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中学生の頃のある日。部活が終わって、家へ帰ろうとした時。ひとりの男の子に、呼び止められました。見ると同じ美術部の同級生。「あの…。」「は、はい。」「あの…一緒に帰ってもらえますか。」「は?」何?何なの?同級生だし。別にいいけど…。「はあ、いいですよ。」あまり話をすることはありませんでしたが。なんとなく一緒に歩いて。そろそろ家に着くという頃。「ありがとう。」「はあ…。」ありがとう?さよなら…じゃなくって?なんだかよく分からないままお別れして。次の日学校へ行って、全ての謎が解けました。その男の子、突然転校することになったのです。その日が最後の日。油絵を描くのが得意だった彼。最後に一枚の水彩画をくれて。きっと将来は有名な画家になるんじゃないかって、皆で噂していたのですが…。世に名前が出てくるのは、まだ先のことなのでしょうか。
2009.06.01
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中学生の頃。調理実習の課題は、プディング。カラメルソース作りが、ちょっとしたヤマ場。「油断すると焦げ付くので、気をつけてください。」以前フライパンにカラメルソースを焦げ付かせて、大変な思いをして洗ったグループがあるという話を聞かされ。こういう話を聞くと、必ず同じ失敗をしてしまうんですよね、私って。嫌だなあ。なんて思いながら、誰かがソースを作ってくれることを期待して。…なのに、何故かみんなの視線は私に。えっ。いやいや。私、作らないから。そんなに上手なわけじゃないし。でも、作っちゃうんだな。そして予想通り、失敗しちゃうんだな、これが。「あーあ。」どうするんだ、これ。真っ黒なお砂糖の塊が、フライパンにへばりついてるし。先生がおっしゃったとおり、洗っても洗っても取れやしない。ゴシゴシ擦っても駄目。お水につけておいても駄目。もうヤケクソになった私。お湯ならいいだろ…と、フライパンに水を張って、ガスレンジであっためて…。そしたらば。まあ。こびりついていた真っ黒なお砂糖。見事に…綺麗に…溶けてしまいましたのよ。「おおーっ。」冷静に考えてみれば簡単なこと。油汚れを油で落とすのと同じですわよ。ん…ちょっと違うか。でもまあ。フライパンを駄目にしなくて良かった。カラメルソース作りで失敗しちゃったら、試してみてくださいな。
2009.03.11
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最近行った雑貨屋さん。可愛いチョコレートが並んでいて。あ。もうすぐ、バレンタインだ。この季節になると、中学生の頃を思い出します。朝からクラスの男の子は、なーんとなく、そわそわして。何気なく机の中を覗いたり…。私はなんだかその日は、男の子たちと目を合わせてはいけないような気がして、始終うつむき加減。実際チョコレートを貰う男子なんてほとんどいなくて、貰わない男子のほうが多かったように思います。机の中に入っていなくっても、ほら、まだロッカーがあるじゃないですか。そう。中学校では昇降口に個人のロッカーが並んでいて、部活の前後に、皆自分の荷物を出し入れする。なので、ロッカーのほうが、チョコレートが入っている確率が高いかもですわよ。…で、放課後。うーん。やっぱり思ったようにはねえ。この日は最後まで、男の子を見てはいけないのよ。バレンタインデーって、ちょっと残酷よね。なんて思いながら、自分のロッカーを開けると。ん?なんだ、これ。中には小さな包みが。「はら…チョコレート…?」ええっ。私に…ですか。なぜ。私、女の子なんですけどお。もちろん贈り主は女の子。あ…と言っても、深い意味があるわけじゃあありませんよ。ただのお遊びです。なんとなく視線を感じて、周りをみると。おやまあ。羨ましそうな男の子たちが。ご、ごめんあさーせ。とてもその場に居られなくて、そそくさと逃げ帰ったわたくしでございました。 ←ポチッと押していただけたらとっても嬉しいです
2009.01.22
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中学生の頃。毎朝、近所に住んでいた友人と一緒に、学校へ通っておりました。ある日のこと。ふたりで歩いていると、後ろから声をかけられ…。「おはよう。」「…?」振り返るとそこには、ひとりのおじさまが。ニコニコ笑って、友人に話しかけます。「覚えてる?」「は?……」「君のお母さんの親戚なんだけど。」「はあ…。」なんだか慣れ慣れしく、どんどん話しかけてきて…。私はすっかり、その方は親戚のおじさまなのだと思い込み。気を利かせたつもりで、道路の反対側へ移動。学校へ着く頃。「ひどいじゃん。置いてかないで。」「えっ。だって、親戚のおじさんでしょ。悪いと思って…。」「ううん。全然知らない人。」「ええっ。」そのおじさま、彼女に、放課後駅で待ってるから…と言い残して、去っていったらしく。「それって…やばくない。」「うん。そう思う。」そんなことなら、道路の反対側なんかへ行くんじゃなかった。これは大変…。学校へ着くと、ふたりで体育の先生に報告を。先生、一応家に電話して確かめましたが、やっぱり知らない人でした。彼女から詳しい話を聞いて。「放課後はとにかく、駅へ行かないように。後は先生達に任せて。」「はい。」おおっ。なんて頼もしい。そして放課後。帰路についた私たちは、駅の様子がいつもと違うことに気付きました。駅って…私の家から、よーく見えるんですよ。んん?なんだかよく知ってる方々が、あちこちをウロウロと。「先生じゃん。…しかも、あんなに。」その日一緒に帰った友人。その様子を見て。「凄いね。」彼女はなんだかホッとしたように、私には見えました。それにしても、一生徒を守る為に、あんなに真剣に動いてくださるなんて。当時の私には、目の前の光景が眩しく思えてしまったのでした。
2008.10.22
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中学生の頃。ある夏の日。その日は、町内会主催の夏祭りの日でした。例年、うちとは少し離れた空き地で行われていたのですが、その年はどういうわけか、我が家のまん前にあった空き地で行われることに。今は駐車場になっているその場所。当時はまだ何もない空き地で、子供たちの遊び場になっていました。「えっ。今年はここで?」「そうなのよ。向こうは幼稚園が建っちゃったでしょ。」「ああ…そうだったね。」人が集まるのを見てるのは、嫌いではありません。なんとなく、嬉しかったりして…。その日は朝から、準備の音で外は賑やか。「トン、トン、トン。」ステージを作る音も、私には心地いいリズムに。そのうち今度は、音楽が鳴り始めました。町内に夏祭りを知らせる音楽。当然ボリュームも大きく。「ん?」しばらく聴いていた私。なんだか、おかしい。さっきから、同じ音楽が流れてるんだけど…。そうなのです。流れているのは、夏にふさわしいあの(どの?)音楽。同じ曲を何度も繰り返して聴くのは、結構好きだけど、でも限度というものがねえ。しかもスピーカーが高い位置に設置してあって、どう考えても、私の部屋の窓にまともに音があたってる。まさか誰かの嫌がらせじゃないよね…と、思い当たることを思い浮かべてみたりして…。いやいや、違う違う…違うでしょ。これってもしかしたら、この曲しか準備してないとか…。うそ…冗談じゃなくて?そう。それは冗談でも何でもなくて、どうも本気だったようで。結局その日は朝から晩まで、全く止まることなく、ある一曲だけを聴き続けることになってしまった私。ううっ。いまだに、その曲はちょっと…拒否らせていただきますわ。
2008.09.03
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私が通っていた中学校の制服は、紺色のセーラー服でした。夏服は、白に紺色のセーラー襟。長袖、半袖、2種類あります。冬になれば、制服の上から、指定のコートと厚手の防寒着を着用してもいいことに。そこまでは、普通。…と思っていたのですが、実はずっと後になって、制服の上にコート類を着てはいけない…という学校が意外に多いということを知って…。「制服の下はいいけど、上はダメだったわよ。」「へえ、そうなんだ。」「随分ものわかりのいい中学校ね。」「うーん。雪が降るからかしらねえ。」大学生になって、友人に驚かれたことを覚えています。でも、彼女が驚いたのは、それだけではなく。「スラックスもあったんだけど。」「ええっ。そ、それはいくらなんでも、聞いたこと無いわ。」「あら、そう?」そうなのです。セーラー服のスカートの代わりに、スラックスを着用してもいいことになっていて。当然それは、制服として認められていました。中学校の制服を扱うお店に、セーラー服用のスラックスが何十着と並んでいる光景は、きっと珍しかったりするのでしょう。「それは冬の制服なの?」「ううん。夏でもスラックスの人、いたけど…。」「…夏のセーラー服にスラックス…?」「そう。」「全然、想像できない。」あら、そうなのね。あれって、不思議な制服だったのね。でもね、女性といえども、中にはスカートが苦手な人がいたりするんです。…実は私の友人なのですが…。彼女は小さいときから、スカートをはくことがほとんどなく。「中学校へ行ったら、どうするんだろう。」といらぬ心配をしていたら、しばらくスカートをはいてきた後は、3年間ずっとスラックスで通しました。当時の私は、そのことを変だとは思わず。後になって「変だ」と言われて、そうなのかなって思う程度。今になってよくよく考えてみると、私たちの中学校って、随分斬新な考えを持った学校だったのでは…と思ったりするのですが…。
2008.08.29
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中学生の頃のある夏の日。家族で立山登山に行くことになりました。立山はいわゆる霊山で、昔は女人禁制の山。ある年齢に達した男の子が、必ず登らなければいけない山だったようです。雷鳥や高山植物が生息しているので、マイカーは乗り入れ禁止。途中からバスに乗って、登山口である室堂平へ向かいます。排気ガスの影響がほとんどないので、空気がとっても透明で気持ちがいい。本当の自然って、きっとああいうのを言うのでしょうね。御来光を拝むのが目的だった私たちは、室堂平で一泊。まだ夜中のうちに、頂上へ向かいました。ところが、頂上へ向かうにつれ、どうも日の出に間に合わなくなる予感。「あなた、先に行っていいわよ。」先に行くことを許された私は、ひとりでトットコトと。ラッキーなことに、途中、登山のフル装備をしている女性ふたりを見つけたので、後を付いていくことにしました。しばらくは道のようなところを歩いていたのですが、そのうち何故か岩場をよじ登ることに…。「えっ。こんなところ…大丈夫なの?」後から来るであろう家族が、こんなところを登れるのだろうかと心配してしまうような、断崖絶壁。私も気を抜くと、足を滑らせてしまいそうです。それでもなんとか頂上へ。残念ながら御来光を拝むことは出来ませんでしたが、眼下に広がる雲海と昇ったばかりの太陽が、それはそれは美しく…。遅れてきた家族と合流して、今度は一緒に下山することに。しばらく歩いて気が付きました。「あれ?…こんなちゃんとした道があるの?」「は?何言ってんの。この道しかないけど。」「んん…?」じゃあ、私が登ってきた道は、いったい何だったの?もしかしたらあれは、登山道でもなんでもなくて、あの女性たちもよく分かってなかったんじゃないだろうか。…ずっと後になってそう考えて、思わずゾッとしてしまったのでした。
2008.08.26
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今日、珍しい数字が揃いました。44444番目にアクセスされたのは、「mimipo2754」さんでした。惜しかったおふたりには、前後賞を差し上げます。あ…といっても、賞品があるわけではありませんよ。くすくす。ありがとうございました。 44445 2008-07-18 11:03:41 EZwebさん 44444 2008-07-18 10:58:27 mimipo2754さん 44443 2008-07-18 10:55:22 ○*:+。ΜΙΝΑΜΙSΑΙΕΝ.....φ(...さん 中学生の頃。美術部に所属していた私。美術室は校舎の一番端っこにあって、体育館へ行く渡り廊下をはさんで、音楽室がふたつ。そのうちのひとつ、階段教室になっている音楽室は、吹奏楽部が使っておりました。吹奏楽って、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、なかなか楽器に触らせてもらえない。一年生はひたすら、リードやマウスピースを持って、プカプカと音を出す練習に励むのです。この音がですねえ…何と言いましょうか…物凄い音なのですよ。オーケストラのチューニングを、ご存知でしょうか。あれが、延々と続くわけです。特に暑い夏、窓を全開にしていると、それはもう…。「おおっ。びっくりした。」「始まりましたね。」「…どうでもいいけど、どうしてこっち向いて吹くの?」「さあ…。」一斉に壁に並んで吹かれるものですから、当然音は、その向かい側にある美術室に飛び込んでくるのです。「うー。環境が…。」「静かな場所で絵を描きたいー。」「せめてこっち見ないで。」吹奏楽部員の視線にさらされながら、絵を描くことの辛さといったら。思わずイーゼルを持って、向こうの端に移動する私たち。挙句の果てに彼らは、リードを整えるためか何か知りませんが、水で濡らしたリードを窓にペタッと貼り付けて、なにやら作業を。「だから、何で美術室?」「音楽室の窓って使わないの?」「とても真面目に部活動をしてるようには、見えない。」部活動の時間が終わる頃、彼らも静かになります。油絵の具とクロッキーブックを抱えて、音楽室の前を通ると、美しい音楽が…。そうなのです。最後の10分間だけ、やっと吹奏楽団の演奏になるのです。「あれで、毎年賞を取るんだから、なんだか納得できないわよね。」そう言いながら、こそこそと音楽室の前を通って。やはり、賞を取るような人たちには逆らえない、弱い立場の私たちなのでした。…賞つながりのお話をしてみました。
