Honey in America

Honey in America

トラウマと過去


女性なら一度は、恋に落ちる相手、ちょっと悪い雰囲気が漂う人だった。

彼とはインターネットで知り合った。特に、誰かを探していたわけでもない。お互いひまだった。そんな時に出会った。

今まで付き合った男性とは、少し雰囲気の違う彼。ファーストサイト・・・彼は、とくにあたしのタイプではなかった。付き合ったことのないタイプだったからだろうか・・・なんとなく、あたしは彼に惹かれていった。

気づけば、初めてあった夜からほとんど毎日会うようになっていた。学校から帰ってきたら、彼から連絡があり・・・会いにいく。朝早くおきて、自宅に戻り学校へ行く。いつしか、彼の家から学校へ通うようになっていた。

毎日、毎日彼と会っていた・・・。けれど、平日だけだった。あたしは毎週末遊びに出かけるのが日課?だったので、始めのうちは平日だけあうというシチュエーションが苦ではなかった。あえて都合がよかった。

しかし、彼への気持が大きくなればなるほど週末はなにしているの?どうして、週末はあえないの?という不安な気持でいっぱいになった。問いただしても、友だちと遊んでいた。や、仕事だったの答えばかり。

そんな不安をもっと駆り立てたのが、バレンタインズデイだった。夜に彼の家へ呼ばれて、一緒に過ごしたバレンタイン・・・今でも鮮明に覚えている。いつもは、あたしを入れるためにドアの鍵をあけたら、そそくさと部屋に戻る彼。この夜はちがって、ドアを開けるとあたしを先に部屋へ向かわせた。いつもと違う?と重いながら、部屋へ入ってみると綺麗にメイキングされたベッドの上に、水色のテディベアとバラ一輪、カードを”Will you be my honey?”のぷーさんのバルーンがおかれてあった。あたしは、予想外の出来事に言葉がなかったほどうれしかった。

翌日、あたしは見てはいけないものをみてしまった。彼の机の上におかれたバレンタインカード。あたしからのものではない。ラブラブな内容だった。どうしてこんなのがあるの?一気に不安がつのってきた。あたしは、彼に質問をあびせた。。。

それからというもの、ことあるごとにあたしは彼に質問をあびせまくった。あるときは、女性ものの服がクローゼットにはいっていたり・・・。彼の2wayをチェックしたり。。。CALLERIDをチェックしたり。。。ある意味、ストーカーだったな。今思えば・・・。彼のインシュランスに彼女の名前が入っていたり。と探せば探すほど、問い詰める理由がいっぱいあった。あたしが何を聞こうとも、彼は・・・彼女はEXだから・・・で終わっていた。でも、インシュランスの手紙をある日あけてしまった。。。そこには、彼女が妊娠しているとわかる内容の文章がかかれてあった。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

頭がまっしろ。まさか、こんなことになっているとは。。。あたしは、どうしていいかわからなかった。

問いただす勇気がでず、妊娠にはふれなかった。彼も、こんなヒステリックなあたしに嫌気がさしていたのだろう。あたしたちは、次第に会わなくなっていった・・・

ここまでのドラマ・・・弱冠であって2ヶ月でおこったことのすべて。すべてを受け入れ、あたしが悪かった、彼が悪かったって・・・すべてのことを受け入れるほど精神的につよくなかった。あの当時は・・・。

本当に大好きで、嘘でいっていたんだろうけど。彼から将来の話をされたときは真剣にうれしかった。こんなに幸せでいいんだろうかって思うほど。彼女から彼を奪いたかった。出来ることなら・・・あたしがすべてに目をつぶっていれば、あのままお互い付き合っていけたのかもしれない。

でも、あたしは考えた。こんなに辛くて悲しい思いをしても、彼は何一つとして・・・あやまってってくれたことはないように思う。大丈夫だよってことも・・・。あたしが、ここで身をひけば、彼女と彼女の子供は幸せに過ごせるだろう。。。辛いけど、あたしが身をひいて我慢すれば。ってあるとき思った。

簡単に出せた答えではなかった。いっぱい泣いたし、いっぱいいろんな人に相談した。最後の最後まで悩んだ。でも、あたしにはこれ以上泣いたり傷ついたりすることができなかった。そこまでして彼をつなぎとめることはできなかった。

彼に泣いてすがった時もあった。でも、彼には冷たく言い放された。”I dont know”ほんとうに、冷たかった。ある意味、その彼の一言があたしを前にだす勇気をくれたのかもしれない。

あたしは、彼との別れを決意した。毎日泣いて泣いて、目を晴らしていた日々にさよならする決意をした。

その決意からしばらくは、立ち直ることはなかなか難しかった。たくさんの友だちとたくさん楽しいことをして忘れようとした。

そんな悲しい別れを選らんだあたしの辛さを彼は理解していなかったんだろう。あの辛い別れから、数週間後彼は何事もなかったかのように電話をしてきた。あたしが、あの泣いてすがった時のままの気分でいると思ったのだろうか・・・。普通にあたしに電話をしてきて、今から来ないか?と問いかけた。

あたしはもちろん、行かないと断った。これが彼と最後に交わした会話だった。





© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: