第5回 佐藤由利子さんに学ぶ「介護は人間



 赤いほっぺの由利子さんはたくろう所に勤務して3年になります。彼女の従姉がたくろう所にボランティアに来ていたご縁で、ボランティアに来るようになり、その後常勤になりました。

 彼女の介護センスは資格者や施設職員も脱帽します。おじいさんやおばあさんとの会話はもちろんのこと、昼寝や入浴を促し方も相手を説得するのではなく、自然な会話の中で自発性がおこるようにすすめていのです。
 常勤者は20数名のボランティアスタッフとの関わり合いも大切な仕事です。彼女にはそのボランティアの長所をすぐに見抜いて、その方の特長にあった介護をコーディネートします。だから代表幹事の今野さんやチヨ子さんにはなくてはならない存在です。

 彼女にも時々ですが悔しがるときがあります。おじいさんやおばあさんのご機嫌が悪いときに、介護をする側の都合や思い込みで対応してしまい、ますますご機嫌ななめになることがあります。そんなとき彼女は悔しい思いをするのです。
「私だったらこうしたのに。私もおばあちゃんの立場だったらこんなことされたら嫌でしょう」
彼女の心はいつもそう思いながら介護という人間関係で生きているのです。同僚のミスを責めるのではなく、同僚に「仕事や作業で介護をするとミスは起こるが、人間関係職と思えばミスは防げる」ことを伝えたいのです。

 由利ちゃんは介護福祉士を目指して学習をしています。このニッポンは資格を重んじるからです。資格があってもセンスや志の低い人はたくさん存在します。今日も由利ちゃんは資格者と一緒に研鑽しています。
「人間相手は楽しいなあ」と思いながら……

 11月15日記



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