不安とプライドと自己嫌悪

不安とプライドと自己嫌悪

就職後・4年目~現在


その11月、あの男は退社した。

火種をまいたのはわたしだ。

もうすっかり鬱で、攻撃性とパニックとで頭がぐちゃぐちゃで、
毎日あの男に嫌がらせメールを送り、腕を切ってはその傷を見せた。
あの男はあの男で医者に通い、辛い日々を送っていたようだ。
それでも自分の医者に言われたことを守ってか、わたしの嫌がらせメールもそれなりに読んでくれた。
でももちろんわたしはそれでおさまらず、
あるときわたしはあの男のことを上司にバラしてやった。
上司から、課長・部長・本部長まで広がって、あの男は仕事環境のきつい部署に異動。
わたしにも異動の話がもちあったが、
その頃のわたしは激痩せ・自傷・鬱病ということで、まともに仕事のできる状態ではなかった。
だからなのか、異動は実現しなかった。
そのかわり、普段の6割の仕事しかさせられませんよ、早く治してくださいね、と言われた。

そんなことどうでもよかった。
あの男が目の前からいなくなる?(他ビルへの常駐だったのだ)
生きがいがなくなるような喪失感を覚えた。
それが7月。
そしてその4ヵ月後。どうやら就職活動をしていたらしいあの男は、スッパリ会社を辞めてしまった。
わたしと関係を持ちながら奥さんとの間に作ったお子さんが生まれて間もないって言うのに。

そんなことは忘れてしまいたいのだけど。
忘れられないし、もしかしたら深層心理では忘れたくないのかもしれない。


それ以来会社でのわたしは不審だ。
会社の飲み会には全く出ない。
事務席でも無駄口をたたかない。
お昼ごはんは更衣室で一人。
あんなに愛嬌を振りまいていたのに、昔は。

今はそうやって自分を保とうとしているのだ。


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