冴えわたっていましたね！
高田宏治氏のシナリオも構成が実にしっかりとしていて、
観客を飽きさせませんでしたよ。

この映画でお志麻姉さんは日本アカデミー賞・主演女優賞を受賞し、
かたせさんが優秀助演女優賞、世良さんが優秀助演男優賞をとっています。
実のところモイラは最初、顔だけ見ればやさ男の世良さんがヤクザ役などつとまるかと思っていたのですが、
どうしてどうして、なかなかの極道ぶりを発揮してましたね。

「極道の妻たち」は大人気を呼び、その後、10作品が作られました。
東映は最初、「極道の妻」は寅さんシリーズのマドンナのように
別々の大女優に演じさせるつもりで、一作目はお志麻姉さん、
二作目は十朱幸代さん、三作目は三田佳子さん、四作目はなんと吉永小百合さんを起用しようとしていたそうですが、
お志麻姉さんが一番似合ってるということで、結局彼女が四作目以降は主役を演じ続けたそうです。

「極妻シリーズ」面白いですよ！