TAKE  IT EASY

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ネコの夢


茶トラの可愛いネコでまだ2~3ヶ月でした。
そのネコはとてもやんちゃで、色々な物にじゃれて遊び、すくすくと大きくなりました。
2ヶ月程たったころ、ネコは外の世界に興味を持ち出し、外遊びをするようになったのです。

私は忘れない。日曜の朝、、。私は朝食を取ろうとパンを焼いていました。
ガレージにいた父が、うちに飛び込んで来ました。「ネコが車に、、、。」
慌てて玄関に行くと、息絶え絶えのネコが、、、。
即死に近かった、、、。私の顔を見ると、ごろごろ、、。と咽を鳴らし、そして息絶えました。

私は、おいおいと泣き崩れ、その日一日泣きました。翌日も、その翌日も、、、。何もしてやれなかった自分を責めて、、、。

そうして、どれぐらい月日がたったのか、あまり覚えていないのですが、ある日、茶色のトラネコが夢に出て来ました、、。
そのネコには良く見ると傷が有りました。たまらなく愛おしくなり、撫でるとそのネコは、私に、すり寄って来てごろごろと甘えて来たのです。

あれは、あの無くなった子猫だったのだろうと、思いました、とても、優しい、愛情の溢れる夢だったのです。

後から知ったのですがネコはいまわのきわに、ごろごろと、飼い主に親愛の情をこめて鳴く事があるのだそうです。
「車にひかれた後、自分で家に走って来たんだよ」ことの次第を見ていた父が言った事を思い出しました、、。

ほんの短い間しか一緒にいられなかったけど、ありがとう。
こう、言いたかったんだね、、。
そしていつまでも、落ち込んでいる私を慰めに来てくれたんだね。

今でも、あの時のことが蘇って来そうです。もう、10何年も経っているのに、、、、。


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