Migliore!モンテディオ山形

2006総括(毎日)


 サッカーJ2のモンテディオ山形は今季8位に終わり、J1昇格はならなかった。今季からチームを率いた樋口靖洋監督は開幕前、「躍動感のある攻撃的なサッカー」を掲げたが、守備に安定感を欠き、シーズンを通して好不調の波が大きく、結果を出すことはできなかった。今季の戦いぶりを振り返るとともに、樋口監督に来季へ向けた課題を聞いた。【林奈緒美】

 ◇攻撃、レアンドロに頼り過ぎ

 ◇守備に安定感欠き、失点の多さに泣く

 05年のシーズンに「決定力不足」を指摘され、樋口監督は今季、攻撃的なサッカーを目指した。新加入のFWレアンドロはJ2で3番目に多い23得点を挙げる活躍を見せ、チームの総得点は68と、05年の54を上回った。しかし、総得点の3分の1を占めたレアンドロに頼り過ぎていた感は否めない。

 また、チームの足かせとなったのが失点の多さ。全48試合で失点は57。無失点で抑えた試合は、わずか12試合にとどまる。特に第1シーズンは、攻め急いでカウンターを食らい、失点するというパターンが多く、開幕から7試合連続で勝ち星なしという状態が続いた。

 樋口監督は「レアンドロ以外のFW選手の最多得点は6点。J1昇格を狙うなら、チーム内にもう1人、二けた得点できる選手がいなければ。MFの選手の得点が少なかったのも予想外だった。守備面については、開幕前のキャンプで選手を見て安心し、それまで守備に重きを置いていた選手にダイレクトプレーを求めすぎた。極端に戦術を変えてしまい、それが最後まで響いた」と分析する。

 第2クールは、攻撃と守備のバランスに修正を加え始め、7勝3分け2敗と、最も安定感のある成績を残した。しかし、第3クールの8月26日を境にチームは勝てなくなった。10月14日のコンサドーレ札幌戦を1-1で引き分け、7試合を残してJ1昇格の可能性が消滅。「白星なし」は10試合続いた。

 樋口監督はこの時期を「内容と結果が伴わない試合で苦しかった。ボールを持っている時間は長いし、選手はあきらめずに全力でプレーするいい試合だっただけに、なぜ勝てないのか分からなかった」と思い返す。10試合中、2点以下のロースコアでの引き分けが6試合、1点差負けの試合が3試合と、終盤に追い付いても逆転できない勝負弱さを露呈した。

 ◇樋口監督「勝つチーム作る」

 勝てない試合が続いた後のザスパ草津戦では、観客動員数が今季最低の2236人を記録した。それまで「勝敗よりも大切なのは、見ている人がワクワクするようなサッカーを提供していくことだ」と語っていた樋口監督だったが、「サポーターだけでなく、県民が誇れるようなチームになるためには、やはり勝たなければいけないのだと改めて感じた」と言う。J1昇格はなくなったが、チームはザスパ戦を境に立ち直り、最終戦まで4連勝した。

 「第2シーズンごろから、選手たちが自ら、瞬時に何が必要かを理解してプレーするようになった。まだまだ未完成なチームだが、理想としたサッカーに近づいてきている」と樋口監督。ただし、失点数の多さやレアンドロ頼みの得点力など、戦術面だけでなく、選手の補強など運営面での課題も山積みだ。

 樋口監督は、各ポジションに2人以上の選手を置いて競わせるのが理想だと言う。しかし「チーム編成は大切だが、(財政面を考えると)ない袖は振れない。現在いる選手たちの個性を伸ばしていくとともに、山形でサッカーをやりたいという若手選手たちのレベル向上に期待したい」と話した。

 来季の目標については「相手に先取点を与えず、選手が攻守の切り替えを素早く的確に出来るようにしたい。勝つためのチーム作りをしていく」と、J1昇格への再挑戦を誓った。

 ◇収入不足1億2400万円--入場料は見込みの半分

 モンテディオ山形を運営する県スポーツ振興21世紀協会は今年度、約1億2400万円の収入不足になった。1億5600万円を見込んだ入場料収入が半分の7500万円となる見通しとなった。

 山形は今季、苦戦が続き、観客動員が伸び悩んだ。会員収入も1億2300万円で、見込みより4700万円下回った。

 同協会は今季、全体で約6億9800万円の収入を見込んでいたが、5億5100万円にとどまった。支出は6億7500万円。来季は特別預金約1億円の取り崩しなどで対応する。同協会は「昨季まで2年連続で昇格争いを続け、今季はJ1に上がれると見越した強気の予算だったが、裏目に出てしまった」と説明している。【釣田祐喜】

毎日新聞 2006年12月15日


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