ミサママ本舗 * 日本を経て今はバージニアです♪

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フライドチキンと爆弾



フライドチキンと爆弾


例のテロ事件から丁度一年目の9月11日の話。
この日は再びテロが起こらないかと全米が緊張の一日を迎えた日。

ここド田舎の孤島も、その辺の事情は同じで、
田舎ながらも、それなりに緊張感が漂っていた。
私が働くのが米軍基地をいうこともあったのだとは思うけど・・・

その日は、昼間の職場でポットラックランチがあった。
ポットラック、簡単に言えば皆で色々と食べ物を持ちよるのね。
私は仕事が休みだったけど、リクエストに答えて巻き寿司を差し入れ。

その後友達と約束があったので、
ゆっくりと皆が持ちよったものを食べる時間がなく、

代わりにKFCのフライドチキンを、
筒状の容器ごともらって帰る事にした。

容器のフタを探したけど見つからず、
仕方がないので、その場にあったペーパープレートで代用。
少々不恰好ながら、友達との待ち合わせのお店へ。

友達との待ち合わせは、私が働くスーパーに隣接した建物で、
主に洋服や雑貨、日用品等を取り扱うお店。

待ち合わせ時間に少し遅れた為、
早足で入店、忙しなくキョロキョロと友達を探す。

今にして思えば、その忙しない行動がまずかったのだろう。
友達を見つける前に、無線片手に警備員が飛んできた。

『すんまへん、まず身分証明書を見せてもらえまっか?
あと、手に何を持っているか見せてもらえまっか?』
と、警備員が笑顔ながらも、厳しい目で話しかけてくる。

身分証明書を取り出して見せた辺りで、
別の警備員が二人私の後にぴったりついた。

『何やの? 何やの?? 何があったん???』
私は事情を飲み込めずにいたが、

手に持っているKFSの容器の中身を見せ、
『フライドチキンですけどぉ~・・・????』
と、答える。

すると、その警備員は戸惑った顔で
『なんでフライドチキンを持ってますのん?』
と、聞く。

落ち着いて考えてみると、
私がフライドチキンを持っていようといまいと、
そんなの私の勝手やないけぇ~!

と思うのだけど、その時の私は、
三人の警備員に取り囲まれ、《???》状態なので、
意味なく焦りつつ、事の次第を説明。

警備員達も、私が不審者じゃないのが解ると、
『いやぁ、警備室のモニターは白黒で
手に持っているものがよく見えんからねぇ。

売り場からも早足で周りの様子を伺う不審者がいると
通報を受けたもんやから・・・

ご協力ありがとうございます』
と、丁寧な応対だった。

やっと事情が飲み込めた私は、
一人でケタケタ笑ってしまった。

いくら9月11日で不審者を警戒しているとは言え、
KFCの容器を指差し、『それは何ですか?』と聞く警備員。
容器にKFCって書かれているだろうぉ~!?(笑)

一瞬、万引きに間違われたかとも思ったけど、
手にKFCの容器と財布しか持っていなかったからね、
それはまずないと思う。
容器じゃなく、袋ならわからないけどね。

その夜主人に話をすると、
『何でKFCの容器持って、早足で売り場を歩くだけで
不審者扱いなんだ?』と、少しおもしろくなさそう。

私が不審者に間違われて怒ってくれるのは嬉しいけど、
それが警備員の彼達の仕事だから、仕方ないわよねぇ。

こういうことで一々目くじらたてていたら、
彼達も仕事をし辛くなると思うのね。

確かにお間抜けな質問だったけど、
横暴な応対ではなかったしね。

彼達のおかげで、ある程度安全も保たれていると思うし・・・

いや、『なんでフライドチキンを持ってますのん?』
なんて、お間抜けな質問をするような警備員、
本当に役にたっていると思って良いのかしらん???



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