お久しぶりです。
お元気でしたか?
来年、四国を離れられるんですか。
長かったですね。

私も時々楽天ブログに戻ってきますので、これからもどうぞよろしくお願いします。 (2013/11/15 05:00:36 PM)

かえりみち

かえりみち

2013/10/14
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カテゴリ: 四国遍路
にわか四国遍路(12・後編) に戻る

大きな西からの風が吹いてきたのだろうか…
来年3月をもって、ついに私は四国を離れることとなった。

六年間の四国での暮らしは、遥か羽州からやってきた私にとって充実した日々であり、四国遍路という一つのテーマを私に与えてくれた。
ここに来て、皆が勧める水曜どうでしょうでも見ようかとも思うのだが、私の遍路は完成していない。

とかく長い事、遍路から遠ざかっていた最大の理由は、距離が遠くなり日帰りが難しくなったということであろうか。
とまぁ、上記のような理由で遍路に出ることを躊躇していたのだが、ここで一つの転機が訪れた。
きっかけは、私がとある寺院に調査に出かけたときに、ひょんな事から、学芸員のIさんの道しるべ調査に随行することになったのである。


(そういや、昔、授業の課題で荏原の遍路道しるべを調査しに行ったとき、法量を測るのを忘れて課題当日にいそいで測定しに行ったことがあったっけ)

2013年9月22日(日)、Mさん送迎のもと、Iさんと特別ゲストのYさんと共に四国中央市へ向かった。途中のコンビニで蚊取り線香を購入。九月も末とはいえ、虫等出る心配があった。
車で三角寺へ。皆さんはご存知であると思うが、伊予国最後の札所である。
現在、私のにわか四国遍路は予讃線伊予三島駅で止まっており、三角寺には来た事がない。本来は、ここから椿堂を経由し徳島県三好市への山を越え雲辺寺へと向かうのだが、今日のルートは三角寺より山を越え、奥ノ院仙龍寺へと向かうルートを歩くルートである。

01.jpg
★四国霊場第六十五番札所・由霊山三角寺山門(愛媛県四国中央市金田町)

三角寺は、山門に鐘があるお寺で、出石寺を彷彿させる。詳細については、また後日記したい。
この三角寺の南から奥ノ院への道が始まるのだが、なんとも案内が少ないように感じる。
その理由としては、現在このルートは悪路であり、あまり歩く人がいないルートであるからとのことだ。

02.jpg
↑彼岸花咲く秋の遍路道

04.jpg
↑お願い…

道中をゆくと「お願い」という表札を発見する。


草刈りの接待とは、はじめてであるが、しっかりと刈らせて頂いた。

05.jpg
↑地蔵峠(愛媛県四国中央市)

草を刈った後は、勾配の急な山登りとなる。平石山の東側にある峠、地蔵峠。峠道の右側に4体の地蔵があり、仏海上人の地蔵道標もある。

06.jpg
↑桜馬場にある十八丁を示す標石

奥之院仙龍寺経由の遍路道 (参考サイト1)によると、桜馬場には、その名の由来ともなった樹高20mにおよぶ桜の大木が枝を広げており、戦前には、遍路を相手にした無人の販売所があり、唐黍・かんころ芋・ふかした薩摩芋などが売られていたという。

07.jpg


ここは、仙龍寺と平山(雲辺寺・箸蔵寺方面)への分かれ道である。
「四国遍路道指南」には、「大久保二三軒有、荷物をきてよし、但おくの院一しゆくの時は荷物持行」という記述があり、仙龍寺への遍路客を相手にする宿屋が数軒あったと思われる。

この写真を右にゆけば平山に行くルートなのだが、残念ながら、もはや道は消滅してしまっているように思える。人が歩かなくなると道もなくなってしまうのか…

08.jpg
↑不動堂

09.jpg
↑不動堂から八丁坂(後藤玄哲坂)を下る途中いくつもの享保期丁石が残る

途中、あの中務茂兵衛が発起人となって1914年(大正三年)に開設された新四国霊場が見えてくる。石像の寄進者には九州出身者の名前も見える事から、仙龍寺は、四国だけではなく遠く九州からも信仰されていたのだろう。

10.jpg
↑中務茂兵衛が作った新四国霊場の中にある仙龍寺

四国霊場を模したミニ四国というものが各地にあるが、ここ仙龍寺にもミニ四国霊場が設置されている。必見すべきは、ミニ四国霊場の中にも仙龍寺が存在している事だ。
ルートから、少し横道にそれ、洞窟の中に弘法大師像が安置されている。

11.jpg
★四国霊場第六十五番札所奥の院・金光山仙龍寺本堂(愛媛県四国中央市新宮町)

いよいよ下山してきた。思いのほか、新四国霊場の下りがきつかった。
はるか岩場を望み、境内は崖の上に建てられている。
その景色は、実に壮観である。

その後、Mさん送迎のもと松山に帰り、ありがたいことではあるが、Iさん、Yさんに楽しい宴を開いて頂いた。感謝感激。ありがとうございました。


【参考サイト】
[1]愛媛県生涯学習センター 「奥之院仙龍寺経由の遍路道」
  (伊予の遍路道・平成13年度、データベースえひめの記憶)

にわか四国遍路(14) に進む

●本日の歩行距離・・・4.2キロ
●総歩行距離・・・225.9キロ(四国遍路全行程の約16%)





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Last updated  2021/07/18 09:38:40 PM
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Re:にわか四国遍路(13)―三角寺~仙龍寺(10/14)  
こうた☆67  さん

Re[1]:にわか四国遍路(13)―三角寺~仙龍寺(10/14)  
みなと奉行  さん
こうた☆67さん
ご無沙汰いたしております。
来年は、いよいよ関東へ戻る予定です。
秋田にもなかなか帰れなくなってしまいますが、今後ともよろしくお願いいたします。 (2013/12/05 10:27:58 PM)

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