楽しい南の島

買い物名人、豚吉

『買い物名人、豚吉!』

朝ご飯も食べてお腹一杯!
クタの町を少し歩く事にしよう。
まだまだ見てみたいお店もあるし、ね。

お供えをよけて、寝ている犬もよけて
上手に歩けるようになったな。

Tシャツだけを売ってる洋服屋さんを覗く。
クレージーキャット…聞いた事があるような名前。
歯をむき出した、恐い顔の猫が大きくプリントしてある。

弟のお土産はこれにしようっと。
黄緑にピンクのプリントのを1枚買った。

豚吉は、そわそわ落ち着かない。
「何か気になってるの?」
「うん。一昨日見た絵が欲しいんだけど。売りきれてたらどうしよう?」
「どこで、見たの?」
「もうちょっと先の、アジノモトって呼ばれた所。」

あんな場所にギャラリーなんてあったかな?

「大丈夫だよ。きっと。」
観光客少ない時期だし。
まどちゃんとあきちゃんの買い物にも
付き合わなくっちゃならないし。

雑貨屋さんであけちゃん念願のバリ猫を見て、
「見て見て、この猫変な顔~!」
と失礼なことを言いつつお買い物。
私も黒とオレンジの組合せがきれいな猫を
大きいのと小さいのをペアで買った。

豚吉は相変わらずソワソワ。
「ぺこらちゃん、先に行っていい?」
「駄目だよ! 一人歩きは!」
「ううう。でもでも、無くなっちゃう!」
「どんな絵だったの?」
「神様の絵。どうしても欲しいんだもん。」

でも、まだあと銀細工のお店も行く事にしていた。
豚吉は半泣き。
「よし! 先にギャラリーに行ってあげるよ。」
「ギャラリーって?」
「はぁ?、だって絵が欲しいんでしょう。」
「うん。」
「ギャラリーじゃないの?」
「うん。」

疑問符を頭にのせた3人を従えて、
豚吉は嬉しそうに歩いて行く。

「アジノモト。アジノモト。」
今日も皆さんお揃いで、呼んでくださる。

トコトコと先に立って歩いていた豚吉が振り返った。
「ここなんだ~!」
ニコニコ。

??????ここって??????

道端でおばあさんが10数種類の絵を並べて売っている。
同じ絵が何枚も重ねられている。
これって印刷?
どうも壁に貼る宗教画みたいなかんじ。

「ここ?」
「うん!」

嬉々として豚吉は絵を選び始めた。

絵ってこれだったのか~。
売りきれるわけ無いじゃんか! 全く!

豚吉以外の3人はしかたが無いので
お婆さんが絵を並べてる後ろのお店で、
カゴを見たりしていた。

突然、お婆さんの大声が!
何事?
豚吉も叫んでいる。
一大事なの?

なんと豚吉は、ディスカウントの交渉をしていた。
恐い顔で、ガンガン負けさせている。
最初、1枚10,000ルピアだった。
だから5枚で50,000ルピアね。

豚吉は、
「20,000ルピア!」
と言い張っている。
ちょっと、それってアコギじゃないの?
半値以下だなんて。

お婆さんも抵抗している。
でも、豚吉は頑として20,000ルピア以上払うつもりは無さそうだ。

どうなる? この戦い。

結局、お婆さんは完敗。
5枚で18,000ルピアだって…。
儲けはあるんだろうか?

豚吉先生! 買い物のコツを伝授して~!
伝授されても使いこなせないかもしれないけどね。

おいしいおいしい・・・



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