三日月の夜にはミルクティーを

三日月の夜にはミルクティーを

2008.01.19
XML
カテゴリ: 女子大生って…
  センター試験、初日が終わりましたね。

  あと一日。
  受験生のみなさん、頑張ってください。…もちろん、先生も。


そして、ある女子大生のお話。

ある時、卒論の準備に入った女子大生の方々。
「わたくし、卒論は早く仕上げてしまいたいの。」
「でもまだ一年以上もありますわよ。」
「先生方も、四年生に付きっきりですし…。」



「ですからね、そこをなんとか、お願いしたいのですわ。」
「お願い?」
「ええ、そうですの。
 わたくし、これから先生に、直談判しに行こうかと思いまして。」

なんだか勇ましいお話になってきました。

「そんなこと、出来るのでしょうかねぇ。」
「先生に直接お願いに…なんて、ちょっと恐いですわね。」
「頑張ってみますわ。」

そう言って彼女は、講義室を出ていってしまわれました。

「ええーっ。…今すぐのお話でしたの?」
「気が早いですわね。」


しばらくして、出て行かれた方が、お戻りになりました。

「どうでした?」
「あの先生、おやさしいから、案外大丈夫だったのでは?」
「いいえ。わたくし、今日から美術館めぐりをいたします。」
「は?」


さっぱり、事情が飲み込めません。
なぜ卒論の話から美術館に?

「あの…どういうことなのでしょうか…。」

おそるおそる尋ねるおふたりに、先生からのお答えをお話しになるお方。
勢いよく先生にお願いした彼女に、返ってきたお言葉とは…。

「あなたは今、文章を書くときではありません。
 今あなたがするべきことは、いいものをたくさん観て、いいものをたくさん聞いて、感性を磨くことで す。
 感性が磨かれれば、おのずといい文章が書けます。
 論文を書くのは、それからにいたしましょう。」

ふむふむ、さすがは先生です。

「ですからわたくし、今日から都内の美術館を、全て観てまわることにいたしましたの。
 さ、時間がございませんわ。
 では、ごきげんよう。」

後に取り残されたおふたり、ただ呆然とするだけでございます。
「はい?」
「ちょっと極端ではございませんこと?」
「…と申しましょうか…先生のおっしゃったことって、そういうことですの?」
「なんだか、綺麗に断られた…みたいな感じもいたしますわね。」

「正直、うるさかったのかも…。」
「それは言ってはいけませんわ。
 半年後、彼女の感性が磨かれていることを、信じましょう。」

先生の真意は、誰にも分かりません。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008.01.19 16:41:42
コメント(4) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: