故・大石武一氏を偲ぶ会


 11月18日午後2時から赤坂プリンスホテル五色の間にて10月19日に亡くなられた初代環境庁長官、元農林大臣で財団法人緑の地球防衛基金名誉会長大石武一さんの偲ぶ会が行われました。明日衆議院議長就任予定の河野洋平さんらが呼びかけ人となり、中曽根元首相、羽田元首相など約400人を越す個人とゆかりのある面々が集まりました。

 大石さんのご緑は10数年前からでした。私たちは「思いやり基金」(環境基金)を大石さんの緑の地球防衛基金へ寄付をしていました。大石さんは「米沢なら行ってみたい」と私たちを訪ねてこられました。白布温泉の中屋に泊まられた大石さんは民法学者で米沢市名誉市民だった故・我妻栄さんとの思い出を語るのでした。
「初代環境庁長官になり佐藤総理から公害防止法を作るように指示があった。しかし、立法化する時に大きな壁は官僚たちだった。国民の健康と環境を守る立場の役人たちが企業の代弁者になっているのには驚いた。案じているとひとりの民法学者を思い出した。その方が米沢出身の我妻栄先生だった。以前私は先生と法律雑誌で対談をしたことがあり、そのお人柄や民法学者としての基本的人権を考慮した考え方に敬服していた。我妻先生なら私の考えをわかてくれるだろうと、早速、環境庁の顧問をお願いに行った。先生は環境庁の顧問は勘弁して下さい。ただし大石さんあなたの個人的な顧問にはなりますからと言ってくれた。先生はすぐに官僚たちに話をして、公害防止法の必要性を説いて下さった。そのお陰で公害防止法(「公害無過失賠償責任法案」「自然保護法案」)が生まれた。官僚たちは東大卒で我妻先生の教え子だった。官僚といえども我妻先生には楯突くことはできなかった。本当に先生には私も国民も助けられました」
 この話は本日の偲ぶ会でも千葉大学名誉教授木原啓吉さんのお別れの挨拶で披露されました。8年前には我妻栄記念館に来館し、その時の思い出を語った大石さんの優しい笑顔が忘れられません。享年九十四歳。合掌

緑の地球防衛基金
http://www.ne.jp/asahi/defense/green/

11月18日記



© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: