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Nov 17, 2024

蜂起した民衆★「光州５・18」（2007年　韓国）

カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評

こんばんは、映画狂のモイラでございます。

今宵は、44年前、お隣の国・韓国で起こった光州事件を題材にした名画
「光州5・18」

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1979年12月、パク・チョンヒ大統領が暗殺されたあとの韓国は、
「ソウルの春」と呼ばれる民主化ムードに包まれていて、
それは南の町・全羅南道の道庁所在地・光州市でも同様だった。
そんな光州の町でタクシー運転手として働くカン・ミヌ（キム・サンギョン）は、
秀才の高校生で、名門ソウル大学法学部を目指す弟ジヌ（イ・ジュンギ）と二人、
決して豊かではないが、平穏で幸福な生活を送っていた。
ミヌは、ジヌが通うカトリック教会の信徒で看護師のパク・シネ（イ・ヨウォン）に淡い恋心を抱き、
５月のある日、３人で映画を観に行ったが、
突然、上映中の映画館に、血まみれの若い男が悲鳴をあげながら飛び込んできて、
そのあとを軍人が警棒を持って追いかけていた。
ミヌたちは映画館の外を見て仰天……なんと大学生のデモ隊と韓国軍が衝突し、
学生達は軍人にめった打ちにされているではないか……！！
光州では軍によって戒厳令が発令され、「赤狩り」が始まったのだ！！
級友がデモ隊の大学生に間違われて、軍人に殺されたことを知ったジヌら高校生も、
涙ながらにデモ隊に合流し始めた。
元軍人でタクシー会社社長、そしてシネの父であるパク・フンス（アン・ソンギ）は、
軍の司令官と会い、どうか戒厳令を解いてほしいと頼むが、
軍部は全く聞き入れないどころか、町のど真ん中で長時間、民衆とにらみ合いをした挙句、
いきなり銃をとり、無辜の民に銃弾を何十発も放った。
5月18日、世に言う、光州事件の始まりだった……！

軍人たちが武器を持たない市民を次々と警棒で殴りつけ、血が吹き飛び、
ある者は虫けらのように銃殺されて、次々と道ばたで倒れるさまは、
凄惨なんてもんじゃない、まるで地獄絵図のようでした。
リアリティ満点の演出をしたキム・ジフン監督の手腕に、拍手です！
ミヌが、たった１人の家族である弟ジヌが、自分の目の前で銃で撃たれ、
さながら野戦病院と化した病院の一室で、電気ショックにかけられても蘇生せず
死亡が確認されたシーンは、本当に泣けます。
同じように家族や友人を無惨に殺された男たちが、元軍人のフンスを先頭に立てて、
武器庫から銃や爆弾を盗み、自分たちも武装して軍隊と闘うのですが、
その様子も本当にリアリティ満点です！　ものすごい迫力です！

モイラは十代の時に、光州事件をテレビのニュースや新聞で知りましたが、
その時に抱いた印象はただひとつ……
「韓国って、なんて恐ろしい野蛮な国なんだろう……！！」

自由と民主化を叫ぶだけで「アカ」と呼ばれ、国家に殺されるなんて、
世界に誇る平和憲法を掲げ、実際平和を謳歌するわが日本では、到底考えられない事件でした。
その恐ろしい野蛮な国に、後年何度も渡り、ついには短期ながら語学留学までするとは思いませんでしたよ。

本作品は韓国現代史の勉強にもなる、名作映画です。
観て絶対に、ぜーったいに損はありません！！

★光州事件を扱った映画あれこれ★