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070257
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ネオリアヤの言葉
あの日どこかで
「いいじゃん、減るもんじゃなし」
肩をすくめて、おどけてみせる須藤さん。
私は、溜め息をつくのさえ忘れる。
「表現を生業としてるわりに、ずいぶんとお粗末なことおっしゃるんですね」
負けじと笑顔で答える。
私の声は、アルトヴォイスではあるが、
よく響くので、彼は一瞬周囲を見渡した。
今晩、彼の選んだ店は、丸の内に新しくオープンしたイタリアンレストラン。
最上階から、東京の夜景を見下ろすことができる、窓側の席だった。
予約席。
日本語で書かれたプレートが、
薄いミントグリーン色をした
チェックのテーブルクロスの上に置かれてあった。
決して広くはない店内には、
おそらく同じように数週間前から予約していたであろう客人たちが、
静かな微笑みを讃えながら談笑し、
美しく彩られた料理に、ナイフとフォークをあてている。
ひと眼でそれとわかるモデルや業界人、
いかにもといった感じのマダムたちが大半だった。
けれど、誰もが品良く、正した姿勢にフォーマルな印象が漂っていた。
あと一週間足らずでクリスマスという金曜の夜。
年始の準備で忙しい時間をやりくりしてまで、
須藤さんからの誘いを受けたことに、
疑問を感じ始めていた矢先の言葉だった。
疑問が、一気に後悔へと変わる。
「どんな云い方したって、考えてることは一緒」
「だからストレートだと云いたいんですか?」
「そういうこと。でなきゃ…」
「で、なきゃ?」
わかっているが、一応訊き返す。
「この時期、こんな場所へ招待したりしない」
会話のレベルとは裏腹に、
その佇まいは実にスマートで、
手馴れた動きで大皿から小皿へと料理を取り分けていく。
身のこなしも、普段の会話のウィットさも洗練されていたが、
私は虫が好かなかった。
それは、最初の印象を皮切りに、
仕事で会う回数を経るごとに強くなる一方だった。
第一、私は髪を茶色くしている男が嫌いだ。
友達や仕事相手には求めない、そんな個人的な感情も、
口説いてくる相手となれば話は別。
けれど、須藤さんはとてもよく、素晴らしくモテる。
感心するくらいに。
理由はわかっている。
マメなのだ。
二十代後半からすでに、
ドラマのチーフディレクターをワンクール置きに務めあげてきた。
しかも、そのどれもが、高視聴率で常に話題をさらう、
敏腕ディレクターとして、その名を馳せていた。
三十歳にまもなく足がかかる来春、
彼はプロデューサーへの昇格という、
異例の大抜擢を受けることに内定していた。
驚くほどに広い彼の交友関係は、
旧知の仲に始まり一晩限りの女性関係まで、
世代や性別を超えている。
仕事場でスタッフに声をかけない日はないし、
全員に何らかのアクションを投げかける。
準備からフォローに至る迄、
何が必要なのか、どれが有効なのかを、
常に意識している。
けれど、それが作為的だなどとは億尾にも出さない。
そして何より凄いのは、作為的だと周囲の人間に感じさせないことだった。
「マメさ」の先にあるのは、
自分へ戻ってくるメリットだけに確実に絞られている。
だからこそ、方法も手段もシンプルに決定され、
的確なのだろう。
メリットのために必要と判断すれば、
どんな行為にも躊躇しない姿を、私は何度もみてきた。
須藤さんとの出会いは三年前。
リニューアルした銀座のギャラリーで催された
オープニングパーティーの席だった。
オープニングコレクションに出品した友人である作家からの誘いで行った
その場所には、三百人を超す各界の著名人が出席していた。
小さなプロダクションの事務をしている自分がいるなんて、
信じ難いボリュームで。
友人に写真家やデザイナー、現代美術作家が多いというだけの理由で、
ドラマやファッションビルのディスプレイの仕事を専門に受けている
プロダクションに入った。
運が良かったとしか云いようがないくらい、
私はこれといって何も特技のない人間だった。
ただ、人当たりのよさをくれた両親には心から感謝していた。
そんな私は、当然と云えば当然だが、
スゴイことに、
今会期中に出品している作家の十三人中九人と知人関係にあった。
「ミヤコ、来てくれたんだ」
「どうミヤコ、作品見てくれた?」
「ミヤコのおかげで、例のビルの年間契約とれそうなんだ」
次から次へと、
ミヤコミヤコと声をかけてくれる彼らに
囲まれて話をしている私の姿でさえも、
普通あれだけの人数の中であれば、特に目立つわけもなかった。
「そちらの女性を紹介してもらえないかな?」
作家二~三人と喋っている時、須藤さんが輪に加わってきた。
その声に反応したのは、彫刻家の松悠太だった。
「須藤さん、来てたんですか?」
「来てたんですか、はよかったな。招待状をくれたのは悠太なのに」
苦笑いしながら、ちらりと私を視界に捉えた。
「今日は忙しかったんじゃないんですか?」
「ちょっとだけね。でも、貝谷さんから直接電話もらっちゃ、欠席するわけにもいかないよな」
奥の特設カウンターで、
デザイナーと笑っている初老の男性に視線を投げかけた。
貝谷さんとは、このギャラリーのオーナーであり、
この土地一帯の大地主でもある人
「で、紹介してくれってのは、彼女のことでいいんですか?」
悠太は、私の眼を見てから、再び須藤さんへと視線を戻した。
「女性はこの中に、一人しかいない」
言葉の端ばしから伝わる小慣れた余裕に、
私は彼の傲慢さを感じずにはいられなかった。
彼の眼は、その場にいる他の人間を、完全に関心の外に置いている。
「こちら、スズキミヤコさん。MIX PLANNINGにお勤め。で、彼は須藤和実さん。TV局のディレクター」
交互に、よどみなく紹介する悠太の声は、耳に心地よく響く。
「MIX PLANNING?」
「小さな会社ですから、ご存知ないと思いますよ」
初めて言葉を交わす。
「デザインとかやってる会社?」
「はい」
「いやさ、この前うちのドラマで美術デザイン全般を担当してもらったプロダクションじゃないかな? K広告経由かなんかで…」
「え…、じゃあもしかして須藤さんて、あの須藤さんですか? いつもドラマのディレクターなさってる…?」
「そうそう、なさってる人」
おかしそうな満面の笑み。
悪い人じゃないのかもしれない、そんな気がした。
確かに悪いヤツではないが、さしてマジメな人でもなかった。
気がラクな相手。
それ以降、これといって面白い企画があると、
私を指名しては仕事を回してくれるようになった。
私の交友関係や仲間に対して強い興味を示し、
それが有効なつながりだと感じたからだろうと思う。
須藤さんとの出会いによって、いち事務員だった私が、
一介の営業社員となったのは、云うまでもないことだった。
「ちょっと悔しいね」
「何が?」
「ずいぶんと君は有名になってしまった」
言外には、自分が育て上げたという自負や、
そこまでになった人間を連れて歩くことへの優越感が、
にわかに漂っている。
悔しさが、言葉の通りに存在するとすれば、
それは、
私が彼の元からいつか飛び去る可能性のことを云っているにすぎない。
「ほめてもらってるんですか? それ」
「勿論です」
ブランデーをわずかに唇にのせ、言葉をとめる。
一瞬、この人を好きだったのかもしれないと、
相手に錯覚させるほどの演出を、事も無げに彼はやってのけてしまう。
勿論、計算のうえで。
「危ない危ない」
「何が?」
「須藤さんのマジックにかかりそうになる」
世慣れた風に茶化して、私は相変わらずビールを飲んでいた。
「そこなんだよな…どうしてかからない? 別に騙そうとはしてないけどさ」
「私、まだ口説かれてませんよ」
「口説いたら、何かいい返事がもらえるのかな」
「たぶん、ノーですね」
「じゃ口説いても仕方ない」
それも面白くないと思う私がいる。
口説かれたって断わるくせに。
「君の、そのクールさに乗じて手をかえるとしよう。今晩ホテルに部屋をとってある。君とそろそろ寝たい」
気を抜いた瞬間に、
カウンターパンチを浴びたようなめまいがした。
無言で、ビールをひと口、ふた口、運ぶ。
半分は、自分で招いた流れだった。
「口説かないんじゃなかったんですか?」
「口説いちゃいないさ」
巧く切り返したつもりだった。
「僕はどちらかと云うとロマンチストな方でね。ま、君みたく、これだけ僕のいろんな面を知ってたら、信じてくれないかもしれないけど。だから、僕が口説くときは、雰囲気や情緒を重んじるんだ。…今のは、そのままズバリ。口説く過程を取っ払った結論」
軽やかに微笑む。
私は、言葉を捜して隣の席を見つめた。
さっきから、女性がこちらを気にしている。
黒い、胸元のVゾーンが深いシックなワンピースに身を包み、
同世代らしい男性と向かい合っていた。
彼の方は、彼女の「心ここにあらず」に全く気づく様子もなく、
ひたすら彼女に熱い視線を注いでいる。
というより、どう見ても一方的に熱を上げているようにしか、
私には感じられないのだけれど…。
その女性と眼があったとき、
私の眼もおそらく何か熱を帯びて静止したのだろう。
須藤さんがすかさず、でも笑顔を崩さずに云った。
私にだけ訊こえる声で。
「今晩ね、本当は彼女に誘われてたんだ。おそろしく眠くなるようなクラシックコンサート付きでね」
彼の云い方が、子どもの告げ口のようにストレートなので、
おかしくて笑い出しそうになる。
笑いを飲みこむのがせいいっぱいで、
それとわかるほどに、彼女から視線を外してしまった。
「彼女と一緒にいる時間が、ここ数ヶ月多かったしね」
「プライベートで…?」
「まぁね…。四月からの木曜ドラマで女優デビュー。僕の好みにしては、美人でしょ」
周りの音に紛れて、彼の声はまるで読唇術のように秘密めいている。
「なんていう名前なんですか」
「郷野やえ」
「ごうの…随分ごつい苗字ですね」
「だよね…同感。そのギャップを狙うらしい…悪いけど、あの子は長くないよ」
煙草に火を点けながら、彼はほんの一瞬だけ冷静な眼をした。
「もっと賢くならないと…一年てとこかな」
声がさらに低くなる。それでも、優しい表情は変わらない。
「あんなに綺麗なのに?」
「美人であることは、ある意味命取りだよ…。ずいぶんと時間をかけたんだけどね…」
今度は、とても悲しそうな淋しそうな眼になる。
再び、彼女の視線を感じるが、
どうにか意識を須藤さんに集中させた。
彼は、何か大切なものを諦めるような、
哀しい笑顔を口元に浮かべてから、煙をゆっくりと吐き出した。
窓ガラスに、煙草の白い霧がかかる。
「時間?」
そう訊かずにはいられなかった。
「…知恵も情報も、いくらでも盗み出せる距離にあったのに、彼女は何もしようとしなかった。なぜ僕がいるのか、彼女は考えもしなかったんだろうな」
「つまり…、女優として何をすべきか、自分がどうしなくてはいけないのかが、彼女にはわからないと?」
「たぶんね」
その郷野さんは、
相変わらず須藤さんと私を、盗むように見比べては、
落ち着かない様子。
可愛そうになってきた。
彼女の、須藤さんに対する夢中さが痛いほど伝わってくる。
彼からのベッドへの誘いをいかに巧く切り抜けようか、
と考えている私の心境さえ、彼女はお見通しだろう。
本当は、
自分の果たすべき役割を彼女も最初はわかっていたのかもしれない。
それでも、いつその生命が絶たれるとも知れない女優という仕事より、
彼女はたとえ短くても、
自分の心が選んだ愛を選択したのに違いない。
突然、私にはそう想えた。
おそらく、彼女にとって女優なんて職業は、
なってもならなくてもさして大問題ではないのだろう。
だから愛することを選んだのだと、私は感じ始めていた。
彼女の発するオーラは、
同性の私が嫉妬してしまうくらいに、
彼へとまっすぐに放たれていた。
眼の前の煌びやかさではなく、
心が求めるものを躰で抱きしめる生き方をできる人なのだ。
「その点、ミヤコちゃんは勘がいいから、こっちも安心して話ができる」
「なんですかそれ」
「冗談が冗談として、真面目な話は真面目な話として通じる。それって見過ごされやすいけど、意外と大切なことなんだよ」
彼の云うことも尤もだろう。
「彼女、もしかしたら凄く支持されるかもしれませんよ」
「?」
「人を突き動かす原動力って、楽しくてウィットに富んだ会話からは生まれないと思うんです。周りの期待にどう応えるかじゃなくて、どれだけ自分に正直に生きるか、じゃないのかなって」
須藤さんの眼が、
遠くのものを見つめるようにぼんやりと私の手元を捉える。
「…そうかもしれないね」
そうつぶやいて、彼は眼の輝きを落とした。
失ったものへの郷愁と優しさの入り交じった、
複雑な彼の表情を、初めて知る。
そして私は、自分がどうしたいのかを想い巡らし始める。
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