2008.07.18
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3泊4日の修学旅行を終えて、しばらく経ったある日。廊下に、修学旅行の写真が貼り出されました。それぞれに番号が付いていて、欲しい写真を申し込むことになっています。6クラス分の写真となると、その数も半端じゃありません。「うー、疲れる。」「もう何が何だか…。」そこへ、後ろから呼びかける人が。「ねえねえ。」「はい?」「悪いんだけど、この写真もう一枚買ってもらえない?」「は?」指差された写真をよくよく見ると、それは、私とある男の子とのツーショット。なんだこれ。しかも何でツーショット?写真屋さんが、面白がって撮ったとしか思えない。「この子の写真が欲しいんだけど、彼女が恥ずかしくて買えないって…。」「ええっ。」視線の先には、期待に満ち満ちた同級生の姿が。へえー。そうなんだあ。でも私が二枚買ったら、ますます怪しくないですか?…なんて意地悪なことは言いません。「いいよ。」快く返事をすると、すかさずそのお友達、私に聞いてきます。「どうしてこんなに仲がいいの?どういう関係?」「はあ?」突然そんなこと聞かれて、私は一体なんて答えればよろしいの?確かにその写真、とっても仲良く二人が話しているように、見えないこともありません。ですが、はっきり言いますが、彼が一方的に喋ってるだけで、別に私と話してるわけじゃありませんから…。うーん。それにしても、彼は随分かっこよく写ってます。これってもしかしたら、彼女が買ったあと、はさみで切られて、私の部分を捨てられる…とかじゃないよね。なーんて、いろんなことを考えた末。「なんの関係もありません。」「あ、よかった。」嬉しそうに去っていく方々。よかった…って。他に言い方はないの?写真、買ってあげないわよ。ふふん。もうちょっと、意味ありげな答え方をしとけばよかった…。その時、私の心の中の悪魔がつぶやいたのでした。
2008.06.12
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中3の修学旅行は、広島・神戸・京都といった、関西方面への旅行。3泊4日の旅行で、途中具合が悪くなった場合は、先生がひとり付いて、即家へ帰ることになっていました。こういう時必ずと言っていい程、具合が悪くなってしまうんですよね、私って。先生にとっては、とっても大変な生徒です。当時私は、班長兼クラスの責任者。当然、一番具合が悪くなってはいけない立場です。1日目の行程が終了して、とてつもなく疲れを感じてしまった私は、一緒に行っていた看護師さんに体温計を借りて…。あーあ。38度もあるし。どうしましょう。でもその日の班長会議があったので、そのまま何食わぬ顔で出席を。「…以上、連絡事項は終わりです。」「あ。」「何でしょう。」女性の英語の先生が、手を挙げておっしゃいました。「A組の○○が、38度の熱を出しているそうです…。」「えっ…。」恐ろしい事に、皆の視線が一斉にこちらに集まって。「やばっ。」「ええっ。…あなた、どうしてここにいるの。すぐ部屋に戻って、副班長をよこしなさい。」「は、はい。」しまった。迂闊でした。看護師さんから、先生に連絡が行ったのでしょう。部屋に戻って大人しくしていると、先程の看護師さんが、体温計を持って現れました。熱を測ると、やっぱり38度。「うーん。別室に移動してもらう事になるけど…。」看護師さんがそうおっしゃったとき、周りで心配そうに見ていた友達から、思いがけない言葉が…。「私たちが看病するから、連れていかないで。」「このままここに、寝かせておいて。」「お願いします。」「うーん、分かった。じゃ、あなたたちに任せるから。明日まで様子をみましょう。」驚きました。友達にそこまで言ってもらえるとは、思ってもいなかった私。何が何でも、明日までには熱を下げなければと…。これが、下がっちゃうんですね、不思議なことに。懸命に看病してくれた、友達の力でしょうか。それとも…まさか知恵熱…。
2008.06.06
