三日月の夜にはミルクティーを

三日月の夜にはミルクティーを

2008.01.20
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カテゴリ: 彼と彼女の物語
今日の彼と彼女。


「そう言えば、今年の直木賞は『桜庭一樹』だったね。」
「何者?」
「何者って…作家でしょ。」
「男?女?」
「女性です。」
「エッ。女の人だったんだ…。」
「ああ…お洒落な名前だよね。」



「直木賞の作家って、有名になる人が多くない?」
「うーん、そう言えば…。」
「テレビに出る人も多いでしょ。」
「…そう言われると…イシダイラなんかも、そうだな。」
「石平?」
「はい。イシダイラ。」

彼女、なおも考え込んでしまいました。

「何者?」
「作家ですよ。」
「男?女?」
「…イシダイラは、男性でしょ。」


どうも話がよくわかりません。
彼女の質問に、彼も困ってしまいました。

「イシダイラは普通イシダイラって言うけど…みんな。」
「みんな?」
「そう、みんな。」

「多分。…結構イケメンだし。イケメン、好きでしょ?」
「…そりゃそうだけど…。」

おいおい、なんでそこで照れる?
ところで、『イシダイラ』分かったのか?

「名前は?」
「だから、イシダイラだって。」
「苗字じゃなくって、名前よ。なまえ。」
「ああ……イラ?」
「はあ?……いら?」
「そう、イラ。」
「いら?…いら……え、もしかして、衣良?
 『石平』って、『石田衣良』のこと?」

彼もそろそろ、ため息がでてきます。

「だから、最初っからイシダイラって言ってんじゃん。」
「石田衣良なら石田衣良って言ってよね。
 石平かと思ったでしょ。」

はい?…オレはずっと石田衣良と言い続けてますが…?





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Last updated  2008.01.20 09:16:05
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