まいちゃんへ




真夜中にふと 誰かを探すような声
私の呼びかけに振り返り 甘えた仕草を見せる小さな体
その小さな体に刻まれているのは
どんな記憶?

あの日あの時 君を抱き上げた事
あんなに遠く離れた場所から
連れ帰った事

あの瞬間に
全てが始まったけれど

あの瞬間に
奪ったものがある

それは
私達以外と
暮らしていたかもしれない未来


与えているようで
愛しいその小さな体から 毎日 受け取っているもの
ただそこに存在し 共に過ごせるという幸せ

優しく抱き上げても その体に触れても
君の探す誰かには
私はなれないのかもしれない

奪ってしまったもの以上のものを
与えてくれるもの以上のものを
君にあげたい



君が 
私の手から 感じ取ってくれているものは何だろう

ただ一度 本当の言葉が聞きたい

幸せだと
ほんの少しでも感じてくれていたらいいのに






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