レムリアからの転生旅行者

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神坂俊一郎

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Sep 23, 2006
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カテゴリ: 神話・伝説・哲学
これから何回かは、何時かわからない時代、やはりどこにあったかわからない国レムリア(大陸の形は違いますが、現在の中部アメリカのような気がします。)の皇太子から国王となったミドことミチュエラ・カンヘルが経験した物語から、心に残った言葉を中心にまとめてみました。

人々は、物心が付くと自分の存在意義に疑問を持ち、死ぬ時になって、自分はどこから来てどこに行くのかを考える。
そして、その答えを神に求める。
しかし、神は答えてはくれない。
ミドは、精神感応の能力から、物心ついて以来、数え切れないほど多くの人々からその疑問を突き付けられてきた。
幸い彼にはハイヤーセルフがあり、その疑問を受け止めることができたが、ハイヤーセルフと同時に幼児のミドの人格でも受けるのだから、彼が普通の幼児でいられるはずもなかった。
そんなミドでしたが、16歳になった時、正式に皇太子として社交界にデビューするとともに、12歳のときから憧れつづけていた同じ年齢の巫女トゥーラことトゥリトゥーラ・ククルカンと知り合います。
巫女としての優れた霊力とともに、他人の心を読むことができる彼女は、反面恐ろしく世間知らずであり、自分はパレンケ(中米に同名の遺跡がありますが、そのものかどうかはわかりません。)に伝わる予言では死ぬことになっていて、それがその時に夫となっているはずのミドのためだと考えながらも、それならいいかと自分から男子禁制のはずの巫女の領域にミドを呼び寄せてプロポーズしてしまったのです。
ミドは、憧れの彼女でしたからその場で受け入れ、婚約することになったのです。


聖地コパン(これもパレンケと同様です。)の神殿を訪れ、時空を超越する能力を身に付けたミドは、未来を予見してトゥーラに語ります。
「宇宙から見れば人間はゴミ、いや塵みたいな小さなものだ。そしてこの大地から見れば人間はむしろ害をなす虫でしかない。特にアストラン(アトランティスとの関連が推測される科学文明を誇る国です。レムリアがアメリカだとすると、気候は現在とは大分違っていましたが現在の南極大陸かオーストラリアの位置であったと見るのが適当だと思います。)の言う科学、が進歩すればするほど害は大きくなり、人間は自分で自分の首を締めはじめる。自分が宇宙の中心だと思い込んでしまう。それは滅びの道なのだ。今それをアストランがたどっている。」
そこまで言うと、ミドはトゥーラの顔を見つめなおした。
トゥーラは、ミドが自分のことなんか超越して遠い存在になってしまったような気がしてつい悲しくなって涙を落とした。
しかしミドは、運命は一つではないことも見てきたのだ。
その中には彼と結ばれずに生贄となって死ぬトゥーラも、彼と結ばれて王妃となるトゥーラもいた。そして、ミドは、トゥーラが死なない運命を選択しました。

ミドの妹モンことモンナベラも未来を予見することができましたが、彼女はミドと違って個人の人格を超えたハイヤーセルフを持たなかったため、その能力が目覚めると発狂して死ぬ可能性が高かったのです。
そのためミドは、トゥーラの祖父であるオルメカ大神官と話し合って能力を封印することにしたのです。
モンは、能力が目覚める予兆として自分が見た未来で、兄が冷酷にも淘汰の名を借りて人を殺す場面があったため、オルメカに尋ねた。
「オルメカおじさま。兄は何千人、何万人もの人を殺すかも知れません。それも人々のためなのでしょうか。」
その問いには、ミド自身が静かな声で答えた。

モンは答えられなかったので、代わりに彼女の婚約者となっていたショーカが答えた。
「恐らくは、50人と生き残れないだろうな。」
「では、その為に9百人を殺すと言うのですか、兄上。」
モンが激しく詰め寄ると、ミドはまた静かに答えた。
「そうだ。」

「強く、優れたもの百人を選ぶ。」
オルメカ、トゥーラ、ショーカは感心して聞いていたが、モンは悲しくなった。これがあの優しい兄なのだろうか、と。
「モンよ、今はよい。私もこうやって説明するだけの余裕がある。しかし、本当にその場面になったら弱いものをかばう余裕はないのだ。黙って9百人を殺す。せめて苦痛を与えぬように。」
モンは、泣きながら首を振った。
「私、嫌。そんなお兄ちゃんみたくない。そんな時に生きていたくない。ショーカ、もしそうなったら私を殺して。ねっ、お願い。」
ショーカは、モンを抱きしめた。
「俺は、モンを愛している。しかし、お前の兄ミドは、王に、そして神になるのだ。神にならなければならない悲しい運命なんだよ。せめてそれを見守ってやれよ。神にならなかったお前や私、トゥーラさんも。」
ミドは、静かに言った。
「モンよ。私を信じてくれ。その時になったら私は容赦なく神の力をふるわなければならぬ。」
オルメカは、ミドの手をしっかり握った。
「最初の大いなる災いで世界の人々はおよそ百分の一に減るでしょう。その中で異世界シャンバラ(不老不死等の伝説が世界中に残っている異世界です。9/22のブログ参照。)への扉を擁する神殿都市パレンケは、次世代の種となるべき若者7百人を必ず守って見せましょう。7百人を種として次の世代に残すための土台を築いてくださるのが、あなたの使命なのです。」
モンは泣いていたのでミドは妹の頭に手をおいた。
「悪いことばかりではない。こんな未来もあるのだ。」
兄を見上げた瞬間、モンは幻を見た。
見慣れない服を着て遊んでいる子供がいた。一人は自分だった。そして、兄と思ったのは幼いショーカ、向こうでベンチに座って二人を微笑みながら見守っている両親は、兄とトゥーラだった。
この光景は、ショーカが夢の中で見たという光景だ。
「何なの、今の光景は。」
モンは不思議だったので聞いた。
「遠い、はるかな未来だよ。そのために私は神になる。鬼にもなる。わかるか。」
モンは、兄の悲しみを知った。

