幼幻記1 微笑





微笑み 幼幻記1


 小さい頃、ばあちゃんと長井に行った。

 日傘を差して着物の姿のばあちゃんと土手を歩く。
緑の草はぼくの背丈よりも高く、風にサヤサヤと音を立てていた。

 真っ白い入道雲が大きく広がり、空の青さを引き立てていた。

 あの頃のぼくは何歳だったのだろうか。
 ばあちゃんのやさしい微笑みを覚えている。あの微笑みが誰かに似ている。


 2005年7月11日記


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