男心と秋の空

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Sep 28, 2006

(9)

テーマ：街で見かけたヘンなもの(384)

カテゴリ：てくてく

個人的に秋という季節は好きではないのだが
透明感を増していく空の色と風を楽しむのは悪くない。

夕暮れ前の1人散歩は哀しいが、彼と2人なら楽しくなる。
何か話すわけでもなく、目的地も決めず、ただ寄り添って歩く。
静かな時間を感じるその時が、空の下が幸福だ。

寡黙な彼は何故か、決まっていつも西を目指す。
私が東へ行こうとしても、彼はひたすら夕日を追いかける。
やはり男たるもの、夕日に叫ばずにおれないのだろうか。

西を目指す彼は、電柱ウォッチングに精を出す。
電柱の色合いや立地や角度やニオイにまでこだわりがあるらしい。

そんな彼の横で私は電柱よりも、屋上庭園が気になるのだが・・・・

屋上盆栽園へは、どうやって出入りするんだろう？
窓から出入りしてるんだろうか？　それとも梯子か？
屋根は抜けたりしないだろうか？

疑問が渦巻くが、先に興味対象物を見つけた方が
ぢっくりウォッチし終えるまで待つのが、彼と私のルールである。
屋上盆栽を観察し終えると、また黙って歩き出す。

・・・・・・夕暮れ迫る駐車場に、素敵なブーツ発見。

路肩に靴が揃えられていたり、ガレージに靴があったり
そういうことはよくあることだが、駐車場のど真ん中にブーツ。
持ち主はどんな車で、どんなシチュエーションで走り去ったのだろう。

散歩中に、こんな珍奇なものを発見した場合
見つけた方に観察する権利が発生するルールではあるが
便乗してはいけないというルールはない。

屋上盆栽に見入っている私の横で、
隣接する電柱を彼が堪能しても何ら問題はないので
寂しく残されたブーツを一緒に楽しんでも構わないのだが・・・・・