ミドはレムリア皇太子でしたから、彼ら一行を襲えば財宝が手に入るのではないかと誤解して襲う人々もいました。
ミドは、自らの精神感応の逆で、相手の頭に手を触れることで、その人の心の貧しさを見せ付けることができたため、彼に触れられた相手は絶叫して失神しました。
「おい、大丈夫か。」
襲ってきた相手のことながら心配になったショーカが聞くと、彼は平然としていた。
「まあ、命には別状あるまい。」
「ところで、何をしたんだ。」
彼が軽く頭に触れただけで、相手が絶叫して失神するのでショーカも興味を覚えた。
「神になるための訓練の、初歩の初歩だ。」
「何じゃそりゃ。」
ショーカには、イメージが湧かなかった。
「自分が今までしてきた悪行、後悔すること、怖かったこと、悲しかったことなどをまとめて味あわせてあげたのです。並みの人間だとこうなるんですね。ショーカも試して見ますか。」
黙っていると本当にやりそうだったので、彼は慌てて否定した。
「いや、遠慮しとこう。」

トゥーラは、予言によると自分は大異変後に犠牲となって死に、双子の妹カムヌカを自分の代わりに彼の妃とし、巫女見習だった美女ツィンツンを愛人のような第二妃にするつもりだった。
ツィンツンは、トゥーラと同じく心が読めたので、ミドに初めて会った時、彼の考えに戸惑った。
「ごめんなさい。つい恥ずかしくなってしまいまして。」
ツィンツンが謝ると、ミドは爽やかに答えた。
「いいや、それでいいんだ。君は人の心を覗くことができる。でも、君はまだ若いし、覗かない方がいい。人の心は恐ろしいものだ。愛していて傷つけることもある、逆に憎んでいても優しく振る舞うこともある。どちらが真実だろう。私にもよくわからない。」
ツィンツンは答えた。
「私は、心が真実だと思います。男の人達は、私を見ると露骨に抱いてみたいと思われます。ミドさまは不思議にそうではありませんでしたけど。」
ミドは苦笑した。
「君の肉体を見れば、抱いてみたいと思う方が正常だろう。」
「そうですか。」
「そう。それだけ君は美しいし、魅力的だ。」
ツィンツンは、トゥーラとは全く違うタイプのヒンダス(ずばりインドだと思います。)系美女だったが、ミドは彼女を美しいと思った。
「もう、ほめないで下さい。恥ずかしい。」
でも、ミドは確かに心からそう思っていることをツィンツンは感じていた。
「レムリア人は、心を重んじる。アストラン人は、現実に起きたことを重んじる。普通の人には心は読めない。運命を信じるのは悪いとは思わない。実際下手に反発してもよい結果は生まれないだろう。ただ、受け入れるだけでは自分が生きている意味がない。自分でも良くしよう、良くなろう、と考えることだ。」
ツィンツンは、レムリアの運命を司る大神官ともなるべきミドの言葉としては奇妙に思われたが、彼が言わんとすることは理解できた。
「それでは、自分で運命を作ってみろとおっしゃるのですね。」
「そうだ。私は既に一つ変えてしまった。」
彼の言うとおりで、ツィンツンもパレンケの予言ではトゥーラが生贄となって死に、彼女の双子の妹カムヌカがトゥーラの代わりにミドの妃に、自分は愛人になることになっていた。
そして、彼は大異変後の世界に君臨する魔王となるはずだったのだ。
「確かに、あなたは未来を変えられました。そして、魔王ではなく、優しい王になるお積りのようですね。」
しかし、ミドの言葉は案に反して冷たいものだった。
「いや、人間全体の生き残りのためには、モンが予見したように、何千人もの人を殺すことになるだろう。君にも手伝ってもらう。」
ツィンツンは、彼なら信じてついていくことにした。
「わかりました。あなたがされることなら、きっと全世界のためなのでしょう。私は信じます。」

大長編小説(私にとっては、自分が書いた実感はありません。単に記憶を記録に変換しているだけですので)の一部を切り取るのは難しいものです。
明日以降も気が向いたら続きを紹介します。






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Last updated  Sep 23, 2006 11:49:27 PM
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Yoko@ Re:ヤマトタケル異聞1(09/21) ずうずうしくリクエストをしたYokoです。 …
Yoko@ Re:ヤマトタケル?2(04/19) 21日のご返信に気が付かず、ご返信せずに…
神坂俊一郎 @ Re[1]:ヤマトタケル?2(04/19) YOKOさんへ アメーバブログも確認したら全…
神坂俊一郎 @ Re[1]:ヤマトタケル?2(04/19) YOKOさんへ 既に発見されたかも知れません…

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