misin

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記憶


今居る自分の位置からは、思い描く場所があまりに遠すぎて、
手の届く範囲には何も見えなくて、、。

誰に向けるでも無く部屋でつぶやいた言葉が、灰になって落ちてゆく。
宛名のない手紙も量を増すばかり、、、。
この四角い箱の中から眺める場所はいつも同じで、
寂しいオレンジ色を下に下に零してる。
地面は少しも乾かないままだね、、、。

あなたが誰かを想って胸を痛めている事が私にはわかるから、
今は力になりたいと思った。
ただ、傍に居られればいいの。
悲しい顔なんて見せないよ。

あなたによく似た後ろ姿の人たちに、胸を高鳴らせる。
あの子によく似た雰囲気の人たちに、胸を痛めてる。
あの頃の私達に似た映画を見て、唄を聴いて、あなたの顔が浮かんで
心臓がパキリッとひび割れる。

夢の中の優しい笑顔に触れる度、悲しくなる。

不意に口をついて出た言葉が、空気に触れてゆらゆらと、
私の周りにまとわりつく。
冷たい独りの布団の中であなたの横顔思いだして、
鼻唄歌って気分ごまかし夜を過ごす。
闇に体が溶け出したみたいだね、、。

あなたがあの子を胸に眠ってるって事はわかってるから、
今は涙で渇きを癒そう。
ただ、傍にいたかった。
ずっと繋がり持っていたかった。

あなたはぎゅっと私を抱きしめた。温かかった。
わたしはそっとあなたを抱きしめた。温かかった。
あの時は確かにお互いを必要としてた。


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