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中学生の頃、私は美術部に所属していました。ほとんど毎日、油絵を描いていたわけですが、この油絵の具、制服に付いて時間が経つと、取れなくなってしまうのです。中学校の制服はセーラー服。冬服は紺で、夏服は白。この夏服には、長袖と半袖2種類あって、どちらを着てもいいことになっていました。ある夏の暑い日のこと。部活が終わって、片付けをしていました。ひとりの先輩が、美術室の後ろにある流し台で、ジャージャー水を流しながら、何事かを…。「先輩。何してるんですか?」「ああ、これね。」後ろから覗いた私たちは、びっくり。「ええっ。……いったい何を…。」「制服を洗ってるのよ。」「あ、洗ってる?」私たちが驚いたのも、無理はありません。なんと先輩、制服を着たままの状態で、夏服の長袖の部分を、ゴシゴシ洗っているのです。「なぜ、こんなことを?」「だって時間が経つと、油絵の具、取れなくなっちゃうでしょ。」「はあ…。」「油絵の具付けて帰ると、母親に叱られるのよ。」「はあ…。」確かにその先輩、油絵の描き方が激しくて、白い袖にいつも点々と油絵の具が…。「でも冷たくないですか?」「ああ、大丈夫、大丈夫。」「濡れたまま、帰るんですか?」「そう。 …夏だから、このまま自転車に乗って帰れば、家に着く頃には、丁度乾いてるのよ。」ええーっ。このまま、自転車に乗って帰るんですか。思いがけない行動に、驚いてしまいました。やはり芸術を志す者は、普通の考え方をしていてはいけないのでしょう…。私たち後輩が、先輩を尊敬した一瞬でした。
2008.05.12
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今はまだ、高校の卒業式の真っ只中でしょうか。それが一段落したら、今度は中学校・小学校の卒業式になってきますね。卒業式のシーズンといえば、付いてくるのが花粉症。嫌ですねえ。私は中学生の頃から花粉症になり始めて、いまだにこの時期になると悩まされます。当然、自分の卒業式の日も、朝から鼻水グシュグシュでした。しかも体育館は冷えてます。冷たい空気がまた鼻を刺激して、余計に鼻水がひどくなるのです。「グシュッ、グシュッ。ああ、辛いー。」それでも校長先生のお話ぐらいまでは、なんとか我慢してました。でも一度鼻をかむと、もう後は止められません。「ううっ。グシュ。ずるっ。」多分その様子は、まわりの方々に、大きな勘違いを生んでしまったのでしょうねえ。私は卒業時A組だったので、いちばん右端に座っていたのです。そして卒業生の塊の右横には、保護者席が…。つ・ま・り、私の右横には、保護者様の集団がいらっしゃったのでございますよ。あの方たちって、卒業式にいったい何を見にいらっしゃってるのでしょうか…。誰かが「グシュッ。」って鼻をすすると、一斉にそちらに目を向かれて、コソコソとお話になるのですが…。私は端にいたので、よーく聞こえてしまいました。「○○ちゃんよ。」「ああ、あの子がね。」「○○さんのお子さんだわ。」「あら、泣いてるなんて、可愛いわね。」ううっ。そんなこと言われたら、泣くに泣けない。そう思えば思うほど、私の鼻水はひどくなり、案の定保護者様の注目を浴びることに…。「あら、○○ちゃん。」ひえー。泣いているのではありません。花粉症です、花粉症。そんなに注目しないで。おまけに私の名前を連呼しないで。気になって、気になって…お陰で、初恋の方が卒業生代表の挨拶をされたのを、ほとんど聞くことが出来なかったではありませんか。おまけに、その挨拶に感動して泣いてるみたいに見られてしまったし…。まあ、それはいいとして。驚いてしまったのは、その後でした。なんとその日のうちに、都合で式に出席できなかった母の耳に、しっかり届いていたのです。私が号泣してたって…。何度も言いますが、花粉症です。恐るべし、保護者のネットワーク。
2008.03.04
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風邪をひいてしまいました。頭痛と吐き気に悩まされています。体調が悪い日には、ついつい中学生のときのキャンプを、思い出してしまいます。私が通っていた中学校では、毎年夏休みに入ってすぐ、学年ごとに日をずらしてキャンプに行きます。3年生がテントをたてて1年生と交代して、最後に2年生がテントを片付けて帰ってきます。1学年6~7クラスあって、その全員分(1グループ5,6人)のテントが揃っているわけですから、学校はすごい数を保有していたことになります。場所は、井上靖の「氷壁」の舞台になった穂高連山…の麓。360度北アルプスに囲まれた、それはそれは美しい白樺林です。