★モイラの名画座★

< 新しい記事

新着記事一覧(全1118件)

過去の記事 >

2024年02月07日

無駄のないシナリオと演出！★「日本侠客伝」（1964年　東映）

カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評

こんばんは、映画狂のモイラでございます。

今宵お届けする名画は、もうかれこれ60年前の東映の人気シリーズ一作め

その名も… 「日本侠客伝」でございます！！

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

日本侠客伝 [ 高倉健 ]
価格：3,080円（税込、送料無料) (2024/2/7時点)

楽天で購入

時は大正。東京は深川木場……
古くから運送業を営む木場政（伊井友三郎）は男気はあるが、争いごとを好まぬ性分。
新興の沖山運送がやくざ顔負けの強引な手口で、馬力衆や材木問屋を引き抜いても、
見て見ぬふりをしていた。
やがて木場政は病死し、青島に出征していた辰巳の長吉（高倉健）が除隊して帰ってくると、
未亡人の姐・お柳（藤間紫）も従業員の鉄砲虎（松方弘樹）、赤電車の鉄（長門裕之）、ポンポンの繁（津川雅彦）、
元やくざで木場政組の客分の清治（中村錦之助）も、
長吉に組の小頭になってもらいたいと言った。
喜んでその役を引き受けた長吉だが、沖山仁三郎（安部徹）・剛造兄弟が経営する沖山運送のやり口は、ますます悪辣になっていくのだった……

この映画、シナリオがまず素晴らしいです！
書いているのは、のちに「仁義なき戦い」を手掛ける笠原和夫、
東映プログラムピクチャーの名手・野上龍雄、
同じく東映プログラムピクチャーの名手村尾昭のお三方ですが（このお三方は、モイラの亡き父の友人でした）
いやあ～、シナリオに全く無駄がない！
下手をすればドロ臭いだけドロ臭くなるやくざものを、
洗練された上質な作品に仕立てています。

監督は、「日本映画の父」と呼ばれた牧野省三のご長男・マキノ雅弘！！
いやあ～、雅弘氏の演出もシナリオ同様、全く無駄がないんですよね。
やくざ者の清治とその恋女房・お咲（三田佳子）との情感あふれるやりとりはしっとりと……
鉄と鉄火肌の辰巳芸者・粂次（南田洋子）とのラブシーンはうっとりと……（夫婦でノロけあっているんですよね。モイラ思わず名画座で笑ってしまいましたよ）
そして、一番の見せ場である殴り込みのシーンは迫力満点！
「うむむ……さすがはマキノ一族のサラブレッド！」
モイラは心の中で呟いていましたね……

モイラが先日、この映画のDVDを家で観ていたら、
大のやくざ映画嫌いの夫が、いつもなら完全無視してPCでゲームなどをするのですが、
はたとゲームの手を止めて、この映画を見入っていました。
そして映画が終わったあと、たったひとこと、こう呟いたのです。
「すげえなあ……」

やくざ映画を食わず嫌いしているそこのあなた、
この映画は素晴らしいですよ！本当に！

では、今宵はこのへんで、おやすみなさいませ……

★もっと日本侠客伝！！★