亡命
《キューバ人地位調整法》って聞いたことあります?
アメリカ領土に到着した(要するに亡命ね)キューバ人に、
自動的に居住権を与える法律なのです。
でもって、おまけにその亡命してきた人達には
アメリカ政府から、アメリカでの生活の基盤作りにと
一人につき$8000が与えられるのです。
最も、抽選でグリーンカードを与えるような国なので、
亡命してきた人を無条件で受け入れた上、
一人頭$8000与えると聞いてもさほどびっくりしないけどね。
カストロ議長が未だに独裁政権を敷いているキューバ。
確か就任して50年以上経つはずだから、結構よいお年だわねぇ。
そのせいか一時期の勢いも陰を潜め、最近では、
『貧しい国民が裕福な国に向かうのは自然なことだ』
という亡命を容認する発言も聞かれる。
私個人としては、人道上彼を好きになれないけど、
今でも続くアメリカの制裁もどうかと思ってしまう。
どちらもどちら、まるで小さな子供の喧嘩のよう。
でも政治上この制裁を解くのは難しのでしょうね。
おっと、話が少しずれちゃいました。
で、この「キューバ人地位調整法」により、
小さなボートにのって母国を後にする人が
今でも後を立たないのです。
大概ボートが辿り着くのは、
母国から140~300㎞ほど離れたKeys。
(マイアミからキーウエストまでの小島達ね)
近いようだけど、粗末な作りのボートはたいした設備もなく、
いつ大波にさらわれて転覆するかもわからない。
自由な国を目指して祖国キューバを脱出しても、
結局アメリカに辿り着けなかった話も聞いたりします。
人の弱みにつけこんで商売をする人というのは何処にでもいるようで、
今ではキューバに高速艇で違法に入国し(※1)、
一人$8000で違法移民を輸送するビジネスがあるそうな。
『ほらほら、ちゃちいボートで脱出なんて危ないでぇ。
いつボートが転覆するかわからんやろぉ?
やっぱり命はおしいやんかぁ?
ほら、この高速艇やったら、アメリカまでほんのちょいやでぇ。
船賃は$8000でええでぇ。
どうせアメリカ政府にもらえる金やろ?
あんさんの懐は全然いたまへんやんかぁ~。
もとから無い金やと思ったらええねん』
てな感じなんでしょうねぇ。
彼達からすれば$8000は大金。
いくらアメリカ政府から無条件でもらえると言っても、
出きるものなら使わずにとっておきたいものでもある。
せめて半額くらいにしてあげれば良いのにと思うけど、
輸送する側は見つかれば刑務所行きというリスクもあるので、
取れるだけ取りたいところなんだろうね。
そう言えば、皆さんキューバ人の
エリアン・ゴンサレス君を覚えています?
今どうしているのかしら?
元気に暮らしているのかしらねぇ?
注:※1
アメリカ人が、
直接他国を経由せずにキューバを訪れるのは禁止されています。
仮に他国を経由してキューバを訪れても(メキシコ等ね)、
アメリカに入国する際、罰金を課される等の問題が発生するそうです。