山と空以外なにも見えない、まさに人里離れた異空間…とでも言いましょうか。そこに2泊するわけですが、そんな場所なので、怪我をしたり病気になったりすると、何時間も車で移動しなければいけない、という状況でもありました。「怪我をするなよ。病気になるなよ。」これが先生たちの諸注意の全てのようなものです。ところが2年生のとき、キャンプ初日から私は体調が悪く、今まで経験したことのない腹痛に襲われたのです。大体、修学旅行に行ったりすると、熱を出したり、貧血を起こして倒れたり…なんてことになる、迷惑な人なんですよね、私は。とにかく立ってられないほどの激痛で、思わず座り込んでしまったのですが、脳裏に、「病気になるなよ。」「車で何時間も…。」という言葉が甦って、必死に我慢していました。当時…考えられないかもしれませんが…私はクラス委員をしていて、キャンプの時も責任者になっていたので、とても具合が悪いと言い出せない立場にいた…というのもありますが。そのうち腹痛も治まったので、その後は普通に登山もしたし、走り回ってもいたし。無事にキャンプを終えて、里に下りていきました。でもやはり、時々腹痛が襲ってくるので、病院へ。するとまあ驚いたことに、盲腸炎になっていて、しかも腹膜炎を起こしかけていたのです。「これで、登山をしたんですか…。」その時のお医者様の呆れた顔を、忘れることができません。くすくす。私はそれほど驚いたりしなかったのですが、家族は、「この子は放っておくと大変なことになる。」と思ったらしく、この事件の後、何かある度に、「この人は、手が付けられなくなるまで具合が悪いと言わない人なので、気をつけてやってください。」と言ってまわるという、大変面倒なことになってしまいました。恥ずかしいったら…。
2008.02.18
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一気に年齢が下がってしまいますが、中学生のころのお話。寒い季節になると、いつも必ず思い出してしまう、悲しい話があります。悲しい…というより空しい…というか、どうしてあの時あんなことをしてしまったのだろう…みたいな。あれは忘れもしない中3の時、「校内マラソン大会」での出来事。1学年6クラス、一斉に行われるマラソン大会。男子女子共、体育系の部活動をしていた人には、何位以内にはいるように…というノルマが課せられておりました。当時私は美術部に所属していて、毎日脳が溶けそうな油絵の具の溶剤の臭いの中で、油絵を描く生活。マラソン大会などには、無縁でございます。なので順位などどうでもいい……はずなのですが、ところがどっこい、わたくし意外に走るのだけは速いんですのよ。えっ、逃げ足?……いえいえ、そりゃあもう逃げ足も速いですけど…。そういう話ではなく、マラソン大会です。中学生活最後のマラソン。その日はいつにも増して、快調に走っておりました。へばってきている方々を、抜いて抜いて追い抜いて。驚くほど順位を上げていい気になっていた、そのとき。あの声が聞こえてしまったのです。「だ、誰か。」「ん?」よくよく見ると、隣のクラスの方。友人とまではいきませんが、まんざら知らない仲でもありません。具合でも悪いのかと思って、近づいてみると…。「誰か、誰か、私と一緒に走って。」「はい?」「く、苦しい。一緒に走って。」誰に言うでもなく、もちろん私に言うでもなく、来る人来る人に声を掛けている様子。ところが体育系の部活動をされてた皆さんは、ノルマが掛けられているので、それどころではありません。うーん、私はノルマがある訳でもないし…。そう思ってしまった私は、スピードを落として、彼女のそばに。声を掛けて大丈夫そうなら、またスピードを上げるつもりでもいました。ところが…。グイッ。彼女に腕を掴まれてしまったのです。「えっ。」「一緒に走って、お願い。」「え?…え、ええ。」結局、彼女と並走することになってしまいました。しばらく走って、あと50メートル程でゴールというとき。そう、あの悲劇が…。突然スピードを上げた彼女。驚く私を残して、ひとりゴールへ。「…?」私はその後、耳を疑うような言葉を聞いてしまいました。「よかったあ。20位に入れた。ギリギリだったあ。」え?私には?私には何の言葉も…もしかしたら、ないのでしょうか。がっかりしている私に、更に追い討ちをかける言葉が…。「朦朧としてて誰か分からなかったけど、一緒に走ってもらえてよかったあ。」しばらく立ち直れなかった、中学生の私なのでした。
2008.02.09
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