天使になりたい・・・

天使になりたい・・・

貧しい家


そのころ近所には1件も無かった飲食店だった。
そのせいか毎日行列ができていたらしい。

兼業で農家でもあった我が家は梨と米を作っていた。
もちろん、柿も栗も畑はあったが出荷するほどの畑ではなかった。

父が何度か事業に失敗し、1千万近い借金を抱えていた。
30年前の1千万円は今でいうとどれくらいだろう。

それでも、飲食店が軌道に乗り、母はスナックも始めた。
体が弱く喘息をわずらっていた母には長続きはしなかったが知人に貸して収入を得ていた。

小さい頃、私はスカートが欲しくて仕方なかった。
友達はみんなフレアーの短いスカートを履いてクルクル回って見せていた。
私もスカートが欲しいと思っていたけど、服はいつも姉のお下がり。
姉はズボンが好きでズボンばっかり。
結局私もズボンばっかり。
そんな私に母はスカートを作ってくれた。
風呂敷を半分に折って端を縫い、ゴムを通しただけのタイトスカートだった。
生地は薄く下着が透けて見えていた。
とてもガッカリだった・・・。
でも母は一生懸命だったのかもしれない。
母にこのことを話したが「そんなことあった?覚えてない」と言った。
母にとってはなんでもないことだったのかもしれない。

貧乏は絶対にいやだなぁと思っていた。
今でも思っている。

お下がりばかりの服。黄ばんだジャージ。黄ばんだブラウス。
ヒザに穴の開いたズボン。風呂敷のスカート。
どんなに恥ずかしかったか・・・今でも覚えている。
小学校の入学式に私だけが黄ばんだジャージ。

中学になってからは毎日店の手伝いで小遣いを貰っていた。
そのお金を貯めて欲しい物を買った。

高校に入るとバイトも始めて収入は増えた。
そのお金でバイクの免許と車の免許を取るために貯めた。
でも、彼氏との交際費や彼のバイクと2人のヘルメット代に消えた。

専門学校に入ってからはバイトを掛け持ちして稼いだ。
そのお金はやっぱり寮費と彼氏との交際費に消えていった。
でも、免許代は取って置いたのでなんとかなった。

いろいろやってみて思ったけど。働いて稼ぐのは本当に大変な事だ。
働くのは嫌いじゃないし、どちらかと言えば好きだ。

お金の無い貧乏な家に生まれたけど、いろいろ経験できた。

でも、悪い事もした。
家のお金を持ち出してしまったこともあるし。
万引きをしたこともある。(もう時効だよね?Σ( ̄□ ̄|||))
私にも悪い心が住みついている。

でも、まあ、今は実家も新しく建て直して立派になった!
店も順調。

私も家庭を持ち幸せだ。







© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: